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その瞬間、洒落れたダンス曲が終わった。
人々の跳ね上がった呼吸と歓声が響き渡る。
そのとき遠くから、時計楼の城から出てくる五人の巫女がみえた。
人々はさっきまでの賑やかさが嘘のように静まり、道を広げた。
カイトと女は迂闊に動かず、聴衆にまぎれおとなしくやり過ごす。
この国の五人いる巫女が鐘楼を囲むように円形に配置される、人々は巫女を囲みまわりだす。
白い服に長尾鳥の羽をつけたサーシャが歌い始める、この帝国に伝わる伝承を。
この大陸の3つ分の地の赤き土
紅き金剛が隠され
緋から金の霞が揺らめく
この大陸7つ分の海の深き青
藍から荘厳の粒が輝き
海の女神が流す虹の涙を流す
この大陸をてらしだす緋にもゆる陽
すべてを照らす根源であり
すべてを無にきすものである
この刻の鐘楼を囲いし乙女
その声を持ちいて告げる
万物を司り自然とともにある我らに
祝福を
そして五人の歌が終わると、
すっかり回り続けてトランスに入った者達に
サーシャは予言を放つ
そうして、歌い終わる頃に時計塔の秒針の影が東に向けて影を落としていた。
「東へ、新たなる光の鉱石を求めに」
こうして旅の始りを告げた。