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最強の武器は、絶対に盾だろ!  作者: 青春詭弁
第三章 盾使い、屠る
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エピローグ



 魔王軍の幹部アストレアを倒した俺とシロナのそれからというと――。

 魔王軍の幹部を倒した功績で、ランクが一つだけ繰り上げられてDランクになった。この辺になると、今までよりも仕事が内容が複雑化して、ようやく冒険者らしくなってきた。

 ちなみに、アストレアは王都の牢屋に放り込まれ、今は尋問でも受けているかもしれない。少なくても、吸血鬼である彼女は不死身であり、殺すことはできないそう……。


「アストレアのことだから、虎視眈々と脱走を企ててそうよね」


 と、シロナが苦笑まじりに言った翌日。案の定、アストレアは牢屋から脱走して姿を眩ませた。

 これに俺とシロナは乾いた笑みしか浮かべられない。


「さて、今日も仕事すっかな……」

「今日はダンジョンに行ってランクを上げるわよ!」

「お、そいつは悪かねえな……なあ、ヴィオラ」

「あの……いい加減、本当に自分達でやってくれませんか?」


 いつもの如くヴィオラにお願いしようとすると、眉をピクピクとさせて怒りを露わにする。

 俺は肩を竦めて、


いや、もうなんか……ヴィオラにやってもらうのが手っ取り早いんだよな」

「そうなのよね……。というか、控え目に言って、面倒なのよねー。自分で選ぶの」

「私の仕事が増えるのでやめてくれません!?」


 そんな一悶着がありつつ……俺とシロナは変わらずSランク冒険者になるために、日々のクエストに精を出している。

 今回の魔王軍幹部捕獲がきっかけとなり、俺とシロナの知名度はぐっと上がった。王都では言わすがな、別の街からやってきた冒険者にも知れ渡っている。

 シロナはその綺麗な銀髪がシンボルとなり、俺は盾を背負っていることがシンボルに――お互い街中で勝負をふっかけられることが増えた。


「お前達が魔王軍幹部を倒したらしいな! 本当かどうか確かめさせてもらうぜ!」


 たまに、そこそこ手強い相手もくるがリーチ大抵は弱く、肩慣らしにもならない。

 最終的に欲求不満になったシロナが、俺に勝負をふっかけることは日常茶飯事で、王都ではすっかり馴染み深い光景になってしまっているそう……。

 そんなこんなで、俺の……この盾が最強の武器であるという証明は、着々と進められている。順調でなによりだった。


「さあ、グレイ! 今日はDランクダンジョンよ!」

「魔王軍の幹部がいないといいな」

「なーに弱気なこと言ってんのよ! 魔王軍の幹部なんかちょちょいのちょいよ! あんたとあたしのコンビならね!」

「…………」


 いつものシロナなら、「あたしなら余裕!」というところだが――コンビときた。

 少しだけ嬉しいことを言ってくれる。

 俺は鼻頭を掻きながら、


「だな……んじゃまあ、行くか」

「ええ!」


 俺達は今日も冒険に出る。

 始めは、ただ盾という武器を広めるために始めた冒険者だったけど――今では、冒険が楽しいと思ってやっている節がある。

 それはきっと、シロナが俺の隣にいるからだろう。

 そんなことを考えながら、俺はシロナの隣に並んで今日も冒険に出かけた。







本命のプロットが終わったので、こちらは駆け足ながらも締めようと思います。

少しでもお楽しみいただけたなら、幸いです。

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