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最強の武器は、絶対に盾だろ!  作者: 青春詭弁
第一章 盾使い、冒険者になる
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九話 盾使い、どさくさに紛れる

今日も疲労困憊なので短めです。



 ダンジョンの天井がアストレアによって崩れ――生き埋めになった俺とシロナ。


「ッぶねえ……」


 俺は盾で崩落してきた瓦礫を防ぎ……とりあえず、生きている。シロナは俺の下で目を丸くさせている。

 見れば分かるが、一応確認する。


「おい、無事か?」

「え……あ、ええ……無事だけど……。ぐ、グレイは大丈夫なの?」

「見りゃあ分かるだろ。余裕だっての」


 体を覆える盾のおかげで、瓦礫で押し潰されることはなかった。さすが、世界最強の武器。

 ふと、いつもやかましいシロナが大人しいことに気が付く。見ると、シロナの顔が真っ赤だった。というか、俺がシロナの上には覆い被さっているかたちだからか、顔が近い。

 シロナは口をもごもごと言い出し難そうに口を開く。


「ね、ねえ……その……あ、あんたの手……あ、あたしの胸を……」

「は? 胸?」


 言われて視線を下げると、俺の右手がシロナの豊満な胸を鷲掴みにしていた。確かめるために、数回揉んでみる。


「あ……んっ!? ちょ、なに揉んでんのよ!?」

「いや、折角だから揉んでおこうかと」

「ちょ……や、やめ……んん……やめなさいよ!」

「いで」


 怒ったシロナが涙目で俺の頬を引っ張った。

 これ以上はまずいと判断し、手を離す。と、そこで少し気を抜いた瞬間――盾の上に積み重なっている瓦礫の重みで、俺の体勢が僅かに崩れかかる。


「おっとと……っぶねえ。まだ生き埋めになる可能性はあんな」

「あ、あんた大丈夫なの?」

「こんくらい問題ねえっての……ちょっと待ってろ」


 俺はシロナに一言断りを入れ、全身の筋肉を始動。全ての力を盾に集約させ――刹那、盾の上に積み重なっていた瓦礫を吹き飛ばした。

 瓦礫は一帯に飛び散り、俺とシロナはようやく起き上がれた。

 周囲は瓦礫に埋め尽くされており、出入り口は塞がれてしまっている。


「あんた……とんでもないわね」

「まあな」


 瓦礫が数トン乗っかった程度、全く問題にならない。

 積もった瓦礫の上に立ち、周囲を確認。だが、全て瓦礫に埋もれている景色しか見えない。

 そういえば、あの美少女吸血鬼のアストレアはどこへ行ったのだろう。生き埋めになってしまっただろうか。


「んー……どうしようかしらね。あたしの剣で出口を塞いでる瓦礫を斬ってみようかしら」

「やめとけ。下手にやって、また生き埋めになったらどうすんだ」


 勝手な行動をしそうなシロナの首根っこを掴み、大人しくさせておく。

 さて、どうやって抜け出したものか。

 ふと、視界でなにかが動いた。暗くて見え難いが――人の足のようなものが、瓦礫から生えているのが見える。

 その足は、バタバタと動いており――なんとなく瓦礫に埋まってる人物が誰か分かった。


「なあ、シロナ」

「ええ……多分、アストレアね」


 シロナも気付いていたのか、呆れた溜息を吐いた後、二人でアストレアのところに近寄る。


『もごごご!』

「なあ、どうする?」

「この子ぶっ倒せば、ダンジョンクリアよね?」

「この状態でやるつもりかよ……容赦ねえ……」


 いくらなんでも可哀想だ。いや、どちらにせよ討伐はするのだが……体裁とか、外聞の問題である。

 心優しい俺は、頭を掻きながらアストレアを助け出すために綺麗な両足を掴んだ。


「ちょ……まさか引っ張り上げる気?」

「こいつ倒しても、どのみちこっから出れなきゃ意味ねえだろ? 一応、ダンジョンのボスなら抜け道とか知ってるかもしれねえし」

「そう……優しいのね」

「そんなじゃねえっての」


 言いながら、引っ張り上げようと視線を落とす。と、アストレアのパンツが視界に飛び込んできた。

 ほう……黒か。


「よっこらせっと……」

「んぎゃ!?」


 アストレアを瓦礫から引っ張り出す。

 引っ張り出されたアストレアは、間抜けな悲鳴を上げ、見事に助け出されるのであった。



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