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道の途中で
「森だね。」
「森だねぇ。」
2人は森と言うよりジャングルの中を歩いていた。
ユウが他人事のように言った。
「砂漠になったり森になったり岩場になったり大変だねぇ。」
「あっ!」
イルが何かに気づいた。イルの目線の先には比較的舗装された道があった。
「なんでまだこんなしっかり残ってるんだろ?」
ユウが言った。
「零の中心地から遠かったからとか?」
「よくわかんないけど、歩きやすいねぇ。」
「でも道があるのに人がいないのはおかしくない?」イルが言った。
「私がいる!」とユウが胸を張って言った。
「ところで。」ユウが続けて言った。
「私たちはどこに向かってるの?」
「この道の果てさ。」イルがカッコつけて言った。
「なにそれー!笑わせるねぇ。」ユウが笑いながら言った。
それから何時間歩いただろう。おもむろにイルが、「ここさっきも通んなかった?」
「森だからわかんないや。」ユウが言った。
2人のあいだに沈黙が続いた。
道が円になっていると気づいたのはさらに数時間後だった。