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終わった後に旅をしよう。
「まだ着かないのー?」
茶髪の少女が言った。
「もうすぐだよ。」
銀髪の少女が言った。
「それさっきも聞いたんだけど…」
「少しは静かになれないのかなぁ。」
「髪も口の中もジャリジャリだよぉ。」
そう、ここは「零」により砂漠となってしまった森だった場所である。
「だいたいこの地図合ってんの?いつの地図?」
「零の前の。この丘を抜ければ街があるはず。」
「その街も無くなってんじゃ…って」
「…ん?」
「「おおーー!!」」
2人の声が重なったのもおかしくない。何故なら砂嵐が晴れ、そこには満天の星空が広がっていたのだ。
「もう夜だったんだ。」
「すごい綺麗だね!」
2人が星空に酔いしれているとき、おもむろにユウが言った。
「ねぇ、イル。」
「ん?何?」
「次はどこへ行こうか?」
これは2人の少女が紡ぐ旅の話。