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チュートリアルで遭遇して良い敵じゃない!

 

「【キマリエル】か……」

「エル知ってるの?」

「うん。キマリエルは大型のモンスターで霧と共に現れる捕食者だ。霧に隠れて狩りをする小癪なモンスターだよ」

「へぇー」


 エマヌエルが姉にキマリエルがどういうモンスターかを説明する


「『へぇー』じゃないだろう!今、エマヌエルは大型ったぞ! 大型だぞ⁉︎」


 取り敢えず、呑気な姉にツッコミを入れておく。本当に「へぇー」は無い

「怖いね」なんて呑気に話している姉を放って置くことにして俺は無線と格闘中のアンナさんに支持を仰ぐ事に


「アンナさん。どうしますか?」

「軍のルネナイト連中が時期に来るみたいで、私達は撤退命令が出たけど……この霧では引けないわね」


 この軍隊には階級が大きく分けて3つある。1つはとチアナイトいう階級で今、俺達がいる階級だ。次にアンナイトというアンナさんがいる階級。そして最後にルネナイトという途轍もなく強い人がなれる階級がある

 それぞれの階級により受けられる任務が決まって来るので、俺達チアナイトの人達は基本的に簡単な任務ばかり任される。


 今、ルネナイトが来ると言ったが……それ程の敵であるという事だろう


「チュートリアルで遭遇して良い敵じゃない!」


 俺は絶叫した。下手すれば、このままゲームオーバーだ。クソッ


「声がデカイ! 居場所がバレる! いや、バレてるけどね、狙われるから!」


 俺を注意するアンナさんの声の方がデカイ。


「兎に角、引きます。皆、来た道を帰りますよ」

「アンナさん……来た道が分からないんですが!」


 来た道は霧の所為で全く分からない。帰るのは、まず不可だろう


「無闇に動くのはマズイか……」

「どうやら、来た様です」


 思案するアンナさんにボルハが告げる


 それは、大きな口、鋭く尖った牙、巨大な体躯、鋭利な尻尾の大きなトカゲの様なモンスターだった。デカすぎ


「マジで⁉︎」


 こんなの、まだ早すぎる⁉︎ 俺達はまだゲームでいう所のレベル1だぞ⁉︎ なのにレベル50ぐらいの敵が来るってどーいうこと⁉︎ 初っ端に会って良い敵ではない


「ど、ど、ど、どうする⁉︎」

「ど、どうしましょう⁉︎」


 アナトリーがレイキに聞きレイキは何故か俺に指示を仰ぎだした。いや、俺じゃなくてアンナさんに仰げよ


「仕方ない! 貴方達の攻撃は通らない。各自散会して時間を稼いで!」


 っと御達しが来た。つまりは逃げ惑えっという事だろう


 敵は真っ先に姉とエマヌエルを狙って来た。2人の近くで鋭い爪が付いた手を横薙ぎに払い攻撃して来たので、2人はそれを左右に分かれて飛んで逃げようとしたのだが……

 エマヌエルは華麗に飛べたのだが、何故か姉は足を滑らして、その場にコケた。転がった姉の頭上を巨大な腕が通過する。


「あぶねー」

「大丈夫?」

「おうとも!」


 勢いよく起き上がった姉はエマヌエルと息の合った連携で敵を欺く。敵の注意がエマヌエルに向いている時は姉が横から魔法を撃って攻撃し、姉に注意を向けて……敵の注意が姉に向くとエマヌエルが魔法で攻撃し、エマヌエルに注意を向けさせる。これの繰り返しだ。2人共初陣なのに凄い動けているんだが……流石、姉。


「ボサッとしない! キマリエルは1匹で行動しないのよ!」

「マジで⁉︎」

「お兄ちゃん後ろ⁉︎」


 他にもあんなのが居るのか⁉︎ っと思って妹の声に後ろを振り返るとお口を大きく開けて構えてらっしゃるキマリエルがいた。

 ーー 食 わ れ る ーー


「うぉぉおおお!!!」


 そのまま突っ込んできたキマリエルを寸で転がる様に避けた。


「反射神経良いな」

「その様だな」


 遠くでアナトリーとボルハが傍観していた。傍観してないで助けろ!






 俺達は岩場に身を隠した。俺は岩場で出来るだけ小さくなり、周りから見えない様に頑張っている。アンナさんは辺りを警戒し何処から来ても対処できる様に構えている。これが経験の差か……


「かなり、ヤバイね」

「その様だな」


 アナトリーとボルハが話している。どうでも良いがボルハさっきから「その様だな」しか言ってなくね?


「アイツ、口から何か吐き出してたよ」

「わた……僕も見たよ」

「私も……」


 俺が岩と岩の隙間から様子を伺いながら言うとアナトリーと妹が返してくれた。アナトリーはギリギリ私って言わなかったな……妹はアウトだ。


 ドシドシと近くで音がするが霧の所為で敵が全く何処に居るか分からない。俺は岩の隙間から必死になって奴を探していると……


『グルゥゥウ……』


 かなり近くで唸り声が聞こえて来た。相当近いのでは? そう思い、アンナさんがいる右側をみると、隣に居た妹が口を開け真っ青な顔をして俺の頭上を見ている。そのまま、視線を左に移すと左隣にいたアナトリーも同様の表情だった。

 そして上から何かネバっとしたモノが垂れて来て俺の頭を濡らした


 嫌な予感がする……


 俺は、そっと自身の真上を見上げて……


「うあぁぁあああっ⁉︎」


 絶叫した!

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