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酷い性格

 

 頭上からメリメリと骨が砕ける音が聴こえてくる。それと同時に落ちて来る血


「ほら、どうしたの? 早くしないと死んじゃうよ?」


 エマヌエルは楽しげな表情で俺達を煽ってくる。立地の悪さと高さの都合で攻撃出来ない俺達を嘲笑っている様だ


「エマヌエル……オウキの言う通り酷い性格してるな」

「褒めても何も出ないよ?」

「褒めてない!!」


 エマヌエルは楽しげにケラケラと笑っている。本当に性格ヤバいな


「ほら……きっと痛いよ? ゆっくりと骨を砕いて行ってるし、死なない様に調節してるしね。ふふふ、痛いだろうね」


 かなり悪どい顔をしたエマヌエルが笑いながら話す。連隊長はジタバタと暴れているが、いつまで保つか……魔法を撃ち反撃しようにも連隊長を巻き込みかねないし、銃で撃っても結果は同じだ。そして、無闇に助けようと突っ込めば、エマヌエルの事だ何かしらの準備をしている事だろう。かといって、ここで動からないのもの(エマヌエル)思う壺だろう

 どうするべきか頭の中で考えていると奥から更に大きな足音が聞こえてくる


「エル、遊びは終わりだ。早くしろ」


 奥から巨大モンスターを何十匹も連れたヌンツィオが現れた。最悪の事態だ。


「嫌だよ、最近暇してて遊びたかったんだ。少しくらい良いだろ?」

「ダメだ、早くしろ」

「い〜や〜」

「チッ」


 口喧嘩し出した2人にコレはチャンスと思い仕掛ける事に。まず優先するのは連隊長の救出だ

 俺は岩場を駆け上がり一気に連隊長を咥えているモンスターの頭に乗る。勿論、反撃されたが無事にたどり着いた。


「……⁉︎」


 やはり、流石と言うべきか俺達から見て死角になっていた場所には数匹、同じモンスターが配置されていた。上に上がった俺に一斉攻撃を仕掛けて来たので、俺はなす術なく連隊長から離れる他なかった


「クソッ!」


 連隊長を咥えているモンスターから離れ下に降りた俺をエマヌエルとヌンツィオが見ていた


「流石! この距離一気に縮めるなんてね」

「だな」


 いつの間にかヌンツィオとエマヌエルの喧嘩は終わっており、またコチラに不利な状態になった。奥から来たモンスターもジリジリとコチラに詰めて来る。このままでは……


「エマヌエル……お遊びは終わりだよ。早く持ち場に戻ろう」


 またも姉が登場した。さっき帰ったのに戻って来たのか


「嫌だ」

「もう……なんでカティル逝っちゃったかな……」

「何だかんだで、エルを止められるのはカティルと連隊長とアルさんくらいだからな……全員居なくなったし、どうしょうもないな」


 溜息を吐く姉とヌンツィオ。気持ちを切り替えたのか姉が真面目な表情で


「エマヌエル、命令です」

「……分かったよ」


 エマヌエルに命令だと告げると、エマヌエルは一瞬面白くなさそうな顔をしたが直ぐに笑顔になり……


「えいっ!」


 っと言う掛け声と共にバキバキっと音が聴こえてきた。そして俺達にかかる血の雨。


「……そんな」


 ダラリと垂れた手足。降りかかる血の量から連隊長は助からないと断定する。


「引きましょう。今回はあくまで調査。だから引いても問題ないわ」


 ロザリーさんが奥から来た巨大モンスター達と頭上に居るモンスター達を見て、そう判断した。なので俺達は連隊長を置いたまま、来た道を引き返す。驚く事にモンスターや3人は襲って来る事はなかった……




 外に出て軍の上層部に報告。業務的な労りの言葉の後、第7連隊は暫く待機を命じられた

 第7連隊の砦に戻り待機する。地上戦はまだ展開されておらず、今はまだ睨み合いが続いている模様


「で、おずおずと逃げて来た訳か」


 通路で有った事をイノ坊に話すと呆れた様に返ってきた。仕方ないだろ……


「あの通路は使えないな」


 という訳で、あの通路を使う奇襲作戦は無くなった。なので地上から乗り込むほかないが、魔人側も警戒している為、楽ではないだろう

 俺がイノ坊と駄弁っているとアンナさんがやって来た。


「明日には攻撃を仕掛けるらしいわ。準備しておいてね」


 っと告げる。明日から戦争を開始する。きっと沢山の仲間達が儚くなるだろう。俺も無事では済まされないかもしれない。でも、レイキや母、父、そして龍騎を帰す為、俺は意地でも魔人王を倒さねばならないのだ。例え、その過程で姉を殺す事になっても……


「待ってろ」


 俺は深く決意する。姉を倒し、魔人王も倒してみせると……

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