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巨大蛇

 

 スッカリ体は元通りになり体調は絶好調だが、心は絶不調だった


「はぁ……」


 本日何度目かの溜息が溢れる。


「全く! しゃんとしいや! 今時の若い者はホンマにだらしないわ!」


 イノ坊にドヤされる始末。若い者って……お前何歳だよ


「お兄ちゃん? 任務行かないの?」

「あー……行く行く」


 俺は気乗りしないまま任務に出撃。


「全く……気持ちは分かるけど、乗り越えなさい。立ち止まってたら、笑われるわよ?」


 なんとか回復したアンナさんもリハビリがてら一緒に行く。イノ坊は俺の頭の上でお昼寝している。呑気でいいなぁ


「今回は?」


 アナトリーが聞いて来たので答える


「キャンディー」

「また⁉︎」


「また⁉︎」では無い。久しぶりなのだ。そんな毎回狩っている訳ではないのだが……


「リハビリには丁度良いわね!」

「あぁ」


 アンナさんとボルハは賛成してくれたので、いざ! キャンディー討伐へ!


「頑張ろね、お兄ちゃん」

「おう」







「なんでこうなる!!」


 俺達はキャンディーを追いかけて居たのだが……穴に落ちた。そう何かの巣穴だ。まぁ、何かなんて決まっているが……


「プーリミオの巣……」


 あれだ……キャンディー追いかけ回すの止めよう。キャンディー追いかけると毎回碌な事がない


「魔人居る?」

「居らんよ!」

「なら、安心して進めるね」


 遠い目をして黄昏ていると、いつの間にか俺抜きで話は進んでいた。


「はぁ……」


 溜息を吐き、前でワイワイと話している面々から目を離し後ろを見ると……あら不思議

 巨大な蛇の体の一部がそこにあった……幸いな事に頭は此処には無いので俺達の事はバレて居ないと思うが、それにしてもデカすぎる。そして太い!


 そこ蛇はゆっくりと移動しているらしくズルズルと穴の奥に向かって居るのが確認出来た


 俺は皆んなの方に向き直り静かにするようにジェスチャーする。皆、初めは「はぁ?」っという顔だったが俺の後ろに気付くと黙り、それが通り過ぎるのを待った


「あれ……何?」


 俺が尋ねると


「【ウリノーム・ペルグランデ】よ。地龍最強で成体だと400メートルは超える巨体になる大型モンスター」


 アンナさんが答えてくれた。そしてアンナさんは険しい顔で続ける


「魔人も裸足で逃げ出すヤバイヤツね。因みに魔人王でも単騎は無理だったモンスターよ」


 死んだーー!! 魔人王よりヤバイヤツ来たーー!!


「儂……蛇無理やねん……」


 あのイノ坊ですらダメだって言ってるぞ! 確実に無理なヤツだろう! 泣き面に蜂とはこの事か!


「成体なんですかね……」

「見るからに成体よね」


 だって太かったもの……長かったもの……頭が見えなかったもの……


「太さは大体2メートル、長さは約400メートルって所かしらね……因みに目も良いし、鼻も良いし、耳も良いらしいわよ? それに熱感知もあるとか」

「死んだな」


 もう無理だわ。え? 倒せるの?


「体は分厚い鱗に覆われているから通常攻撃は通らないわね」

「無理なヤツですね」


 取り敢えず脱出する事だけ考えよう。討伐は絶対に無理


「此処って……よく考えたらプーリミオの巣穴じゃなくて、ウリノーム・ペルグランデが掘った穴なんじゃ……」


 レイキがとんでもない事を言う。それを聞いた皆んなは無言になり……


「兎に角、脱出しましょう」


 脱出する為、俺達は歩き始める。歩いているとズズッと何度も音が聴こえて来て恐ろしさに何度も後ろを向いて来ていないか確認する。

 前方に光が見えて来た。出口だろうか?


「出口か?」


 そこに行くと……出口ではなく広くて明るい空間だった。そこでプーリミオ達が宴を開いており、何やら楽しそうだ


「プーリミオの巣穴?」


 そう言う事だろう。良かった……巨大蛇の巣穴じゃなくて……


 奥の方に階段が見える。アレで地上まで登れるかもしれない


「端をコッソリ通って抜けましょうか」


 アンナさんに続いて皆、コッソリと端を通り階段の所に行く。そして長い階段を上っている途中でソレは来た


 地鳴りと共に巣穴全体が大きく揺れる。今にも崩れそうだ


「何事⁉︎」

「アナトリー、声が大きい! 気付かれたら厄介よ」

「あ、すみません」


 アナトリーが声の大きさでアンナさんに注意されていたがアンナさんの方が声が大きい

 そんな、くだらない事を思っていると俺達の真横にあった壁が凄い音を立てて吹き飛んだ。そして中から……


「【ウリノーム・ペルグランデ】」


 が登場した。ソレは想像よりも遥かに大きい巨大、大きくて鋭い牙、牙から垂れる液、頑丈な鱗。

 真横に居るソレと一瞬目が合った気がしたが、俺に構う事無くプーリミオ達の元に向かって行った

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