凄い事実が判明した
それから暫くロビーまで来た魔人を倒し続ける。
「本当に強くなったね! お姉ちゃんは誇らしよ!」
「お前は弱くなったな」
足に纏わり付いてくる姉に向けていう。姉はこの身体になってから接近戦が出来ないらしく基本は魔法攻撃のみだ。
「魔法でも十分役にたってると思うけど!」
姉は炎系魔法と風系魔法が得意らしく、その2つの系統を合わせた複合魔法なんか使ってくるので、正直言ってかなり頼りになるのだが、素直に言うと調子に乗るので絶対に褒めてやらない
「お姉ちゃん凄いよ!」
俺の代わりに妹が褒めると嬉しいのかピョンピョンと跳ね出した。子供かっ
「そろそろ、戻った方がいいかな? 魔人王とは決着着いたかな?」
俺の前でクルクル回る姉が言っている。コイツはジッと出来ないのだろうか?
「なら、戻るか? 魔人王ってヤバ……」
ヤバイんだろ? っと続けようとすると尋常じゃない圧を感じて言葉を止めてしまう。言葉所か息さえ止まる程、凄まじい圧だ
「……」
額から汗が流れる。それを感じたのは俺だけではなくてこのロビーに居る全員が感じたのだろう。皆、動きを止めて恐怖の表情を浮かべた
「大丈夫か? あー……やっぱりビビるよねー。私もチビリそうになったもん」
前言撤回だ。全員ではなかった。姉だけは呑気に話し、俺の手を引っ張り遊んでいる。
『なんだ……此処にも居たのか』
その言葉と共にソレは現れた。体長3メートルはある身体に、牛の頭、鋭い牙、身体は人のモノで、尻尾と羽が生え、恐ろしいオーラを纏った魔人。どっかで見たような……
「魔人王」
俺の隣に居る姉が呟く。これが魔人王……魔人王は姉を見ると目を細めて、手に持っていた何かを姉の前に放り投げた。それは
「アルさん?」
「アルトゥールさん……」
金髪が特徴のイケメン代表、アルトゥールさんであった。放り投げられたアルトゥールさんはピクリとも動かず、嫌な予感が過るが……
「大丈夫。息はあるね」
姉が生死の確認をする。アルトゥールさんは無事だった様だ。よかった……
姉は倒れたアルトゥールさんに回復魔法を掛けながら魔人に問う
「冷徹で有名な魔人王でも流石に息子は殺せなかったのかな?」
「えっ⁉︎」
『ふんっ。愛着などないわ。殺そうと思えばいつでも殺れる。急く必要もあるまい。あの女の様に、ゆっくり嬲るのもいい』
凄い事実が判明した。アルトゥールさんは魔人王の息子だったらしい。という事は双子の連隊長も息子? だからあんなに強いの?
「それは、それは。母が聞けば発狂して自殺しそうだ。まぁ、もうしたがな」
奥から結構ボロボロの連隊長が出てきた。あの女って連隊長の母親の事?
『女とはか弱いモノよな』
「確かにな。あの人は弱かったよ。おい、アル!! 起きろ!」
連隊長がアルトゥールさんに怒鳴ると
「……休みたかったんだけど……仕方ないね」
アルトゥールさんが起きたが怪我が酷い
『……喰うにも不味そうだ』
周りに人が集まり始める。その中には赤いモヒカンがヘナってモヒカンじゃなくなったロザリーさんも居る。
「第2ラウンドだ」
『ふんっ』
これ、俺達も参加しないといけないのだろうか? 魔人王なんてラスボスも良いところだ。だって魔王なんだろ? ゲームでは勝てる様になって居るが、リアルでこんなの勝てる? 無理だよ……
「ほれ! 弟! これあげるから、頑張れ!」
姉から刀を渡された。確かに格好良くて「いいなぁ、欲しいな」っと思っていたが何故今渡した?
「切れ味抜群! 魔王の首もチョンパ出来るよ!」
今、魔王って言ったな。姉も魔王だと思っているのか。しかし……この刀で首を斬る事が出来るのか? 魔王と刀を見比べて確認する
魔人王の首は太くて頑丈そうな首に分厚い毛皮が付いている為、斬るのは無理ではないだろうか?
「通らないだろう⁉︎」
絶叫する俺。それを聞いていた連隊長に
「奴は動きは遅い! お前は足が速いのが自慢だろう? お前が鍵だ」
「嘘だろ⁉︎」
俺、強制参加⁉︎ 肩が叩かれたので後ろを振り返ると、ボルハとアナトリーが同情の眼差しを向け、俺の肩に手置いていた
「ファイト!」
「健闘を祈る」
おれの味方はいなかった……あんなのと、どうやって戦うんだ! というか、お前らも戦え!
「お兄ちゃんなら大丈夫!」
結構、無責任な事を言うレイキ。
「さて、やるか」
連隊長の掛け声に「うぉぉおお!!」っと声を上げて魔人王目掛けて行く皆。仕方ないので俺も自棄になり向かって行く事にする




