女性は強かった……
連れ去られた女性達の大半は救出に成功したが、皆心の傷が深く回復するのに時間が掛かる様だ。
「惨い事をするものだ……」
全ての元凶であるパーバートゥは海の藻屑と消えたそうだ。彼は自身の欲求を満たす為に変態を唆し、組織を作りあげたのだ
「まぁ、俺も言えた義理ではないがな」
「……?」
只今、連隊長室で連隊長と一対一で話している。報告書を出しに来たのだ。
報告書を連隊長に渡して俺の任務は終了。暫く休暇を貰えたのでのんびりと過ごす事に
部屋に戻る途中、ロリ化した姉と遭遇。ロリ姉に、牢屋に居た時色々教えてくれた女性が逢いたいと言っていると教えてもらったので逢いに行く事に
「ありがとう」
逢いに行くと御礼を言われた。彼女はこれから施設に入り心の傷を癒すとの事。
「時間が掛かっても必ず立ち直ります」
女性は強かった……
「胸糞悪い事件もあったもんだな」
食堂で姉達一行と共に食べていると遅れて来たヌンツィオがトレーをテーブルに置き座ってから呟いた
「まぁ、魔人は血に飢えてるからな……分からなくもないが、他にもやりようはあっただろうに……」
カティルも会話に参加する。
「子供が必要なこの時代にトラウマ植え付けて……」
「でも、あの人達は強かったよ。時間は掛かるけど乗り越えるってさ」
俺達は事件の事を話続ける。因みに姉は身長が縮んでいる為、普通の椅子ではテーブルに届かないのでエマヌエルのお膝の上に座って一生懸命ご飯を食べているので会話に入って来ない
昼食も終わり休暇の為、暇な俺はレイキと共に家に帰る。
「お帰りなさい」
少しお腹の膨らんだ母が出迎えてくれた
「お母さん、お腹大きくなったね」
「分かる? 最近、蹴ってくる様になってね」
呑気な母の前にロリ化した姉の写真を突き出した
「なんか縮んだんだよね」
「……」
母はあんぐりと口を開けて、写真を凝視する。
「加工?」
「違う」
自身の娘が若返っていたら、そりゃ驚くだろう。俺だってビックリだ
「小さくなって! まぁ……子供が小さいと、私も若返った気分だわ」
相変わらずの母であった
寮に戻る途中、レイキと束の間の休息を楽しむ。映画を一緒に観て買い物をして楽しんだら寮に帰還。その次の日は待ちに待ったアンナさんとデートなので明日に備えて早めに就寝した
深夜にビービーっと警報が鳴る。その後に
《【キュバリル・ウルティムス】が襲来しました! 総員直ちに戦闘準備を! 繰り返します!……》
警報に叩き起こされた俺はボーとした頭で【キュバリル・ウルティムス】とかいうのを考えるが脳内コンピュータにヒットする項目が無い
「兄さん! 早く!」
妹に急かされて外に出ると……
「あんた何でまだその格好なの⁉︎」
「早くしないと間に合わないぞ」
「お兄ちゃん……」
皆んなはウエットスーツに着替えて準備満タンだった。成る程な、海からの侵略者か
俺は急いで着替えて急いで格納庫に行き、自分の愛機に乗る。前に一度壊したので心配していたが元通りに戻っているようで良かった
「……?」
いや、元通りではない。何か装備が可笑しい。ビームは付いているのだが……ミサイルが何か違う。巨大な注射器の様な……
「何してるの⁉︎ 早く乗って!」
「あ、ごめん……」
急かされて乗り込んだが……
「なんかボタン変わった?」
アナトリーも気付いたらしい
『兄さん、早く!』
妹にも急かされた。仕方がないので出陣する
「めちゃくちゃ濁ってるな……」
海内は濁っており、先がなかなか見えない。
「昨日は嵐だったんだって」
「へぇ……」
これでは何処から来るのか見えないが、仲間が集中的にビームを撃っている場所にいるのだろう。
『今回は倒すのが目的じゃないから! 追い返すのが目的だからね!』
アンナさんから通信が入り、内容が聞かされる
なんでも【キュバリル・ウルティムス】は超巨大な生き物らしく倒すのは不可能に近い。なので街から遠避けるのが目的なのだそう。
『街は岩で覆われていて侵入は難しいけど……奴なら壊して入って来るのは容易』
らしいので砦勤務以外の全隊を投入して追い返すのだそう。この時、軍本部は手薄になる為、最低限の人員は居るそうだ
「来るよ」
アナトリーに声をかけられ、思考の整理を終えて前を見る。ライトが当てられて……奴のシルエットが遠目からでも確認出来た。
「え……何あれ……」
想像を遥かに超える大きな生物がそこにはいた




