ん?姉? 姉は気が付いたら友達100人できてたよ
「俺は歳的に無理だ。若い奴らに着いて行けない。お前達任せた!」
「あんた、それでも父親か⁉︎」
あろう事か父は面倒そうな猪探しを子供達に押し付けた。一家の大黒柱が何言ってるんだ。いや……一家の大黒柱は母だった……
「私は良いよ。面白そうだし!」
「面白いで判断するなよ……まぁ、俺と姉で良いか」
姉は大丈夫だろう。なんたって崖から転がり落ちた時、無傷だったのだから。
「そうね。翔麒は兎も角、凰姫なら大丈夫でしょう」
っと母が言う……母よ俺は大丈夫ではないのか? しかし、俺は結構外に興味がある。なので誰に何と言われようが軍には入るつもりだ
「お、お兄ちゃん。私も行くよ」
「「「えっ⁉︎」」」
妹の麗亀の言葉に俺と父、母は驚いた表情を浮かべるが姉だけは何故か微笑んでいる
「私も役に立つかもだし……」
「いや、妹よ。外で見ただろう? あんなのがうじゃうじゃ居るんだぞ? アレ見て問題なかったの、この姉くらいだぞ?」
「バカとはなんだ! 良いじゃん。本人の希望なんだよ」
妹の軍隊入りで賛成派(姉のみ)と反対派(俺と父、母)に分かれて言い合ったが、普段は大人しく内気な妹が引かなかった為、妹は俺達と共に軍隊入りする事となったのだ
取り敢えず、今後の事を話し終え皆、休んだ。
次の日からの母の行動は早かった。母は元々、機械系の仕事をしており、機械にめっぽう強い。この近未来的、週末の世界では機械の需要がかなり有る。なので直ぐに何処かの会社に入り生活費を稼いで来た。父は主夫だ
俺達は軍の学校に入り、文字や、モンスターの類、戦い方、魔法を学んだ。
俺達が無事に学校を卒業する頃には、母は独り立ちし会社を立ち上げていた。その名も【シズイカンパニー】
母凄い。異世界に来て困るのはやはり資金だ。それの問題を無くすとは流石母……
生活には困らなくなる何処か、裕福になった我が家。因みに父は主夫である
「と言う訳で、今日から正式入隊だ!」
軍の学校を卒業した俺達は、とうとう軍隊に入る。姉は兎も角、俺と妹はやっていけるか心配だ。
俺はお洒落な軍服に着替えて鏡の前に立ち、身だしなみを確認した後、母と父に挨拶する。軍では寮生活なので暫く母と父とはサヨナラだ。
挨拶を済ませて、この街の下の方に有る軍の施設に行く途中、俺は2人の格好を確認する
まず麗亀だ。レイキは髪を肩までの高さに揃えて、俺と同じ男の制服を着ている。
何でも母が「こんなよく分からない世界で女の子が彷徨くのは危ない」っという理由と「面白そう」っという理由で、住民票を会得する時点で姉と妹は男として登録していた。なので妹は男装しているのだ。見た目はショタ男子の可愛い妹の……いや弟の出来上がりだ
まぁ、コレはコレで萌えるのでヨシ!
「顔がニヤけてて気持ち悪いぞ、弟よ!」
姉の名前は凰姫。とても言いにくい名前だ。
そんな姉は流石と言うべきか期待を裏切らなかった。姉の格好は女性の軍服に、前の髪を少し残し長い後ろの髪を編み上げてアップにしている。
姉は男装する事なく(胸は潰してある)女の格好で、但し【男の娘】として振舞っていた。女子にナンパ、男子の猥談に参加などしていた為、全くコレぽっちも疑われる事はなかった。
流石だ……俺は悲しいよ
「そうだ! 言う事が有ったんだ!」
姉が唐突に声を上げる。一体何だ?
「私の事はお兄ちゃんと呼ぶようにな!」
姉は何故かドヤ顔で言った。しかし、今更な気がする。なぜなら学校の時点で姉呼びしていたからである。
学校で姉っと読んでいたのに急に兄になるのは可笑しくはないだろうか?
「一応、こんな格好してるから誰にも怪しまれないと思うけどね」
「お、お兄ちゃんって頑張って呼ぶね!」
「あ……良いな。お兄ちゃんって響き。鼻血でそう」
姉が妹にデレ出した。顔がエライ事になっており、正直言って気持ち悪い
そんな事を考えていると、俺達は目的の場所に到着したので時間が来るまで待機する。その間に可愛い妹とお喋りを楽しんでおく
「お姉ちゃんとお兄ちゃんと同じ隊で良かったよ……」
「そうか、姉は兎も角お前と一緒なのは俺も嬉しいよ」
「もーう。お姉ちゃんって言った!」
「あ、ゴメンなさい」
妹が可愛い事を言ってきたので頬が緩んでニヤけてきた。そう、俺と姉、妹は同じ隊なのだ。姉は兎も角、か弱い妹は俺が守ってやらねばならない。なので同じ隊は好都合なのだ。
妹は軍の学校でも周りに馴染めず基本俺と居た。だから俺と一緒で安心したのだろう。とても可愛い顔をしている
ん?姉? 姉は気が付いたら友達100人できてたよ
さっきから姉は兎も角が多いが、別に姉を心配していない訳ではない。俺達より上手く立ち回れる姉の事だ。そこまでの心配は要らないと思っているし、そこまでの世話が必要とも思っていない。自分で何とかするだろう
小説ってやっぱり難しいな……思っている事が全然書けないし、進まないし……
本当に難しい……