婚活パーティー
夢を見た……
母と父と俺と……レイキが家族団欒している夢を
夢を見た……
そこは、自分達の家であった
夢を見た……
そこに姉は居なかった……
〜〜〜〜〜〜
「お兄ちゃん! 今日はパーティーだよ? 早く起きてよ!」
日にちは過ぎ、婚活パーティー当日。何時迄も寝て居た俺はレイキによって叩き起こされた。二度寝と洒落込みたい所だが目の前に居る妹が可愛く怒っているので、大人しく起きる事にする
「憂鬱だ……」
支度を整えて会場に向かう。会場と言っても軍施設の正面入り口らへんなのだが……そこから、普段は行けない他の隊のロビーに行ったり食堂に行ったりできる
「今回、第10連隊が砦勤務なんだってさ!」
かなりどうでも良い事をアナトリーが教えてくれた。別に第10連隊に可愛い子が居る訳でもないし
因みにカードはキチンと記入した。あのカードは、パーティーが始まる前に公開され、何処の隊にどんな子が居るか早々に確認出来る。俺も何回か覗いたが心惹かれる子は居なかった
「おー! 弟ズ。元気かーい?」
「やぁ、おはよう」
「よう」
「はよ」
上から姉、エマヌエル、カティル、不良である。
「おはようございます」
「あぁ」
「おはよう」
こちらも挨拶する。姉一行とは最近、一緒に任務に赴いたので自己紹介済みで会えば挨拶する仲だったりする。因みに不良は【ヌンツィオ】という名前だった
「今回、君達は大変だろうね」
「何で?」
エマヌエルが面白そうに言うので問いかけるとエマヌエルの代わりにカティルが答えてくれた
「そりゃ、期待の新人だからな。何でも入って、そんなに経ってないのに昇格。そりゃー、女の子は唾つけたがるよな」
それは怖い……
「さて、楽しみますかね。エル、切れて殴るなよ?」
「分かってるよ」
「いや、分かってないだろう」
「怖い、怖い」
「オウキ?」
「すみませんでした! てか、何で私だけ⁉︎」
カティルがエマヌエルに殴るなと念押しするのを聞いて、前の変態事件を思い出し背筋がシュッとなった。エマヌエルは切れたら怖いのだ
4人は俺達を置いて先に会場となる玄関ホールに向かう。その途中でアナトリーがボルハのちょっとした変化に気付く
「あら? ボルハ、お化粧した?」
「わかるか?」
ボルハは今回、化粧をしたらしいが全くもって化粧してるか分からない。何時もと同じだ
「赤い口紅が合うね」
「チークもね」
「ケバすぎないだろうか?」
突然始まる女子トーク。俺は付いて行けない。姉達と一緒に行けば良かったな……
「良い人いるかな?」
「どうだろうな」
「理想は?」
女子トークをしているが……この3人。いや、この2人は男装中なのだが、良い人って女? それとも男?
「レイキ……お前、気を付けろよ? 女に言い寄るのは良いが……いや、良くないけども、男に言い寄ったらバレるか男色だと思われるぞ?」
レイキの耳元で忠告するとハッとなり、それから黙った。そして、レイキはアナトリーの耳元に囁きに行きアナトリーもハッとした表情になる。そして2人揃って残念そうな表情を作る
別にバレて良いなら良いけど……
「ほら、行くぞ」
俺達は会場に入る。そこには、かなりの人が居り、男は手当たりしだい声を掛け、女は声が掛かるのを待っている者も居れば自分から行く人も居た
「で、どこ行く? 第1連隊から?」
このパーティーでは他の連隊のロビーに行き話しかけても良い為、普段話す事のない人とも話せる機会なのである。
「まずは、此処で話ましょう」
アナトリー……話すってお前はどちらと話すのかな?
「レイキ……お前は……」
「あの……ショウキ=シズイさんですよね? 一度お話してみたかったんです」
「私も!」
レイキに話掛けようとすると何処からか女性が集まって来た。そして囲まれる俺。もしかしてモテ期?
かなりグイグイくる女性陣にたじろぎながら、なんとか笑顔を作り愛想良く接する。その合間に辺りに視線を向けて他の皆がどうなってるか様子を伺う
「ねぇ? 1回だけで良いからさぁ」
「今からどう?」
「絶対、楽しいからさ」
結構近場でエマヌエルが男に絡まれていた。可笑しいな……自己紹介カードには性別の欄が有った筈なのに……
「あははっ。僕、この後用事あるからね」
「そうな事言わず!」
「一人称は僕なんだね。僕っ子ハスハス」
完璧にエマヌエルを女と勘違いしてるだろう。まぁ、分からなくもないが、カード確認したらショック受けるヤツだぞ?
エマヌエルの後ろでヌンツィオがハラハラと様子を伺っている。その近くではカティルがナンパ中だ。遠くではアナトリーがポツンと1人で立っているのが確認でき、その近くにボルハが男に声を掛けようか迷ってる風だった。姉は見当たらない
レイキは俺の近くで同じ様に女性に絡まれている。そりゃ、俺と同じで早く昇格したもんな




