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不老

 

 目を覚ますと心配気なアナトリーの顔が目に入った。俺が目覚めた事に気がついたアナトリーは勢いよく俺に抱きついて来たので傷の癒えきっていない俺はグエっと声を上げ痛みに悶えた。

 

「ご、ごめんなさい⁉︎ 私、クリスさん呼んでく来るね!」


 慌てて離れ、クリスさんを呼びに行ったアナトリーの後にボルハが入って来て、俺が起きているのを見て泣かれた。


「うお⁉︎ ボルハ⁉︎ 大丈夫だから! 俺ほら元気だから!」


 慌てふためいた俺だったがクリスさんとアナトリーが戻ってきてくれ、ボルハを宥めてくれたので一件落着。


「もう大丈夫だけど、無理はしない様に。傷が治るまでは入院ですからね!」


 っと言いクリスさんは出ていった。ついでに用事の有ったボルハも出て行く


「今回は特別だから!」


 2人きりになるとアナトリーは果物を剥いてくれ、俺にアーンをしてくれた。ちょっと照れくさい

 暫く側に居たアナトリーだったが彼女も用事があるらしく、退出。その後にレイキの所に行って居たアンナさんが来てくれ、アンナさんからレイキは明日に退院出来ると聞き安堵。


「良かったです……」

「ふふっ。あ、ご飯の時間ね。アーンしてあげましょうか?」


 まさかのアンナさんからのアーン。入院生活も捨てたものではないなっと思った


「それにしても、2人で魔人を倒すなんて! やるわね!」

「……は?」


 食後にアンナさんが言って来た。2人? いや、俺とレイキ、姉で3人の筈だ。


「3人ですよ?」

「……? 記録では貴方とレイキになってるわよ?」


 そう言ってアンナさんは端末を弄り記録を見せてくれたが、記録には本当に俺とレイキの名前しか無かった

 困惑する俺を見てアンナさんは可笑しいと思ったのか、用事が出来たと言い退出して行った


 アンナさん退出後、ぼんやりしていると扉をノックする音が聞こえて来た。誰だろうか?


「やぁ、弟よ! 果物でもアーンしてやろう!」


 姉だった。何故か1番重傷だった姉がピンピンしている。ホントに可笑しい。未だに何かの管や点滴が沢山刺さっている俺と比べると、その可笑しさが分かる。


「お前、傷は?」

「治ったよ!」


 そう言い姉は服を捲ってお腹を見せてくれた。本当に無くなっている。それ所か傷跡すら無い。普通、【回復魔法(クーラー)】は限度が有る為、傷跡は残ってしまう。しかし、姉には無い。

 可笑しいだろ⁉︎ 治るわけがない。俺の脇腹抉られるのより酷い怪我だったのに1日やそこらで治るのは可笑しい! そう思った俺だったが……ハッとする


「そういえば……前に俺の傷治してくれたよな? あの力で?」

「あー……今回は治してあげられないんだ。まだ本調子じゃなくてね」


 姉の力は【鳳凰】だ。鳳凰に類似している伝説の生き物は……【フェニックス】? まさか【不死】なのか?

 この前、エマヌエルが説明してくれた「人を治すのは疲れる」っという言葉。人を治すのは疲れるが、自分を治すのは疲れないっいう事だったのか? だったら初めてこの世界来た時、無傷だったのは、やはり……


「なぁ? お前って不死?」


 俺の質問に驚いた顔をした姉だったが、直ぐに笑顔になり……


「不死ではないね。流石に下手こいたら死んじゃうからね。多分。傷が治る程度だよ。でも不老ではある。これ以上、歳は取らない」


 何か凄い能力だった。俺は始め、能力に気付いた時はレイキの能力も良いが自分の能力が1番かなーなんて思っていた。姉が俺を治して疲れて寝たと聞いた時も、なんて使い勝手の悪い能力なんだ! っと思ったが……撤回しよう。1番凄い能力だった。不老って……


「歳は取らないから……あの日から時が進まないから、女の子の日が来ないの」

「え?」

「……私に子供は出来ない。諦めろっと言われた」

「……」


 悲しげに言う姉。男の俺にはその苦しみが分からず、何も言えなかった。だから姉は妊娠した母を羨んだのか……[時が止まる=子供が産めなくる]なんて……


「レイキやお母さん達には言わないでよ?」


 綺麗に微笑む姉に俺は何も言えなかった

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