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何もしてない訳じゃないから!

 

「無理だー! もう此処に住む! 私、此処で一生を終える!」


 ごねる姉を引き摺り、魔人の居るであろう広場まで歩いて行く


「……お兄ちゃん」

「あぁ」


 進んで行くと俺達の目の前に玉座に座り、面白そうに俺達を見ている魔人を見つけた。

 その魔人の見た目は、茶色の肌に角、腰辺りから羽が生えており、身長は姉と同じくらいの魔人だ。胸が有り、口紅を塗っている所を見ると女性なのかもしれない。魔人に性別が有ったなんて驚きだ


『此処まで来たヤツ等は初めてよ。何時も、あの子が壊してしまうからね』


 あの子とは先程の謎のモンスターの事だろう。


『美味しそうな血を持つ子が3人……家畜として飼ってもいいけど……1人で良いし……後は殺そうかしらねぇ』


 次の瞬間、辺りに尋常じゃない殺気が満ちる。この前の魔人は俺達をナメプしてたから勝てたが……今回はナメプしてくれない様で勝ち目がまるでない。どうする?


「しゃーない。人を呼んでおいた。それまでの時間稼ぎはしないとね」

『無駄よ。此処に張った結界に入れるモノなんて魔人くらいだもの。人間は助けに来れないわ!』


「来れないわ!」の瞬間に魔人は攻撃して来た。それを姉が二本の刀で止める。

 腰に二本刀があるなーっと思っていたら、二刀流だったらしい。何格好付けてるんだ。しかも剣では無く刀だし! ちょっと羨ましい……


『あらぁ? 受け止めるなんて……ウフフ。素直に驚きよ』


 姉は魔人と互角の戦いを見せてくれる。凄まじい攻防だ。俺が入る隙間が無い


「【絶望の(デスペリア)(・イグニース)】!」


 姉の炎系魔法(イグニ)の魔法が炸裂。魔人を黒い炎が包む


『ぐっ……熱い……』


 流石に効いたらしく呻く魔人。その瞬間を逃さず姉は突っ込み畳み掛けようとしたが……


「チッ!」

『惜しかったわねぇ? でも残念!」


 斬りかかったが刀を抑えられ止められる。そして【風系魔法(ベントゥス)】で姉を吹き飛ばすが……姉は瞬時に態勢を整え壁に激突する事なく無事着地。着地と同時に俺の方に向き


「ちょっと⁉︎ 何、高みの見物してるのさ⁉︎ 頑張ってよ!」

「どうやって入ろうか迷ってて……」


 再度姉が正面から突っ込み、俺は後ろに素早く回って斬りかかるが……


『ヌルい!!』


 俺と姉に【氷系魔法(バラス)】の攻撃が降り注ぐ。それをレイキが防いでくれ、レイキも交えて再度攻撃に転じる


「ぐっ!」

「きゃ!」

「……っ!」


 何度も殴られ、吹き飛ばされ、魔法をくらいボロボロになっていく俺達。しかし、魔人には傷1つついていない。これは……


「……あのさ、提案があるんだけど……」

「ハァ……ハァ……何?」


 姉が提案とか言い出した。何かいい考えがあるのだろうか? 俺は額を流れる血を拭いながら姉に問う


「私とレイキでヤツを引き付けよう。んで、ショウキが御自慢のスピードで首落として」


 つまりレイキと姉が魔人の気を逸らし、そのうちに魔人の首を落とせと?


「じゃなきゃ無理。危険な賭けだけど……レイキは守る。ショウキ頼んだ!」


 そういうと姉は真正面から敵に突っ込み再度、魔人と斬り合う


「ぐっ! 【大嵐(テンペスト)】!!」


 足に攻撃を受けバランスを崩した姉は魔法を放ち敵の視界からシャットアウト、そして魔法をまともに受け姉を見失った魔人に奇襲をかける!


『ぎぁぁあああ!!』


 姉は見事に魔人の角を折った。魔人は角が折れ、悲鳴をあげる。


『おのれーー!!』


 姉に鋭い攻撃を仕掛けたが、それをレイキが防ぐ。姉とレイキが息の合った連携を見せている間、俺はタイミングを見計らう為、待機。何もしてない訳じゃないから! タイミングを見計らってるだけだから!


『小賢しい!!』


 魔人が妹を吹き飛ばし、そして……レイキに少し注意が行って一瞬だけ隙が出来ていた姉の腹部に腕を突き刺したーー


「ぐっ……うぅ」


 貫かれた姉の腹部からは尋常じゃない血が流れていく

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