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死んだな……

 

 首が飛んだ魔人


『おのれ……』




「流石にもう立てないでしょ」


 いかに魔人と言えども、首を斬られて生きていれる筈はない。心臓をやって死ななかったのは予想外だったが……っとアンナさんが言う


「魔人は私達を下に見ていたから、本気を出して来なかった。だから勝てたのよ。もし本気を出されてたら私達は皆、原型すら保ててないわ」


 恐ろしい事をアンナさんが言うが確かにそうだろう。魔人は俺達を軽視して居た。だから、殆ど攻撃しては来なかったのだ


「ヤツの敗因は油断か? ……うん?プーリミオの様子が」


 プーリミオ達は俺達に剣を向け始める。これは……


「今日の敵は明日の敵って事?」

「私達、諸共消す魂胆か……」


 ボルハが言いながらレイキをお姫様抱っこで抱えて俺の側に寄って来る。


「まぁ、弱った私達も倒そうっという魂胆ね」


 アンナさんがそういうと、プーリミオ達は一斉に俺達に襲いかかって来た。流石にこの数は負傷している俺達には無理だ。万事休す


『グルルゥゥウウ!』


 巣穴の奥から別の声が聞こえて来て、巣穴全体が揺れる。壁や天井が落ちて来て今にも崩れそうだ


「まだ居たのか!」

「違う。アレは……」


 奥から姿を現したのは、大きな巨体に鋭い牙、大きな羽に鋭利で長い尻尾。そう【猪】だ


「……姉の言ってた事は本当か……」


 俺は姉に言われ居た事を思い出す。そう、猪は凄い速さで進化している。この地下深くに有るプーリミオの巣窟まで穴を掘って来れるくらい


「崩れるわ! 急いで脱出しましょう!」


 ヤツの視線がプーリミオに向いてる隙に俺達はダッシュで階段を登り、崩れる前に無事に脱出出来た。



 崩れきった巣穴を見ながら、刺された腹部を押さえ、意識の無いレイキの状態をボルハに問う


「レイキは無事か?」

「レイキは問題無いが……お前の方が大怪我だ。よく意識があるな」


 途中から骨が何本か逝った痛みも、鎮痛剤で和らげた腹部の痛みも忘れていた。こう……思い出すと途端に痛くなるコレは何だろうか? よく有るよな?


「あー……無理」


 それだけ言うと俺は倒れた。腹部からドクドクと血が流れているのが分かる。コレは……


「死んだな……」


 青い空に視線を向けて、アナトリーが叫んでいるのを遠くに感じならが目を閉じる。自然と怖くはなかった……







「あ、起きた。もう……心配するじゃん」


 目の前には姉の姿が有った。姉? その姉の後ろには意識が無くなる前に見た青い空が広がっていた。


「全く、救援信号出てたから心配したんだよ?」


 っと姉の横からエマヌエル。そういえば、巣穴に入る前、アンナさんが出すって言っていた様な……そのおかげなのか、起きる前には居なかった人達が数名居る。ならば、この後の処理は任せて大丈夫だろう


「もう大丈夫だね。それにしても良くやるね。魔人(ゲートル)は強いし正直相手したくない相手なのに……」

「君はギャーギャー言いながら、はしゃいでるだけだったしね」

「はしゃいで無いよ⁉︎」


 何やら姉とエマヌエルが言い合いを始めた。


「そもそも! あの時、怪我治したの誰だと……ごめんエル。ちょっと疲れたから帰る」

「分かった。そこにカティルが居るから行って来なよ。寝ても前みたいに背負って帰ってくれるよ」

「そうする……」


 姉はフラフラとした足取りで少し離れた所に居た銀髪の色黒イケメンの所に歩いて行く


「あぁ、彼女? アレは副作用みたいなものなんだ。彼女、()()()()のは疲れるんだってさ」

「……?」

「あぁ、気付いて無いの? 君の体は元通りだよ。肺に刺さっていた肋骨も、傷付いた内臓も、抉れた腹部もね」


 エマヌエルに言われて腹部を見ると確かに塞がっている何処か、あれだけ痛かった体が嘘の様に治っている。俺は体を起こし自身の体を見回す。何処にも傷が無い


「普通の回復魔法(クーラー)では限度が有る。傷付いた内臓を治すのには時間が掛かるし、一度で治しきれない。それに傷跡も残る。彼女の力なら、確実に治しきれるけど……疲れるから1回が限度だ。だから今回は重症の君だけ治した。後は皆んな医務室行きさ」


 そうエマヌエルが俺に説明を終えると立ち上がり、


「今回、僕達は要請に応じて来ただけだから……後はお願いね」


 それだけ言うと綺麗な笑顔で微笑んでから俺の前から立ち去った。あまりにも綺麗過ぎて一瞬ドキッとしたよ。男って分かっているんだけども……


 その後、体の傷も癒え、体力も元通りの俺は何が有ったのか救援要請に応じて来てくれていた先輩方に説明し、その先輩方と事後処理を黙々と進めるのだった

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