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姉め……マジで許さん!

 俺は結構ペシャンコになっている車から這い出る為、必死で藻掻く。藻掻いていると近くで姉の声が聞こえてきた。どうやら、無事だったらしい


「おい! 弟! 妹! お母さん! お父さん! 生きてる⁉︎ 死んでたら返事して!」

「死んでたら、返事出来るか⁉︎ こんな事が有ったのに呑気か⁉︎」

「お、弟ー!」


 姉の何時も通りのバカな発言が聴こえて来たので場違いにもホッとした。そんな姉は俺の側に来て助けようとしたが……


「お、おねーちゃん!」

麗亀(レイキ)!」


 麗亀(レイキ)とは妹の名前だ。妹の声を聞いた姉は、弟を放っておいて妹の方に行った。別にいいけど……まぁ、生意気な弟より妹の方が可愛いいからだろう


「無事か妹よー!」

「おねーちゃん痛いよ」

「ゴメンゴメン!」


 車の隙間から熱い懐抱をしている姉を発見。そんな事より早く助けてくれよ。暫くすると姉は妹から離れ何処かに歩き出す。妹は俺の方へ来た


「……コレがぶつかって来たのか……そりゃ吹っ飛ぶわな」

「お、お姉ちゃん。お兄ちゃん助けなきゃ!」


 レイキの方は直ぐに俺の元まで来てくれたが……姉め……猪の所に行きやがった! 許さん


「猪の確認してないで、まず、親と兄弟の安否を確認しなさい。この親不孝者!」


 両親共に無事だった様で車から這い出てきて、母は姉の元に、父は俺の所に来た。母は姉を注意したが姉は笑っているだけで謝りもしない。マジで許さん。

 その間に、父と妹が俺を助けてくれた。近くにいる姉に文句を言おうと姉の方を向くと……


「……」


 そこには100キロは超えるであろう巨大な猪が大怪我を負い、そこに鎮座しているのを見て俺は黙った。まるで、もの○け姫に出てくる猪の様だ。

 どうやら生きているらしい猪は、フラフラと立ち上がり何処かに行ってしまった。俺は追おうとしたが体中に痛みが走り、動くのを断念した。頭から血が出てるし、打ち身も酷い。骨折もしてるかもだ

 父、母、妹を見ると3人は結構な怪我を負っていたが、姉だけ何故か無傷だった。

 なんで? サイボーグ?


「私、凄くね?」

「凄いより、怖いわよ」


 母が有り得ない物を見る目で姉を見ながら言った。確かに有り得ない


「取り敢えず、救急車だね。あれ? 電波がバリ3で立って無い。いや、1も立ってない!」


 気を取り直した姉は携帯を開き、救急車に電話を掛けようと思ったら電波が入らない事に気づいた様だ。


「取り敢えず、無傷の私が助けて呼んでくるよ!」


 姉は走って何処に行ってしまった。元気だな……


 気を取直して、周りを見渡す。辺りは残念ながら、俺が知っている場所ではない。上を見ても落ちたであろう道が見当たらない。只の崖の様だ。何処まで転がったのだろう。

 若干焦り始めると、草むらがカサカサ鳴り出した。


「何だ?」


 草むらから出てきたのは変わった色をしたウサギだった。何だ……ウサギか……そのウサギが近づいて来て足元まで来たら急に背中を向けて来た。そして、


『シャァァア!』

「うわぁー⁉︎」


 遅い掛かって来た。背中に大きな口が有り、目も有る。此方が本当の顔なのか⁉︎ 飛び掛かって来たので、慌てて避けると壊れた車に打つかった


「危な……」


 そのままウサギモドキは、動かなくなった。得体のしれないウサギモドキを見た父と俺と妹は慌てたが母は無駄に冷静だった


「今の何⁉︎ 生き物⁉︎」

「生き物でしょう? 動いていたもの」

「冷静か!」


 焦る素振りを見せない母にツッコミを入れる。此処までくるとスゴイと思う。関心していると、また草むらがガサガサっと音が鳴った。

 次は、何⁉︎


「皆んなー逃げろー」

『ギシャァァア!』

「ぎゃぁぁあ⁉︎ 何連れて来てるんだよ⁉︎」


 俺の悲鳴が辺りに木霊する。

 姉の後ろには巨大なウサギモドキが迫っていた。巨大な生物が襲って来ているのにとかかわらず姉に焦った感じはない。凄いな姉⁉︎ しかしコレは無理だ! 流石の母もビックリしている。

 あろう事か、その生き物を連れた姉は俺の方に走って来た


「ぎゃぁぁあ! コッチ来るなーー!!」


 奇声と共に俺は姉と生き物を避ける事が出来た。体が何時もより軽く動きやすい。


「動きやすいから何だ! 戦えないと死ぬ!」


 自分の心の中の考えをツッコミながら、姉と巨大なウサギモドキの次の行動に注視する。すると、


「大丈夫ですか!」


 現代で見たらコスプレ? みたいな服を纏った男の人がやって来て、巨大なウサギモドキに向かって火をぶつけ、剣の様な物で切り裂いた。え、銃刀法違反……というか、今、火を出してなかったか?


「大丈夫か? 一体何が有ったんですか?」


 ウサギモドキを倒し終えた人は俺たちを見て問うて来たが、俺も何が何だかんだか分からないので説明できない。


「すみません、私達も状況が読み込めて無くて……事故の影響でしょうか……前後が朧げで……」


 口の達者な母が説明。


「事故? 何と?」

「え? 車とイノシシ……」


 車の方を向いて車と猪がぶつかってしまったっと説明しようすると……


「車が無い」


 そこに車は無かった……

一部、他の小説と同じ設定を使いますが、物語は繋がっておりません。ただ、設定考えるのが面倒だっただけで……

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