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何で猪が魔王になろうとしてるんだよ……

 

「砦勤務?」

「そうよ。来月は私達だからね。来週に行く予定だから皆んな準備しておく様に」


 軍に入隊して一月半程経った頃に言われた砦勤務。この砦勤務は岩々に囲まれたこの街から数キロ離れた場所に有る水中砦で行う。そこで外敵が来ないかの見張り、来た場合は追い返すか倒すかし、街に外敵を近づけさせない様にするのが目的らしい。この街を離れて1ヶ月の間、そこで過ごすのだとか。


「外敵って何が来るんだ?」


 俺は横に座っているアナトリーに尋ねてみる


「知らないの? 【キング・ガレオス】とか【キュバリル・ペルグランデ】とか【キュバリル・ウルティムス】とかかな」


 なんか強そうな名前が出てきたな……


「それとはどうやって戦うんだ?」

「潜水艦で」

「マジか……」


 潜水艦で戦うのか……想像出来ない


「それより、兄さん。お姉ちゃんに会うんじゃなかったの?」

「あ、そうだった」


 そう、俺は猪の事を問い質す為に姉に会わねばならないのだ。


「お姉ちゃんに宜しくね」


 レイキの言葉に適当に返事を返してから部屋を出て姉の部屋に向かう。レイキは姉の事を兄と呼ぶのは諦めたらしく姉呼びしている。まぁ、その方がゴッチャにならなくて良いが……


 姉の部屋に付きノックせずに部屋のドアを開け勝手に中に入り、ぐるりと部屋を一周見回す。この部屋は俺達の部屋とは作りが違うらしく、入って直ぐにリビング、横にキッチンとトイレとお風呂のみだ。部屋は何処だろかっと思ったが、奥に階段が有ったので2階があるのだろう。


 急に女の人の喘ぎ声が聞こえて来たので


「何してるの⁉︎」


 俺は大声で怒鳴った。


「何って……」

「「「エロゲー」」」


 なんと部屋で普通にエロゲーしていたのだ。しているのは色黒で銀髪のイケメンである。それをソファーに座り女性のグラビア雑誌を読みながら観戦している姉と、興味無さそうに頬杖ついてボンヤリと見ている金髪の不良、ニコニコしているエマヌエル。

 どう言う状態なのか……


「これ、態とらしいよな……」

「もうちょいハードなのにする?」

「お前何言ってるの⁉︎」


 姉がハードなのとか言ったらダメだろ! 俺がギャーギャー言っていると姉はグラビア雑誌を閉じてソファーに置き、俺を連れて廊下へ。姉が置いたグラビア雑誌は横に座っていたエマヌエルが勝手に見ていた……


「で、何?」


 姉が腕を組んで「早く言えよ」っと圧力をかけてくる。


「猪の事……」


 俺はアルトゥールさんの言っていた事を聞く


「……アルさんめ……話したな」


 いつになく真剣な表情の姉。話したくないのだろう


「……聞きたいの?」

「聴きたいよ。それしか手掛かりないんだし……」


 目の前に居る姉が深く溜息を吐き、右手で額を抑えて話してくれた


「……居たよ。でも、凄い速さで進化してる。会う度に姿が変わってた。この前は、とうとう羽が生えてたよ」

「……え? それ本当に猪? 何かと間違えてない?」


 姉曰く、始めに会った時は、まだ猪だったらしいのだが次に会った時は巨大化しており、その次に会った時は長くて鋭利な尻尾が生えていたらしい。そしてドンドン進化していって、羽根が生えたっと……


「滅茶苦茶、強いよ。私に同行していたルネナイトの人が吹っ飛ばされて伸びてたし、アルさんとエルも大怪我。油断してたのもあるけどね」


 ルネナイト級の人を吹き飛ばすのか、あの猪。そして、エマヌエルとアルトゥールさんの怪我はこの猪戦で負ったのか……


「あれは放っておいたら魔王になるんじゃないかな? 上の人達も早急に倒さねばって言ったし」

「異世界来てチート能力貰ったのは猪だったって事? 何で猪が魔王になろうとしてるんだよ……」


 もう訳分からないよ……普通、「異世界行ったらチート能力持ってましまた!」みたいな「俺が最強!」ってなると思うのだが……よりによって猪が「俺、最強!! ウィリーーーー!!!!」ってなってるんだ……


「それよりも、姉よ。ルネナイト級の人と知り合いなのか? 上の人達って……」

「上の人は連隊長だよ。吹き飛ばされたのは【ロザリー = カステラ】っていう美味しそうな名前の人。赤いモヒカンが目印だよ」


 あ の 人 か !!


 しかし……姉は顔が広いらしい。連隊長とも交流が有るのか。


「猪はコッチに任せてくれて良いよ。何とかする」

「いや、俺も手伝うし探すよ。どうにもできないかもだけと……」


 俺は真っ直ぐ姉を見つめたまま言う。姉は目を閉じて首を左右に振った後、


「……それより、潜水艦訓練受けた?」


 っと話しを変えてきた。


「潜水艦訓練?」

「まだか……あれ面白いよ。よくあるじゃん。宇宙でビーム出したり、ミサイル避けてみたり、ビームサーベルで戦ってみたり……」

「あるな」

「それの水中版だよ。SFの水中版みたいな感じ。中々、面白いよ。後、宇宙には酸素が無いから爆発音とかの音は聞こえないらしいよ」

「はぁ?」


「感想聞かせてねー」なんて言いながら姉は部屋へと帰って行った。なんか謎の豆知識を披露してドヤ顔で帰って行ったんだけど……




 取り敢えず、聴きたい事は聞けたので良しとする。猪の進化は、かなり驚いたがどうしようもない。魔王は言い過ぎな気もするが、一刻も早く猪の捕獲、又は撃破をしなければ、ドンドン手が付けられなくなりそうだ


「でも……潜水艦訓練は面白そう」

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