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魔法機装  作者: 六年三組
8/9

進歩

「ついに、伝説級(レジェンド)Mobを攻略し、このデスゲームからの脱出へと進む時がやってきた。さあ、剣を取れ! 勝利は、我等(われら)にあり!」


攻略隊のリーダーであるRINKが、小声ながら十分に気迫のこもった声で全体を鼓舞した。


なぜ叫ばないのかって? 


ダンジョンのように、Mobが常時湧出(ポップ)するような場所で叫ぶーーーシステム的に言うと「シャウト」するーーーと、Mobを引き寄せてしまうからだ。


だが、味方の士気を上げるには事足りたようで、皆引き締まった表情をしている。


そして、RINKがボス部屋の扉を開け、中に入り、そして扉が閉まる。


こうなると、ここから脱出するにはボスを倒すか、高位の転移魔法を使わなければならない。


俺たちの前に立っていたのは、いかにも兵士といった外見のMobだった。


「やっぱ前と変わってないか・・・」


「ステータスは大幅に変わってるでしょうけどね」


壁役(タンク)が前に出る。


無論、俺も最前線で、ボスの攻撃を受け止めている。


魔法攻撃(メイジ)隊、支援魔法(バフ)及び弱体化魔法(デバフ)、攻撃魔法準備! MPと憎悪値(ヘイト)管理に気を付けろ!」


「〈断て〉〈切れ〉〈斬り刻め〉〈勝利は我等にあり〉!」


「〈焼き尽くせ〉〈紅蓮の炎〉〈吹き荒れろ〉〈破滅の嵐〉!」


スプリングがチーム全体の攻撃力を上げるバフを、サイが創作魔法(オリジナル)らしき魔法を放つ。


俺はというと、『龍神・神業』の固有スキルを駆使してボスに少なくないダメージを与えつつも、その攻撃でヘイトを稼いでいた。


これが俺の二つ名「守護神(ガーディアン)」の由来だ。


他のチームメンバーを寄せ付けない圧倒的なヘイトでMobの攻撃から仲間を守りつつも、着実にダメージを与えていくまさに神のような存在・・・とチームメンバーからは思われているらしい。


戦い方についての認識はほとんど間違っていない。


事実、Mobのタゲは俺からほとんど動いていない。


しかも、攻撃のほとんどを弾き防御(パリィ)か、ステップ回避しているため、ダメージを食らう機会(?)自体が少ない。


時々敵の強攻撃が体をかすめる衝撃によってHPが減っていくが、それは回復術師(ヒーラー)が唱える回復呪文によってかき消される。


このまま行けば順調に、一人も死者を出さずに勝てるだろう。


しかし、今の俺の心は不安で満たされていた。


これじゃ、簡単すぎる・・・


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