GAME START!!
途轍もなくうるさいここでも聞こえるように文字チャットで
「「「さて、Mob狩りに行こうぜ」」よ」
と発言したら二人も同じこと考えてた。つか何故にスプリングの語尾「ぜよ」なんだ?
どう考えても女性アバターが使う語尾じゃねえだろ。
それはさておき、
「じゃ、どこ行く?」
「多分今行けるのは、ダンジョンにせよフィールドにせよ『ポーン』周辺に限られると思う。だけど、さすがに製作者もMobのレベルを上げてきてるだろうから、なるべく素材ドロップを優先させよう」
「了解」
「りょーかい」
そして俺たちはよくパーティーを組んでいたプレイヤーたちの制止を振り切り、今、「ポーンシティ」周辺の隠しダンジョンにいる。
ここは、MoKがまだゲームだった時もよく来ていた、出現Mobのレベルは低いくせにハンパない経験値効率と主に武器レベルを限界突破させるのに超(!エキサイティ●グ!)使える素材のドロップ率を誇るダンジョンだ。
チーム「天災」の素材の貯蓄はもはや依存といってもいいレベルでこのダンジョンに頼っていたので、ここが使えて本当に良かった。
俺は前にも使った「戦神の剣」の、サイは雷神トールが使っていたとされる「雷神の鎚」を二刀太刀(その名の通り、太刀(カタナともいう)の二刀流)に仕立て上げた「雷神の双太刀」の、スプリングは天使長であるミカエルの力を秘めた、魔法攻撃力にボーナスがかかる「天使長の剣」という両手剣の限界突破素材のドロップを狙っている。
もちろん今までのMoKでは(限界突破した上で)限界まで武器を強化していたのだが、三人の中で唯一鍛冶スキル熟練度を五千まで上げてマスター表示を付けたスプリングによると、「まだどの武器も強化出来る」らしい。
なので、今俺たちは必死になってモンスターを倒しているのだが、モンスターのレベルがかなり上がっている。
どのくらいかというと、レベル800近い俺たちがちょっと苦戦するほど上がっている。
まさにエキサイティングだ。
この上がり方は妥当だろう。
なぜなら、MoKがデスゲームと化したのは午前四時のことで、一日の中で最も割合的に廃人が多く接続する時間帯だからだ。
ちょっと上がりすぎな気もするが・・・