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魔法機装  作者: 六年三組
4/9

ゲームであって遊びでない(矛盾乙)(サブタイトル忘れてた作者乙)

よく見てみたら二話と三話のサブタイトル忘れてました。すいません。

サイの考えは、「あの青い光はスプリングが使った転移魔法のライトエフェクトであって、ここはまだゲームの世界。だから、ログアウトボタンが消えたのはただのバグで、ちょっとしたら直って、現実世界でまたゲームできる」ってとこだろ。


だが、それは希望的観測だと言わざるを得ない。なぜなら、俺がログアウトボタン消えたのに気づいてからもう十分が経過している。


これだけ重大なバグが発生したのに、まだ運営の対応がないというのは、いくら何でもおかしい。


多分、これはバグなんかよりももっと重大な問題なんだと思う。


例えば、運営が意図的にログアウト不能にしたとか・・・


そこまで考えたところで、俺たちを包んでいた青色の光が消えた。


そして俺たちは、一番最初にプレイヤーが拠点にするだろうプレイヤータウン「ポーン」に立っていた。


そこには、赤いローブを(まと)った、魔術師然としたアバターが宙に浮かんでいた。


あれは、ほとんどのプレイヤーが目にしたことがある、GM専用のアバターだ。


しかし、いつもと違う点が一つだけある。


顔が無い。


おそらくは急な出来事で作りこむ時間がなかったのだろう。


だが、今はそんなことどうでもいい。


今は、GMがどんなことを言うのか。


それだけにしか、今の俺の興味は向いていない。


「あれ、GMか?」


「これでログアウトできるの?」


「つーかさ、事情説明する前にログアウトさせろよー」


人々の声はだんだん大きくなっていく。


何も話さないGMにしびれを切らしたのか、誰かが大声で叫ぼうと息を大きく吸い込んだその瞬間。


ようやくGM用アバターが口を開いた。


「プレイヤーの諸君は、今、このゲームからのログアウトが出来なくなったことに気づいているかな?」


この冷静な口調。


「しかし、何も不安に思うことはない」


「ログアウトできんのー?」


「出来るならさっさとしてくれよー」


この冷静な口調。まさか。


「これが、『マジックオブナイツ』、通称『MoK』の正しい在り方である」


なんてことだ。最悪の予想が当たってしまった。


「GM頭おかしくなったのか?」


「っていうか、『正しい在り方』ってどういうこと?」


大多数のプレイヤーは、まだ気づいていないようだ。


いや、気づいているからこそ騒いで不安を打ち消そうとしているのかもしれない。


さすがにそれは深読みしすぎか。


「諸君らは、このゲームがクリア、つまり、伝説級レジェンドエネミー『キング』が撃破されるまでログアウトすることができない」


そこで、人々が突き付けられた言葉の意味を理解する前に、サイが問う。


「それってさ、『死んだら死ぬ』の?」


GM少し考えるそぶりを見せ、


「すまない。少し、言っている意味が分からないな」


「だから、仮想世界こっちで僕らのアバターが死んだら、現実世界あっちでの僕らは死ぬのか、っていうこと」


それに対しては、GMはノータイムで


「無論、こちらで諸君らのアバターが『死亡』状態に陥った場合、現実世界での諸君らも死に至る」


そして、言葉が足りないと思ったのか、


「もっと詳しく言うと、諸君らが被っているヘッドギアに内蔵されているバッテリーが死亡したアバターの持ち主の脳にマイクロ波を照射することで、そのプレイヤーは現実世界でも死に至る」



またもや言葉が足りないと思ったのか、


「少し言い忘れていたことがあった。MoKでのあらゆる蘇生方法はまだ機能する。しかし、最後に立ち寄ったプレイヤータウンでのリスポーンはない。では、健闘を祈る」


そこまでGMの説明が終わったところで、人々が騒ぎ出した。


そのすごいのなんの。


より詳しく言えば、人々が何を言ってるのかわからないぐらいである。


まあしょうがない。「健闘」するかな。


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