表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法機装  作者: 六年三組
1/9

まだ、現実

よう、俺は、一条翼。高校一年生の、プロゲーマーだ。


知っている人の方が多いかもしれないが、プロゲーマーとは、ゲームの(主に)世界大会に出場し、その賞金と、自分とスポンサー契約けいやくを結んでいる企業からの広告料で生計を立てる仕事だ。


そんでもって、今俺は窮地きゅうちに立たされている。


なぜかというと、俺が所属しているチーム「天災」のエースである俺が(自分でも自信過剰乙と思うが、戦績や撃墜数げきついすうを見る限り俺がこのチームの中で強い・・・はず)風邪気味で集中力が欠けるという理由で今日のVRMMORPGの「マジックオブナイツ」、通称「MoK」のOPBF(東洋太平洋)大会の決勝戦を休むと連絡を入れたところ、チームメイトから「決勝戦を風邪気味程度で休むとはどんな神経してやがんだコラ」と強制的に出場を命じられ、もしそれができないのならば処刑(晩飯をおごら)されてしまうからだ。


・・・さて、今の俺の立ち位置の説明が終わったところで、俺が休むはずだった大会で題材(?)となったゲーム「マジックオブナイツ」の説明をしようと思う。


フルダイブ型VRMMORPG「マジックオブナイツ」、通称「MoK」は、「機装」と呼ばれるガ●ダムが小さくなった感じの鎧を身にまとって戦うゲームだ。縛りプレイをしている超上級者達はそれを纏わずに戦ったりするが、それは例外中の例外であり、普通のプレイヤーはそんなことしない。


ま、俺もその「超上級者」の一人だから、人のこと言えないんだけどな。


話を戻そう。


普通のRPGで「特技」と呼ばれる物はMoKで「ブレイドスキル」と「魔法」と呼ばれるものに二分される。


特徴を挙げるとすれば、ブレイドスキルの方は威力と出の速さから近接攻撃に使われることが多く、(「ブレイド」とついていることから、主に剣を使うものであることがわかるだろう。しかし、あくまでも「主に」であって、全てのブレイドスキルが剣を使うものではない。)魔法の方は威力を犠牲にして射程を伸ばしたものが多い他、技後硬直ディレイが短いため遠距離攻撃や、近接戦闘でも牽制に使われることが多い。


そして、唐突だが、MoKでは「空が飛べる」。


機装を纏ってさえいれば、念じるだけで大体のことができるのだ。


最後に、「オーバーアシスト」について説明しよう。


「オーバーアシスト」とは、「ブレイドスキル発動時にその場限りで身体の動きを後押ししているシステムアシストを大幅に上回るAGI(敏捷性を表す、ステータスの一種。)、STR(力の強さを表す、ステータスの一種。)を効果が持続している限り引き出す」(メニューウィンドウのヘルプの説明文引用)、特技の一種だが、ブレイドスキルにも、魔法にも属さないものである。


その名前は現在分かっている物は全て漢字四文字の形をとっている。


ふー。これでMoKの説明は終わったと思う。説明してなかった事柄が出てきたらその都度説明していく。


あとは、チーム「天災」のメンバーの説明だな。


一人目のプレイヤーネームは「サイ」で、役割ロール指令塔コントロールだ。心理戦に長けていて、こいつの前ではブラフ、朝駆け、闇討ちなどあらゆる駆け引き、不意打ちが赤子の手をひねるかのように無力化される。本名は「佐藤優斗さとうゆうと」。


二人目のプレイヤーネームは「スプリング」で、役割は狙撃手スナイパーだったり、中距離での大火力射撃を得意とするガンナーだったりする。本名は「大渡春香おおわたりはるか」だ。


で、俺のプレイヤーネームは「エックス」で、役割は、アタックガンナーで、主に近~中距離で射撃、斬撃両方使って敵を撃破している。


時計を見ると、試合開始まで、あと十分だった。


あと十分か。


・・・あと十分?


やっべ、説明に時間使いすぎた。イソゲイソゲー(棒読み)


ーーーーーーーーーーーーーーー七分後ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


試合開始まであと二分三十秒ぐらいというところで、チーム「天災」の控室に滑り込む影があった。


その「影」とは、無論俺のことだ。


「ちょっと、遅すぎ!今まで何やってたのよー」


スプリングの口撃に対し


「間に合ったんだからいいじゃねーかよー」


と反撃すると、


「「無言の圧力」」


「・・・さーせんしたー」


かっ、勝てねえ。


「で、どんな感じで戦うんだよ?」


「エックスが敵陣に切り込んで開幕射撃を黙らせて、」(サイ)


「そのままエックスが敵機を全滅させる」(スプリング)


ひでぇ・・・


「それ、もうちょいどうにかなんねぇ?」


と労働条件の改善を求めると、


「そんなこと言ってないで、速く機装纏って!」


拒否されるどころか、無視された。


まあ、機装を纏うための準備時間である三十秒のカウントが始まっているのも事実。


今回は本気を出すとするか。


「『龍神・神業』」(俺)


「『鬼神・暴風』」(スプリング)


「『晴明・クレナイ』」(サイ)


「「「起動」」」


このワードを唱えた瞬間、三人の体が光に包まれる。


「纏う」というより、「着る」といった方がしっくりくる感覚。


その光が消えると、そこには前述したようにガ●ダムを小さくしたようなものを纏った三人の姿があった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ