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魔法部!~学校の頂点に集う最強集団~  作者: 桜幹 神久呂
第二話「魔法部の脆弱性たるや」
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9「2Vs2 驚異のダブルバトル!」

9「2Vs2 驚異のダブルバトル!」

 連携が強いほうが勝つ。そう思っていた時期が。僕にもありました。今でも思っているけれどね。連携こそ最強。

 

「さて、始めようか」

結局、じゃんけんをして、見事に勝った者と負けた者に分けられた。というか、じゃんけんでどうやって決めようとしていたのだろうか。

ギザと嗾。そして、俺とソグ。まあ、いい感じじゃないのかな?

「そうね。勝負と銘打った以上、手加減はなしね。瞬間で終わらせてあげるわ!」

嗾の目つきが変わった。仮にも、いや仮ではなく実力だが、学校1位の実力を伴う人物。そしてその人物はこちらの実力を知っていて、手加減抜きだと言い放ち、そして本気で迫ってくる。

これは怖い。


早速、嗾とギザが目配せして無詠唱魔法を放つ。

「後れを取ってしまったにゃん!どうするトバリ!?」

そういわれましても・・というか、向こうのチームみたいに以心伝心出来ないのかよ!

とりあえず、相手の呪文を見極める。ギザが威力増大版水放射、そして嗾が・・・?

「わっかんね!とりあえず防壁、電気で作ってくれ!」

「分かったにゃん!」

何だお前は本格的にキャラ付けを狙っているのか?『にゃん』が板につくのを待っているのか?そうだとしたらタイミングが少しばかり遅いぞ。そんなことを思いながら俺たちは後ずさり―――ではなく、後ろに全力でダッシュする。

流石にこの近距離でやってらんねぇ!


魔法の勝負というのは、上級者になれば1秒を争う勝負。近距離であれば、攻撃は優位になるけれど、防御反応が遅くなる。初心者や、そこまで極めていない人にとっては、呪文詠唱の勝負になるので近距離でも大丈夫なのだけれど…。

だから、俺はとりあえず距離を開ける。もちろん、相手も距離を詰めてくる…と思ったのだけれど、留まるようだ。

留まることにおいてのメリットは、戦略を練る戦いになるということだ。しかし、この場合これは考えにくい。さっき嗾が「瞬間で決着をつけてやる」と言った以上、すぐさま攻撃に移ってくる可能性が高いだろう。それともあれはブラフか?勝負が始まる前から勝負が始まっていた、みたいなやつか?

嗾はおっとりしているように見えて、結構考えている。それこそ、周囲に対してのブラフなのかもしれないけれど。

「ソグ、どうする。相手は熱と水だ。そしてこちらは電気と熱。相性的には悪くはないはずだけれど」

「とりあえず、今は電気で防御壁を何重にも張り巡らせているにゃん。少なくとも、しばらくはあの嗾でさえも近づいて来れないはずにゃん」

ソグは、どうやら走っている間にも、防御を増やしていたようだ。こういうところに、抜け目がない。

「そして、これから電気障壁を嗾たちを取り囲むように張るにゃん。そして、じりじりと小さくしていって、結果的に痺れさせる、という作戦を取るにゃん。そこで、熱魔法を使って、私たちがいる方向を錯覚させて欲しいにゃん。理由としては、場所が分からないように、というのもあるけれど、やっぱり一番は念のために、にゃん」

「分かった」

ソグは、すぐさま走るなんて無謀なことはせずに、いったん呼吸を整えている。これから何が起こるか分からない中、呼吸を整えるということはとても大切な事だったりする。


ぴちゃっ。


「ぴちゃっ?」

そう呟くと共にに上空を見ると、そこには水のトンネルが、電気のシャッターの中に。こんな水族館あったなぁ、なんて悠長なことを考えてしまうくらい、綺麗な、そして奇怪な光景であった。

しまった。電気の障壁なんてものは、水鉄砲のようなものは弾くけれど、しかし水滴ともなれば弾くことは出来ない、なんて当たり前のことを忘れていた。向こうは、こちらの作戦と全く同じことを、水でこなしていたのだった。

「一枚、上手だったか」

まるでその言葉が相手に聞こえたかのようなタイミングで、水が落ちてきた。


「あなたたちの考えていることは、大体わかりますわよ」

電気の壁の向こう側で、嗾はそんなことを呟いている、気がした。


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