5話「雨」
【横浜律】
放課後、帰ろうと外に出ると雨が降っていた。
彩芽が空を見て言う。
「……雨だ」
私が俯いて言う。
「雨だね…」
船橋が腕を組んで言う。
「いやぁ雨かぁ…」
能代が険しい顔で言う。
「雨だよなぁ…」
みんな周りを見る。
船橋が驚いた顔で言う。
「え、全員傘ないの?」
すると他3人が同時に
「ない!」と揃えて言った。
4人誰も天気予報を見ておらず、誰も傘を持っていなかった。
船橋は何かを考えているような表情をする。
10数秒沈黙が流れた後に
「流星を傘にして1列で歩く?」と意味不明なことを言う。
全員が能代の方を向く。
数秒して能代が「いやいやいや………え?」と呟く。
私は名案だと思ったが、船橋は冗談で言ってたみたいだ。
彩芽が何かを閃いたように言う「冗談は置いといて船橋の家学校から近いでしょ?船橋の家までダッシュして雨宿りしよー」
すると船橋は「あーいいけど横浜大丈夫?」と言う。
私が口を開く「いやまぁ、自分の家に来られるのは嫌だけど私が行く分には…」
船橋が「なんだよその自己中理論は」と笑いながら言ってきた。
「私はプライベートな空間に学校の人が混在してるのが嫌なの」と答えた
正直あまり行きたくはないが、また拒絶したらみんなを困らせるから我慢することにした。
すると能代が「じゃあまぁさっさと行こーぜ」と呑気に言う
船橋の家に着き、家の中に入れてもらった。
すると船橋のお母さんらしき人が出てきた。
「りつぎ?誰か来てるの?」と廊下を歩きながら言ってきた。
船橋が答える「友達!濡れたからちょっと雨宿り!」
友達、か…なんだか落ち着かない。
でも否定するのも変だし…と思っていると
「おぉ、"友達"だってよ横浜〜」と能代がからかうように言った。
船橋が早口で言う「うるせぇ!そう言わねぇとややこしいだろ!」
能代余計なこと言うなと思い、私は少しムッとした顔で「なんでもいいけど」と言う。
それ以外の答えがが思いつかなかった。
しばらくして雨が止み、外に出た。
家の方向が同じなので、彩芽と一緒に帰る。
ぼーっとしてた彩芽が口を開いた「律は今船橋や能代のことどう思ってる?」と聞いてきた。
いきなりぶっこんでくるなぁと思い少し迷ってから答える「苦手から、苦手じゃないけど好きではないくらいになったよ」
彩芽がニコッとして言う「素直じゃないなぁ、あんなに仲良さそうだったじゃん」
彩芽以外の同級生とまともに話すのが久々すぎて仲良いの基準がよく分からなかった。
私は考えながら話す「まぁなんとなく普通に話せるくらいになったかなぁ…」
彩芽が肩を組んで言ってきた「まぁちゃんと話し初めて1日も経ってないし、それでいっか。私にはそこそこ仲良い男友達くらいには見えたけどね」
友達って言葉になんか引っかかるなぁと思いながらも「まぁ彩芽がいうならそうなのかも彩芽は世界の中心だし」と彩芽にくっついて言う。
すると彩芽は呆れたように「もうそうやって私に全肯定してくんのやめてよ〜依存体質か〜?」と言ってきた。
私はすぐに「依存体質なので死ぬまで面倒見てくださーい」と脱力して言った。
すると彩芽は「私には外国人の高身長イケメン彼氏ができる予定なので無理でーす」とニコニコしながら言ってきた。
その後も内容の空っぽな話を続けながら、濡れた道を歩いて家に帰って行った。
三日坊主の僕が楽しすぎて5日連続更新です!最後の律と彩芽のふわふわした会話が好きすぎて一生書いてたいと思いましたが、タイトルがリツ×リツなのでやめておきました笑。6話も明日か明後日には更新します!次回もよろしくお願いします!




