4話「名前」
【横浜律】
2限目の英語の時間、隣の人とのグループワークで英語で他己紹介をすることになった。
そこで私にとってかなり衝撃的な出来事が起きたのだ。
私はプリントの相手の名前のところに『Richigi Funabashi』と書いた。
すると隣にいる船橋は驚いた顔で私のプリントを見てこう言った。「お前さ…いくら俺の事嫌いでも名前ぐらい覚えてくれてもよくね?」
「え?」と私は意味もわからずぽかんとする。
漢字通り、りちぎふなばしと書いたはずだ。何も間違ってない。
すると船橋が「俺の名前、りちぎじゃなくてりつぎなんだけど…」と悲しそうに言う。
「え…」私はフリーズする。
一般的な「律儀」は「りちぎ」と読むが船橋の「律儀」は名前用に「りつぎ」になっている事を私は知らなかったのだ。
数秒間止まったあと、私が口を開く。
「だって誰もあんたのこと名前で呼ばないし!普通この漢字は『りちぎ』でしょ?」と饒舌に言う。
すると船橋が早口で反論してくる「りつぎって言いづらいからみんな苗字で呼んでくるんだよ!てかクラスメイトの名前くらい覚えろよ!」と朝の噛み噛みはどこへやら、呂律は絶好調で言ってきた。
「ほらすぐ喧嘩すんなよー、どうせ誰も名前で呼ばないんだからそんな事どうでもいいだろー」と後ろから彩芽が呆れたように言う。
するとすぐに船橋が「は?じいちゃんが付けてくれた大事な名前をどうでもいいとはなんだ!どうでもいいとは!」と怒って言う。
それを見兼ねた先生が「おいそこの船橋、横浜、金沢、能代ーお前らうるせーから宿題倍なー」と言ってきた。
それに反応するように「おいふざけんな!横浜が俺の名前を間違えたのが悪いんだ!」と船橋がいうと
「あんたがわかりにくい名前なのが悪いのよ!」と私が返す
さらに「2人とも仲良くなりたかったんじゃないの?なんでそんな喧嘩ばっかすんのよ!」と彩芽が割って入る。
この盛大な言い合いの横で、集中してプリントを記入している能代は、席が近いせいで知らぬ間に宿題が倍になっていた。
初の日常回!書いててすごくふわふわした気持ちになりました。5話もすぐに更新出来ると思います!次回もよろしくお願いします!




