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第54話 戦えないストリーマーはお呼びじゃない!?

「そういえばリオナちゃん、ひとつ聞いていい?」


 


会議室の空気が少しだけ引き締まった気がした。


配信者リストの確認を終えた直後、レオンが何気ない調子でそう切り出してきた。


 


「もしかしたら、大会中にちょっとだけ戦闘してもらうことがあるかもしれないけど……そういうの、大丈夫?」


 


「――えっ!?」


 


すごい勢いで反応して、思わず椅子からずり落ちそうになる。


 


「む、無理です! 無理無理無理ですって! できれば実況だけで平和にエンディング迎えたい派なんですけど!?」


 


「だよねー。まぁ、そう言うと思った」


 


レオンは笑っていたけど、口ぶりからすると“まったくの冗談”というわけではなさそうだった。


 


「強制じゃないし、もちろん戦闘がメインになることはないよ。ただ、バトル実況の最中に巻き込まれるとか、何かあったときに自分を守れる程度には動けたほうがいいかなって」


 


「うぅ……」


 


言われてみれば、たしかに。


逃げ回るだけだったら配信としても成立しないし、なによりカッコつかない。


 


「でも、ちょっとだけでいいんだ。完全に戦えるようになれって話じゃないし」


 


そう言われて、少し考え込む。


戦闘スキルなんて、今までまともに練習したことない。


唯一ダンジョンに行ったときも、ほとんど足手まといだった気がする。


 


「……あの、ガルドさんって、今もノルディアにいますか?」


 


「ガルド? ああ、いるはずだよ。次の撮影準備で一度戻ってきてるって話だった」


 


「この前、一緒にダンジョンに潜ったときに、ちょっとだけ教えてもらったことがあって……」


 


ガルドのことを思い出す。


あのとき、的確に指示をくれたこと。背中を守ってくれたこと。


 


「だから、ガルドさんに戦い方を教えてもらえないかなって」


 


「いいと思うよ。あいつ、わりと面倒見いいしな」


 


レオンが笑ってうなずく。


リュミも「それ、ありだね」と相槌を打ってくれた。


 


「……じゃあ、行ってきます。私、ちょっとだけ、戦えるようになってきます!」


 


どこまでできるかわからないけど――


少しでも、前に進めるように。


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