第2話 異世界なのに配信文化があるなんて聞いてない!
――目が、開いた。
まぶたを透かして差し込む光は柔らかくて、
ほんのり草と土の匂いがする。
ここは、どこ?
私は体を起こし、ゆっくりと周囲を見渡す。
見知らぬ草原だった。
空は高く澄んでいて、鳥の鳴き声がどこか遠くで聞こえる。
遠くには森、そしてすぐそばには――川。
(……これ、夢じゃないよね?)
一歩踏み出して、ふらつく身体を支えながら川へ近づく。
澄んだ水面に、何かが映った。
(……だれ?)
思わず声が漏れた。
そこに映っていたのは、
銀髪の美少女だった。
やたら整った顔に、白い肌。
そして――ピクピク動く、ふわふわの耳。
「……ケモ耳……?」
試しに頭を振ると、耳もぴくんと揺れた。
鏡でも合成でもない。
ちゃんと、自分の頭についてる。
(うわ、マジか……これが転生?)
思い出すのは、真っ白な光に包まれた直前の感覚。
たしか“ログイン画面”のようなものが浮かんでいて――
名前や外見設定も表示されていた。
リオナ・アメシス。銀髪、ケモ耳、18歳の女の子。
……たしかに、見覚えはある。
でも、それが自分になるなんて、やっぱり実感がわかない。
「……見た目だけなら、めっちゃ人気出そうなんだけどな」
前世――天城理緒、30歳、Vストリーマー歴6年。
結局バズらず、命も尽きた。
それが今では、まさかの美少女姿。
こっちの人生、逆にチートなんじゃないかって気がしてきた。
そんなことを考えていた時、
手のひらがじんわりと光を帯びる。
見ると、魔導石のような透明な結晶が皮膚に埋まっていた。
(……なにこれ?)
試しに「起動」と念じてみると――
【魔導通信ユニット ver2.8】
【ユーザー名:リオナ・アメシス】
【現在のフォロワー数:0】
【カテゴリ選択:冒険/雑談/戦闘実況/ASMR/料理/その他】
「うわ、ガチで配信UI……!」
この世界、**配信文化がある**ってこと!?
てか、魔導通信ってなに!? カテゴリがやけに現代風なんですけど!?
「え、ええ~……マジでストリーマーやる感じ……?」
言葉にしながら、どこか懐かしさを覚える。
配信画面を開いて、
誰かに向かってしゃべるあの感覚。
それはもう、体の中に染みついていた。
私は深呼吸を一つして、そっと呟いた。
「――今度こそ、バズってやる」
その手には、確かに未来が握られていた。
本日一気5話更新2話目!次回は19時です!よろしくお願いします!
そして最後のイラストは主人公の転生前と転生後のイメージになります。自分じゃ絵なんて描けないのでAIさんに設定打ち込んで書いてもらいました。AIのちからってすげー
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