女王の帰還
王都ヒィロの高級宿
3人は王城を出た後 国に手配された高級宿にて
これからの事を話し合っていた
まずはエドワード様の呼び名から決めよっか
普段 街中で流石にエドワード様とは呼べない
誰かが王子様と気付くと面倒臭いからね
僕のことはエドで良いよ
エドワードはマイをずっと抱きしめている
そう ならエドで決まりだね
私のことはメアリーで良いよ
メアリーは私のことをお姉ちゃんと呼びますが
エドは私のことはマイと呼んで下さい
うん わかった
これは確認しておかなくては ならないんだけど
エドは戦闘面ではどんな事が出来るの?
僕の特技は魔法弓
武器はこの特注のクロスボウ
エドは空間からクロスボウを出した
このクロスボウに5属性の魔法をそれぞれ付与して射るんだ
使える属性は 地 水 火 風 光
もちろん普通に魔法も使えるよ
おお 流石に勇者 優秀だね
僕なんかより 兄上達の方が全然優秀だけどね
私達は仕事が忙しくない時
毎日最低2時間は一緒に修行してるんだ
これからはエドも一緒だよ
みんなで強くなろうね
はい 宜しくお願いします!
では王様からの依頼である
光の箱について話たいんだけど
みんなは何か知ってることある?
私は何にも知りません
僕も何にも知らないんだ
光の箱の件は 今日知ったばかりだよ
これは今 私が考えていることだけど
宝物庫にはいろんなお宝があるのにもかかわらず
光の箱だけ盗んだってことは
8つの箱を全て集めるつもりなんだろうと思う
自分が強大な力を得たいが為に
だけど
盗んだ者は自分が箱に喰われるなんて知らないはずなんだ
なので8つの箱を集めた者は完全体になった箱に喰われる
さっきは ここまでしか話さなかったけど
この話には続きがあるんだ
その後の完全体の箱は周囲のあらゆる物を喰らい尽くし
7日後にまた元の8つの箱に戻る
そして8つの箱は長き眠りに入る
と 本には書かれてあった
私は夜限定なんだけど世界中を見れる目があるんだ
完全体の箱が世界中の何処かに現れて暴れたら
私にはわかる
光の箱の情報が何にも無い今は
完全体の箱になるまで待つしかないんじゃないかと思っている
それしか なさそうですが
ちなみに光の箱以外の7つの箱ですが
今ある場所はわかるのですか?
私は1つもわからないよ
僕もわかりません
それなら 待ち伏せも出来ませんね
そんなわけで とりあえず当面の間はいつも通りにしよう
コンコン
話が終わるタイミングでドアがノックする音がした
はーい
ルームサービスお待ちいたしました
あのぅ 頼んでませんけど…
多分 父上からだよ
もうすぐ夕飯時だし 遠慮なく いただこうよ
メアリーとマイが見たことがない食べ物が沢山運ばれてきた
おー よくわからんが 美味そうだ
こんなに食べきれませんよ
冷めないうちに 食べよう
うまー うまうま うまー
とても繊細で優しい味付けですね 美味しいです
ここの料理長は以前に宮廷料理長をやっていた方なんだ
贅沢な味ってのは わかるよ
お料理の値段を聞くのが怖いです
美味しいお料理は人を幸せにするよね
食事も凄いんだけど 部屋も凄いよね
こんな高級宿 初めてだよ
そうですね 全ての家具が職人の魂を感じます
ここの家具は千年に1人の名工と呼ばれた職人により作られたみたいですよ
へぇー エドは家具に詳しいの?
僕は戦闘とかよりは何かを作るほうが好きなんだよね
僕の武器 クロスボウだけど
実はあれ自作なんだ
へぇー 凄いじゃん
そうですね とても綺麗でよく出来たクロスボウでした
そう言って もらえると 嬉しいな
家族には褒めてもらったこと無かったから
勇者に物を作る能力は必要ないんだよね
そんなこと無いと思うけどなー
そうです 物作りは素晴らしい才能です!
そ そうかなぁ
あっ そうだ 話は変わるんだけど
エドは夜目は利く?
弓のスキルに暗闇でも見えるのがあるので
それを取得すれば見えます
それなら 良かった
うちらモフリストは基本的に夜型で
夜中活動して昼間は寝ているんだ
だからエドもそれに慣れてもらうよ
はい わかりました
出来るだけ早く 慣れます
会話しながら3人で初めての食事は楽しく終わった
ふぅ 美味かった ご馳走様ー
ご馳走様です 豪華なお食事でしたね
ご馳走様でした
じゃあ いつも通り ギルドに行こっか
何か良さげな依頼があると良いですね
もう夜になる この時間にギルドに行くんですね
そうだよ 最近は無くなったんだけど
この時間帯に厄介なのは
酔っ払いの冒険者がたまーに 絡んでくるんだ
その時は思いっきり ぶん殴って良いよ
冒険者は舐められたら終わりだからね
は はい
でも 僕 今まで誰かを殴ったことないです
て ことは誰かを殺したことは?
もちろん無いです
冒険者をやってればモンスターや他の種族を
いつか殺さなくてはならなくなる
殺せる時に確実に殺さないと自分が死ぬよ
それは仲間の命も危険にさらす
例え相手が命乞いしても一瞬の迷いなく
殺せないと冒険者は務まらない
と 私は思っているけど
エドは自分のペースでやったら良いと思うよ
私のこの考え方はエドに強制はしないから
私達は可能な限り エドを守る
は はい ありがとうございます
僕に出来るかなぁ…
相手がわかりやすい悪党なら殺すのにそんな罪悪感はないだろうけど
善人を装った悪人は沢山いるし
赤ちゃんや子供に化けるモンスターや種族もいる
どんな時も油断しちゃダメだよ
それとね モフリストには決め事があるんだ
誰かが捕まったら
その時は死んだ者として扱え
絶対に敵の要求は1つも飲むな
最悪なのが両方捕まることだから
私はもし捕まったら自害することを決めている
もし自害出来ない状態の時は私ごと敵を殺してくれって
お姉ちゃんにはお願いしてる
そ そうなんですか?
はい それは私も同じです
私も捕まった時は迷わず殺してとお願いしています
つ 捕まらないように気をつけます…
ギルドにやって来た3人
うーん これといったものは無いかなー
王都のめぼしい依頼はもうやり終えてますからね
ん どうしたのエド その依頼 気になった?
エドは真剣に1枚の依頼の紙を見ていた
これなんですが
どれどれ
邪神教国に攫われた子供を連れ戻して欲しい
エドはこの依頼を受けたいの?
そうですね 報酬はとても安いですが
依頼人は名前からして母親だと思うんです
子供を母親の元に返してあげたいなと思いました
邪神教国かよくない噂は聞くね
よくない噂ですか?
うん 邪神復活を企んでいるんじゃないかって噂
その為に生贄を集めている
それなら 早く助けないと
少し前から お姉ちゃんとも邪神教国はさっさと潰した方が良いんじゃないかと話はしていたんだよ
でも 国だからなー
依頼も無いのに勝手に潰しても良いのかなって思っていたんだ
あっ そうだ この件
国王に根回ししてくれないかな?
そしたら好きなだけ暴れられるよ
そうですね 父上に話してみます
僕 今から王城に行ってきます
なら私の影に入って 転移するから
えっ そんなこと出来るんですか?
うん 夜限定なんだけどね
目視可能な範囲と1度でも行ったことがある場所には転移出来るんだ
さすがに城内に転移するわけにはいかないから
城の近くに転移するね
じゃあ行くよ
メアリーは城の近くに転移した
着いたから もう出てきて良いよ
凄い 一瞬でお城に着いた 転移って便利ですね
まあね 私達はここで待ってるよ
わかりました 行ってきます
約1時間程でエドは戻ってきた
おっ 来た来た おかえりー
お帰りなさい
ただいまです
邪神教国ですが 国でも攻め滅ぼすべきかどうかを連日協議していたそうです
1万年も遥か昔の話になりますけど
現在 邪神教国がある場所は
デイ神教国という国があったんです
このデイ神教国は国民全てを生贄に捧げ
邪神を復活させて 世界を滅ぼそうとしました
なので邪神復活の噂がある邪神教国をこのままにはしておけない
と父上は仰っていました
知ってるよ その邪神を倒したのが
初代モフリストのリーダー リスト
マイの母ちゃん サクラ
私の父ちゃん マイケルだ
えっ そうなんですか?
そうだよ
歴史書に載っている英雄じゃないですか…
あっ! もしかしてメアリーという名前は
リストの娘 メアリーからきているのですか?
へぇ エドは歴史に詳しいんだね
リストの娘メアリーは
父ちゃん 母ちゃん
両方と冒険したことがあったらしい
なので娘
私が産まれた時 すぐに名前はメアリーで決まったって言ってたよ
なるほど そういえばデイ神教国が消滅した後に出来た国が
メアリー国でしたよね
500年ほどで内乱が起こり滅んでしまいましたが
そうだね 私と同じ名前の国だったから
私もあの場所の歴史は少し調べたことがあるよ
新しい国が出来ては滅んでの繰り返しだね
どこの国も同じですよ
西の大陸の帝都だって滅んだのです
1万年も無事に存続しているのは王都ヒィロだけですから
王都に初めて来た時に感じたのは
何かに少し護られている感覚があったんだよ
この土地は勇者の国だけあって
何か特別なのかもしれないね
この国に生きる者として そうだと嬉しいです
そうだ 忘れるところでした
父上からのお言葉です
邪神教国の件は好きにやってもらって構わないそうです
ただ 表向きとしては
ヒィロ王国は一才感知していない
とのことです
まぁ そうだよね
でも これで思いっきり暴れられるよ
メアリー 早速 邪神教国に向かいますか?
うん サクッと邪神教国を潰して
攫われた人達を解放しちゃおう
その後は子供を助けにいったら
たまたま邪神教国を潰しちゃった て事にしよう
エド もしかしたら すぐにでも誰かを殺すことになるかもしれないよ
心の準備をしといてね
は はい わかりました…
みんな 私の影に入って
邪神教国には行った事あるから転移するよ
邪神教国 邪神教神殿
教祖様ー!
ここは危険です もう奴らが すぐ側まで迫ってきております
お逃げ下さい!
ここから離れる気は全くありません
私は身も心も邪神様に捧げています
死など恐れてはいけません
この世の命など 何の価値も無いのです
今回のワッショイは邪神様のお導きなのでしょう
我々はただ それを静かに受け入れる
それ即ち 邪神様への絶対的な祈りである
邪神教国から西方に位置する悲しみの森で大発生したワッショイ
悲しみの森でワッショイが発生するのは10万年ぶりである
その10万年分の溢れた大量のモンスターが邪神教国を襲っていた
邪神教国内に転移したメアリー達
転移した瞬間
メアリー達が見たのは凄惨な光景だった
大量のモンスターに襲われ
多くの国民が喰い殺されていた
何だ これ!?
周囲モンスターだらけですね
これは この世の地獄だ…
ここから西には悲しみの森があったね
まさか ワッショイか!
みんな とりあえず 片っ端からモンスターを片付けるよ
お姉ちゃんはエドを守りながら戦ってね
わかりました!
これが 初陣か 緊張するな…
その時 マイはエドに優しく触れる
私がいるのです 何にも心配はいりません!
マイが側にいてくれると勇気を貰えるよ
じゃあ みんな 戦闘開始だ!!!




