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異世界転生したけど終わった話

作者: ノノノ

 俺の名前は、早戸散太郎!

 唐突だが、俺はトラックに轢かれてしまった!!

 朝起きて学校に行こうと道路に出たらいきなり……(-_-;)


 で、轢かれたのに、何故俺がこんなピンピンしてるのかというと―――


「……は? ここどこ?」

 俺が目を覚ますと、見たこともない森の中に居た。

 少なくとも、俺が居た街じゃない。

 結構な都会で、こんな深々とした森なんて無かったはず。


 そこで俺は考えた。


「……これって、異世界転生じゃね?」

 ほら、少し前に『異世界転生』って流行ったのを知ってるだろうか?死んだ主人公が別の世界に生まれ変わったりとかするやつだ。あれと同じ状況になったんじゃないかと考えたのだ。


 とすると、アレだ。俺は転生して物凄いチート能力を得て、この先人生バラ色みたいな事になるんじゃなかろうか?


 ※なお、確証はない。


 となれば、最初にやることはただ一つ!!


「ステータスオープン!!!!!!!!!!」


 俺は、全力で叫ぶ。異世界転生でチートとなればまずはこれだと思うのだ。


 そして、自身の能力とチート能力を確認してから、手頃なモンスターを狩ってレベル上げをして、冒険者として成り上がっていくんだ。


 うん、完璧だ! すると―――


 ・・・・・・・・・


「…………ん?」

 しかし、どうしたことだろう。

 世界の中心で愛を叫ぶレベルで叫んだというのに何も起こらないではないか。


「あれ、もしかして途中で言葉間違えた?」

 ステータスオープンって言葉がダメだったのか?

 それとも、もっと他の言葉を言わないと駄目なのか? う~む……


「ステータス!!!!」

 とりあえず言ってみたけど……やはり、何も起こらなかった。


 くそっ、何かこう、カッコイイ呪文とか必要なのかなぁ……。


 と、そんな事を考えていると、草むらの奥からゴソゴソと何かが動いている。

 どうやらこっちに近付いているようだ。


 第一村人発見か!?


「丁度良いや、ステータスの表示の仕方を教えてもらおう!」


 そう思い、俺は大きな声を出す。


「我が名は早戸散太郎!

 異世界転生して、ステータスオープンと叫んだのに、何も起こらなかった!

 どうしたらいい!?」


 俺は自身の境遇を全力で伝える。

 この誠心誠意の気持ち、第一村人に伝わっただろうか?


 だが、1秒後、全力で後悔した。


 こちらの声に反応して出てきたのは、茶色い身体を子供みたいな体格なのに老人みたいな顔をした妙な生き物だった。そして、その手には棍棒が握られていた。


 瞬間、俺はその生き物の正体に気付いた。


「ご、ご、ご――――」

「ゴブ?」

「ゴブリンだーーーーー!!!!」


 俺は全力で逃げ出した。


「なんでだよ!? なんで異世界転生最初の遭遇者がゴブリンなんだよ!?」


 俺はまだ死にたくない。

 せっかく念願の異世界転生を果たしたというのに、まさかこのまま―――


 だが、無我夢中で逃げたことで俺は周りが見えてなかった。

 足元の木の根っこに引っ掛かり、俺は頭から地面に突っ込んで倒れてしまった。


「ぐ、ぐぅ……だ、誰か……!!!」

 俺は誰でもいいから助けを求める。


 しかし、ああ無常。こんな深い森の中に助けてくれる人など居ない。

 異世界転生したといっても、誰もが英雄になれるわけではないのだ。


 そして、そのゴブリンは、無様に倒れた俺を見て顔を歪ませ―――

 手に持った棍棒を俺の頭蓋に叩きつけた瞬間、俺の意識はブラックアウトした。




 早戸散太郎、異世界転生するも転生後3分で死亡確認!!


 異世界は誰でもチートを貰えるなんて甘くないのだ!!

 皆も、転生したら『ステータスオープン』なんて叫ばずに安全確保しようね!!!


 ノノノとの約束ダゾ!!


 ―――完―――

なんか、「ステータスオープン」って叫ぶ主人公がいるらしいよ!

読んだことないから書いてみたよ、読んで!!!!!!!!!!!!!

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― 新着の感想 ―
[一言]  ちょうど短い異世界転生モノを書こうとしていたので、タイムリーで楽しく拝読しました。  短篇らしいムダのない展開にオチ、とてもよかったです。
2023/05/27 09:21 退会済み
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