3 襲撃
3
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「ふぅ……。食った食った」
「ティアったら、ユ……いえ、ヘイゼルが食べるのにあやかって沢山食べるんだもの」
椅子の背もたれに寄りかかりながら、ティールが膨れた腹を撫で息を吐いた。
「あ、そうだ。ヘイゼル、お前風呂入る?」
「お……、ふろ?」
ティールがおもむろにパチンと指を鳴らし、何を言うかと思えば風呂の誘いだった。唐突に話を振られたヘイゼルは一瞬困惑し、首を傾げた。
「な、何ですか。それ」
「おや、風呂をご存知でない……」
どうやら、そもそもの話、ヘイゼルが風呂という概念を知らなかったようである。記憶が欠如している故なのか、はたまたそれ以前に知らないのか。
「よっし、少し落ち着いたら風呂行こっか。とびきりの、あっついやつ」
「あの……おふろって……」
「そんなにウキウキしちゃってさ……。ティール、あなた時々スケベおやじみたいな顔するわよね」
「はっ!?……べべべ、別に?そんな魂胆あってな訳じゃねーし?」
「……すみません……おふろって何で……」
「別に!女の裸なんぞ俺はソウカので見飽きてるし……」
「なっ……!!ちょっ……ティア……!!」
ティールが小っ恥ずかしそうに顔を背けながら言うと、顔を真っ赤に染めたソウカがバシバシとその背中を叩いた。
ちなみにこの二人、婚約済みである。
そして、ヘイゼルはその空間の中で一人置き去りにされているのであった。
「おふろってなんですかあ!!」
「あっ、悪い。……完全にヘイゼルの事無視しちゃってた……」
彼女が声を張り上げると、二人の背筋がビシッと伸び、まるでぜんまい仕掛けの人形のようにギコギコと音を鳴らしながらヘイゼルの方を見た。
「ヘイゼルいる時に何言ってんのよ……。みっともない……」
「スマセン」
ソウカが深々とため息を付き、ティールは時間差で自分の言ってみたことが恥ずかしくなり、机の上に突っ伏した。
――
「よ、おばちゃん。二人分、頼める?」
「あらティールちゃん、相変わらず若々しいわね。そちらは?お連れさん?」
店を出て、数分歩いた所にある建物の中に入り、ティールへ顔なじみであるかのように受付に立っている初老の女性に手を振り、懐から数枚の硬貨を取り出した。
「そ、俺の……遠い親戚だな。今家に泊まりに来てるんだよ」
ティールは少し考えた後、そう言ってヘイゼルの方へ視線を動かした。もちろん親戚では無く、ウゥルカーナのような刺客に少しでも情報を渡さない為の嘘なのだが。
「はじめ、まして。ゆ……ヘイゼルと言います」
たどたどしい口調でヘイゼルは女性に向かって小さく会釈をする。
「初めまして。最近寒いから、ゆっくり温まっていきなさいね」
「ども、さ、行こっか」
ティールに手を引かれ、ヘイゼルはよたよたとその後をついて行く。
「ここは……、何をする場所何ですか?」
未だ、風呂というものが何か教わっていないヘイゼルは、恐る恐る前を歩くティールに尋ねた。
「風呂ってんのは、所謂湯浴みだよ。暖かい湯で体を洗って、たっぷりのお湯に体を浸からせるんだ」
「……はあ、それって何の意味が……?」
「……意味、か」
ティールは考えてもいなかったのか、視線を上に持ち上げ少し思考を巡らせて回答する。
「簡単に言えば体を洗うため。だけど、それだじゃなくて体を休める為でもあるかな。温かいお湯に浸かると、じんわり体の疲れが解れていくんだよ」
「……へえ……、なるほど」
「ま、入れば分かるさ」
脱衣場に入り、テキパキと服を脱いでいく。服を脱ぐことに抵抗を覚えるものかとティールは密かに思っていたが、案外すんなりと服を脱ぎ少し寒そうに体を縮こませていた。
「さ、行こっか」
浴場にへと繋がるドアを開くと、中から息の詰まるような熱気と湯気が溢れ出てくる。
「わぶっ」
ヘイゼルが驚いて手で顔を覆っているのを見て、ティールが高らかに笑った。
「……これが、お風呂ですか……」
「そ。少しお湯かけてから入ろっか」
ティールが渡してきたお湯の入った桶を受け取り、彼女の見よう見まねで全身にお湯を掛けていく。
最初、お湯の熱さに体が飛び跳ねそうになったが慣れるとじんわりと体の芯から解れていくような感覚になる。
「ん、ヘイゼル。ちょっとここ座って」
「あ、あ。はい」
ヘイゼルが木製の小さな椅子に腰掛けると、ティールが背後からその豊かで艶のある黒髪を持ち上げ、手際よく纏めあげていく。
「よし、良いよ。お湯に髪は極力付けない方が良いからね」
ティールの方を見ると、彼女も普段の真っ直ぐに下ろした髪型ではなく、後頭部で結わえ肩よりも高いラインに髪を纏めあげていた。
「入ろうぜ」
たっぷりのお湯が張られた湯船に導かれ、足先から恐る恐るゆっくりと身を沈めていく。
「…………っ……。っはあっ…………」
やがて肩ほどにまで湯に浸かると、思わず口から大きなため息が零れてしまう。
「どう?気持ち良いだろ?」
「……はい」
若干ぼんやりとした表情になったヘイゼルを横目に、ティールがさぶんと湯に飛び込み、同じような声を漏らす。
「……これが……、お風呂……ですか」
自分の体内で凝り固まっていた疲れや怠けが、お湯に流れ出ていくようである。だんだんと体の力が抜け、まるで湯に溶けていくような……。
「……ティールさん、体の傷凄いですね」
「……んん?……ああ――、全部古傷だよ。ずっと昔に出来たもんばっかり」
以前は戦闘職にでも着いていたのだろうか。全身の至る所に古傷が目立ち、どれもこれも痛々しい。その女性らしい曲線を主とした体型とは到底似合わないものである。
確かに、ヘイゼルを助けた時の身体能力を見ればそこらの人間じゃ歯が立たない実力を持っているという事くらい、彼女にも理解はできる。
だとしても、こうも全身に傷を負っているのは、果たしてどんな過去が彼女にあったのだろうか。
「……全部大切な傷だよ。……見る度に俺の記憶を呼び起こしてくれる」
感傷に浸るような表情で傷を眺め、指先で撫でていく彼女。
そういえば、腕の傷はどうなったのだろう。ウゥルカーナに腕を痛められ、あの時は脂汗を滲ませる程の激痛を感じていたはずだ。
「……ティールさん、あの時の腕の傷は?」
「あの時?」
ヘイゼルが聞くと、ティールはそんな傷覚えてもいないようで目を見開いて聞き返してきた。
「ほら、私を助けてくれた時の……」
「ああー、あの腕のやつか。あんなのどうって事無いよ。……それより、ヘイゼルこそ脇の傷はどうなんだ?」
「……脇の傷……?……あ、ああー」
どうやらこちらも忘れかけていたようで、脇腹を触った時に起きたチクリと刺すような痛みのおかげでようやくそれを思い出した。
「起きた時は……、少し痛む程度でしたけど……。今はほとんど気にならないです」
「…………ふぅん。どうやらヘイゼルも傷の治りが早いみたいだね」
「も……?」
訝しげな眼差しでヘイゼルの事を見た後、まっ、治ってるならいっか、とティールは視線を正面に戻し体をウンと伸ばして全身を震わせた。
しばらくの間、互いの間に沈黙が流れた。双方、何かしら聞きたい事など山ほどあるのだろうが、逆にそれが多すぎて切り込む話題に困ってしまっていた。
が、しばらく話さずにいると逆にその沈黙に慣れ、心地よくなってしまう。
二人は立ち昇る湯気を眺め、心を静めるのであった。
――
「……ん、皆さん手からお湯を出してませんか……?」
湯船から上がり、沢山の鏡の前に腰掛けたヘイゼルが周りの人たちの様子を見て疑問を漏らした。
彼女の視線の先には、湯で髪や体を洗う女性がいる。しかし、その湯は女性の手から噴出されており、ヘイゼルは思わず目を疑った。
「ああ、言ってなかったっけ。水魔法と炎魔法を合わせてお湯を作ってるんだよ。……ヘイゼルは、うん、俺がやろう」
そう言ってティールがヘイゼルの後ろに立ち、その手から暖かいお湯を全身に浴びせてくれる。
「……わあ。不思議ですね……。魔法、ですか」
「そ。火を起こしたり、水を汲んだり。そういう日常的な事は基本魔法で賄うんだ。この世界に住む殆どの人が幼い頃に魔法を教えられて、日常生活を送れるようになる。……ほれ、頭かけるから目瞑りな」
ヘイゼルがキュッと目を瞑ると、彼女の頭に湯が当たり床に滴る。ティールの指が撫でるようにして髪を梳き、細やかな髪の毛を丁寧に洗ってくれる。
「少しボサついてたけど、綺麗な髪だな。艶もあって、少し白みがかってるけど」
湯を止め、手で軽く泡立てたシャンプーでワシワシと髪を洗うティール。それが何だかこそばゆくて、ヘイゼルは目を細める。
「やる時は優しくな。こうやって毛を一本一本洗うように……」
――
「ぷはあ~。いいお湯だった」
「スッキリしましたね」
風呂から上がり、ティールに頭を乾かしてもらいながらヘイゼルは肩の力を抜いた。
ちなみに、髪を乾かすのには炎魔法と風魔法を合わせたものを使っている。あまり温度を上げすぎると、ただの熱風となり頭が火事になりかねないので炎魔法は少し弱めに加減している。
「……その、魔法って。……私も使えるんですか?」
「ん、んん?ああー、練習すれば簡単なのならすぐ使えるだろーさ。家に帰ったらちょこっと教えてあげるよ」
「やった……。ありがとうございます」
「使えないと不便な時もあるだろうしね。よし、良いよ」
最後に櫛で軽く髪を梳かれ、ぽんとティールが肩を叩いた。
いつの間に乾かしたのか、ティール自身の髪の毛はすっかり乾いており、高級品の絹の糸のようであった。
「よっし、帰ろっか。冷えるといけないから、ちゃんと上着着てな」
ふわっと、ヘイゼルにティールが上着を羽織らせた。彼女はその袖に手を通し、ゆっくりと先に進むティールの後ろを追いかけていくのであった。
「また来なさいねー。二人とも」
受付の女性が声を掛けてくれたので、ティールは軽く手を振りヘイゼルは小さく会釈して暖簾を潜って店を出た。
「う……っ、寒っ」
「確かに今日は冷えるな……」
風呂上がりで温まった体だから尚更である。夜風が肌を刺すように通り抜け、二人揃って体を震わせた。
「お、ティールちゃん。銭湯の帰りかい?」
「あ、ルイさん。……この人はソウカの店の食材をいつも卸してくれてる人。……そうなんです、たまには温まりたいなって」
道端で声をかけてきた小麦色の肌の男性に挨拶し、彼が誰かを小声でヘイゼルに教えてくれるティール。
この寒気の中、何故かタンクトップ一枚で街を闊歩し、ギラギラと輝く筋肉を見せびらかす様は、中々目に着くものがある。
「……ソウカさんのお店って……」
「あれ、言ってなかったっけ?ウチは大きくは無いけど一応飲食店なんだよ」
「……あ、え、そうなんですか……!?」
そういえば、食べさせてくれた食事はどれも豪華で贅沢だったような……。もしかして、店のものだったのだろうか……、と内心ヘイゼルは冷や汗をかいていた。
「ソウカちゃんにも宜しくね。じゃ」
「寒いから厚着して寝なよな」
「筋肉が発熱してやがんだよ」
軽く冗談を交わし、再び別れる。
その後も同じように、ティールの顔を見ては全員が友人かのように挨拶を交わし、一言二言交えてから、また別れる。というようなやり取りが続いていた。
「ティールさんって、顔が効きますよね」
「……そう言われると恥ずかしいな。ただ何だかんだで皆との交流があるんだよ」
ティールが頬を掻き苦笑を浮かべていると、再び彼女に声を掛ける者が現れた。
「ティールさん!!!!大変だ!!!!」
「ぇええぇ、どうしたんだよ……。そんな切羽詰まった様子で……」
しかし今回は様子が可笑しい。今までは皆が通りすがらに挨拶をしてくる程度だったのに。
まるで彼女に縋るようにして、地面に崩れ落ちる鎧に身を包んだ男。
いきなりの事で、ティールも困惑を隠せずホールドアップし、足元で呼吸を整える男に向かって何も出来ないでいた。
「な、何かあったのか?お前……、門番の……」
「はあっ……はあっ……。ゲホッ……ゲホッ……。……レンと……ルカが……!!」
「レンとルカってお前の同僚だよな……?どうしたんだ?」
「……門のところで、二人……死んでて……」
「っ!?」
「…………っ」
聞いた瞬間、ティールの顔が強ばりヘイゼルが目を見開いた。
「犯人は?分かってるのか?」
「……いえ、さっき、交代で俺が入ろうとしたら二人がぶっ倒れてて……。急いで上官に報告しないとって……!!」
視点が定まらず、ろくに呼吸も出来ていない。そもそも、人の死にたてホヤホヤの死体なんぞ見た事がある人の方が少ないだろうし、こうなるのも無理は無いか。
「分かった、お前はなるべく急いで上官の所に報告に行け。俺は門の方に…………、っ」
踵を返して走り出そうとした所で、ティールとヘイゼルの目が合う。
門番達を襲ったのが、ウゥルカーナであるならば恐らく彼女の狙いであろうヘイゼルをその現場に連れていくのはかなりリスクが大きい。
かといって、今日この街に来たばかりの彼女をここへ置いておくのも気が知れない。
「……、ヘイゼル、お前こいつと一緒に上官の元に行ってくれ。着いたら、建物の中でじっとしてろ。俺が迎えに行くから、それまで外に出るなよ」
「ティールさんは!?」
「俺は門番達を診てくる。何か分かるかもしれない」
ティールはそう言うと、風のように駆け闇夜に消えていった。
なんだなんだと周りの人から注目を浴びながらも、ヘイゼルは門番に肩を貸し、彼の指差す方向へ共に歩き始める。
「……あの、大丈夫、ですか?」
「……仲間が、死ぬなんて……、思って無くて……。何が何だか分からない…………」
未だ、気が動転しているようである。
「……っ、門番さん。怪我してるんですか?」
「………………怪我?」
「ほら、鎧に血が」
ヘイゼルが指差すのは、彼の胸当てにこびり付いた血痕。一滴二滴では無く、胸元に浴びたかのように血が付着していた為、当然ヘイゼルの目にも止まった。
「……これは、…………あいつらの――――」
――
「っ、こりゃひでえ。ルカ、レン……!大丈夫か!?」
現場に駆けつけたティールは、その現場の悲惨さに顔を顰めた。
ルカの首から上と胴体は数メートル程離れており、切り傷から滝のように血液が溢れていた。これは、完全に即死だろう。
「…………っ、が、あ」
「っ、レン!生きてるか!?」
「……あぅ……ぁ……」
しかし、もう片方の彼には辛うじて息があるようで、血の溢れる喉元を抑えながら血走った目でティールの方に手を伸ばしていた。
「待ってろ、今助ける」
ティールは全身から魔力を手に流し、それを体内で傷口を修復する効果のある治癒魔法に変換し、瀕死のレンの体に流し込む。
彼女の手から流れた魔力が翠色の輝きを放ちながら、彼の喉元に吸い込まれるようにして入っていく。
「……っ、痛みが……」
「治療した。簡単にだから激しく動けばまた開くぞ。……何があった?」
レンは傷口の塞がった喉元をペタペタと触り、驚いた様子で目をパチクリさせた。しかし、背後に転がっているルカの死体を見て顔を青ざめさせ、胃から込み上げてくる内容物を必死に抑え込んでいた。
「あいつは……、治せないですか」
「完全に事切れてる。俺の治癒魔法はそんな万能じゃないんだ……」
ティールは苦虫をかみ潰したような表情を浮かべる。
「……そうですか。すんません、無理言って」
「気にすんな。皆同じ事言うだろうし」
「……外套を被った女の子が来たんですよ。俺たちは身分証の確認をしようとしたんですが、切りつけられて、このザマです」
レンは唇を噛み締めた。
「外套を被った女の子?……特徴は分かるか?」
「一瞬だけ、見えたのなら。真っ青な髪でした」
「……っ。ウゥルカーナじゃ、ない……?」
ウゥルカーナであるならば、燃えるような赤い髪のはずだ。それに彼女が使っていたのは、巨大な鎚。切り裂かれたというのなら、彼女でない可能性が大きくなってくる。
「……ティールさん、そういえば何でここに?どうして俺たちが襲われたって知ってるんですか?」
「お前と交代するはずの門番が俺ん所来て、教えてくれたんだよ。お前たちが襲われてるってな。……今、お前らの上官の所に向かってるはずだけど……」
その言葉を聞いて、レンが眉を顰めた。
「……俺たち、確かに交代ではあるんですけど、まだ少し先ですよ。一時間はあります。……なんでそいつはここに……?」
「……?」
「誰か覚えてませんか?」
「……いや、俺も知らない顔だった。流石に全員の門番の顔を把握してる訳じゃないし…………」
その時、視界の端にルカの死体が映りこんだ。
首が飛ばされ、既に息絶えた死体。しかし、その姿にはどこか違和感があった。
「……レン、なんでルカのやつは鎧を着てないんだ……?」
「はい?流石にあいつでも鎧くらいはいつも着てるは、ず……」
そう言って振り返ったレンも、鎧を剥がされ血で滲んだ布の服を身に纏った彼の死体を見て、思わず声を失った。
「な、なんで……」
「……っ。やられた……!レン!走れるか!?」
「だ、大丈夫ですけど、何なんですか!?」
「……俺が会ったあの門番……。あいつが犯人だ。あいつがルカの鎧を剥ぎ取って門番のフリをしてたんだ。クソッ、何で気づかなかった……」
ティールは悪態を付き、舌打ちをした。
「ヘイゼルが危ない!掴まれ、飛ばすぞ!!」
「は?え、はあ!?」
半ば乱暴にレンの手首を鷲掴み、ティールは地面を蹴って一気に加速する。
とんだ失敗だ、よりによってヘイゼルと二人っきりの状態にしてしまうなんて。一振である程度の護身が出来る相手の首を落とすような奴だぞ、そんな奴と一緒にいてヘイゼルが生き残れる保証はない。
人混みを縫って、ティールとレンは夜道を走る。
「俺のバカが!ちくしょう!!」
一秒を争う事態に、ティールはグングンと加速しレンも腕を引かれながら何とかそれに着いていく。
場所もハッキリとわかっている訳では無い。そんな状態で、彼女を見つけ出すことは出来るのだろうか――――。