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スライムダンジョンの主

次の日、ライトは朝早くからスライムダンジョンへ来ていた。大学は自主休講といった感じだ。一気に第九階層まで降りると深呼吸をする。ここからは、話しにしか聞かない第十階層だ。罠対策も完璧だと良いのだが・・・。


第十階層に降りると早速罠が発動した。天井から槍の罠が襲い掛かってきたのだ。槍は一定の高さまで下りてきては、上に戻っていくタイプだった。


ガコンと音がして、頭の鉄装備に当たったが、肩の辺りまでは落ちて来ないようだった。


「よしっ!これならいける」


両手盾で前後を守ったかと思えば、左右を守ったり、確かにこのダンジョンは攻略しにくかった。だがそれも、パーティーで考えた時である。ソロプレイヤーならヒーラー役を守ったり、斧使いの攻撃一辺倒になることもないので、より簡単に攻略に取り組むことが出来た。


ある程度進むと、リザードマンがやってきた。これも攻略を阻む存在になっていた。何せ攻撃を一方的に与えられるスライムと違って、リザードマンは知性を兼ね揃えている。剣と盾を装備したリザードマンが飛び掛かってきた。お世辞にも切れ味が良いとは言えない剣と、木のボロボロの盾を装備しているようだ。


「シールドバッシュ」

左手の盾でリザードマンの剣を押し退けると、右手の盾で攻撃した。見事に決まりリザードマンは一撃死した。


「思ったより軟らかくて助かる」

思った以上にリザードマンが弱くて、安心した。実際はもっと手こずると思っていたのだ。


こんな感じでダンジョン攻略は進み、第十五階層までやってきていた。途中電気の罠があって焦ったが、何とか避けて来れた。そして第十六階層、ラスボスと思わしきスライムがいた。そのスライムは黒く光沢を放っている。


いきなり、その黒いスライムは攻撃を放ってきた。今までのスライムと違い、壁まで直進などの無駄な動きはしないようだ。ただ、侵入者である俺ライトを撃退させようとしてくる。あらゆる角度から狙ってくるので両手盾が必須になっている。しかしこのままでは埒が明かない。


盾の先端から円形の刃を出す。そのまま向かってくる黒いスライムに刃をぶつける。そうすると、黒いスライムから体液が溢れる。黒いスライムもそれで怯んだようだった。そしてブラックスライム表示され、ステータスが分かるようになった。


ブラックスライム

スライム界のナンバー2。非常に攻撃的である。その体液は美味しい味がする。

攻撃力50


鑑定の力もあって、補足まで分かった。体液を撒き散らしながらやってきたブラックスライムの体液を舐めてみる。


「こ、これは、美味しい!」


ブラックチョコレートにブランデーの味がした。こんなに美味しいなら、体液を撒き散らせるのは得策ではない。さっさと倒して回収しないといけない。


「シールドバッシュ」


今度は切り裂いた場所に、シールドバッシュを当ててみる。予想通り切り傷が大きくなり、ブラックスライムは瀕死の状態になった。


すかさず、詰め寄り料理人のスキルを発動させる。ブラックスライムを一口大にカットする。これでボス戦は終了した。出てきたお宝はブラックスライムのチョコレート(箱詰め)だった。


二階層戻りスライムダンジョンを出る。これでスライムダンジョンは消滅した。低階層のダンジョンクリアの証明にシルバーのスターが胸元につく。


今回の戦闘で得た金額は700シルバーだった。道中出てきたリザードマンを丁寧に倒していたから、この値段には納得だ。


明日はエマにチョコレートをお裾分けしに行こうと決める。同時に、管理センターへ行ってスライムダンジョンを攻略したことを報告しなければいけないな、という気持ちになる。若干憂鬱な気分だ。何故ならこの辺は田舎であり、英雄扱いされるかもしれないからだ。実に面倒くさい。


700シルバーの行方は両親に200シルバー渡して、残りは装備を更新するための貯金にすることにした。

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