サラマンダーダンジョン攻略
午前中の講義から始まる。それは相手の武器を尊重するという内容だった。
「火属性の二学年生だけでも、色々な武器を使う仲間達がいるな」
イチカ先生が一呼吸する。
「だが、どんな武器も一長一短だ。攻めに長けているものもあれば、守りに長けている武器もある。バランスの良い武器構成もあるな」
「はい」
「時には攻めに重点を置いていると思ったら、守りに重点を置いていたり、守り重視かと思えば、攻撃重視だったりと、その人その人の個性が出るものだ。ライトなんかは良い例だ。両手盾で守り重視かと思えば、攻撃的なスタイルを確立している」
「ありがとうございます」
ライトがイチカ先生にお礼を言う。
「だからこそ相手の武器を舐めてはいけない。嘲笑ってはいけない。もう既にこの事を実践練習から学んだものもいると思う」
チラリとライトは、タツノリの方を見る。タツノリは、ばつの悪そうな顔をしていた。それはそうである。あそこまでライトの両手盾を笑っていたのに、自分は完敗し、いまだに勝てていないのだから当然だ。
「かといって、無理に自分の戦闘スタイルを変える必要はない。特にモーニングスターは攻撃重視が確立されたスタイルだからだ」
ミチタカの方を見ると、しっかりと頷きながら聞いている。モーニングスター使いとして思うことがあるのだろう。
午後からは自由時間になったので、サラマンダーのみんなに管理センターへ行くことを提案した。ところが、この前レンが見つけてきた低階層ダンジョンへ行きたいという声が多数派だった。それなら仕方ないとレンに着いていくことに決めた。
レンの見つけてきた低階層ダンジョンに着いた。ダンジョンの横の看板で低階層ダンジョンか分かる。今回は青なので、低階層ダンジョンだと分かった。ハヤトを筆頭にダンジョンへ足を踏み入れる。岩が多くて、地属性のモンスターがいそうなイメージだ。やはりというべきか、ブロックと呼ばれる低レベルモンスターが出てきた。人鑑定を使うと、
ブロック レベル1 突進
と表記された情報が出てきた。
「ここは任せて」
ミチタカがモーニングスターを振り回してブロックを倒した。
「ここら辺は僕とライトの出番だね」
とミチタカが言ってくる。
「おう」
とライトも応える。
九階層まではブロックしか出てこなかった。おかげでライトは、シールドプッシュを使って、攻撃に専念出来た。
十階層からは、そう簡単には行かないだろう。各々、小さな炎の塊を作って、融合させた炎が頭上にある。
新しく現れたモンスターは火属性に強いロックシャークだった。岩のなかを泳いでいる。みんなで作った炎の塊が効かない。青白い炎にすれば、流石に効くとは思うが、そこまですると魔力切れになるのに、そう時間はかからないのだ。だからこそ、ここはライトとミチタカの独壇場だった。
人鑑定を行うと、
ロックシャーク レベル5 噛みつき
と出てきた。この情報をみんなに共有する。
「こいつはロックシャーク。レベル5。噛みつきが攻撃方法だ」
「了解」
そう返事をしながら、モーニングスターの一撃でロックシャークを倒すミチタカ。
俺も負けていられないな、と思いながら次に現れたロックシャークに
「シールドプッシュ」
で岩の中から押し出して、再度、シールドプッシュで息の根を止めていた。
そしてボス部屋前
「ここのボスは火属性に強いかもしれないが、いざというときは青白い炎を使っても良いし、こっちにはミチタカとライトがいる。なんとかなるさ。さあ行こう!」
ハヤトの鼓舞で士気が高まったままボス戦に突入する。
ボスに人鑑定をすると、超合金ブロックと出た。レベル20、ロケットパンチだそうだ。すぐに情報共有する。
「ロケットパンチに気をつけよう!」
ミチタカがモーニングスターでロケットパンチを粉々にする。俺もとシールドバッシュでロケットパンチを弾くがほんの少し壊しただけで、ほとんど意味はなかった。
「頑張れー、ミチタカ」
唯一の希望になったミチタカがモーニングスターで無双する。
だが本体は少しでも弱めておこうと、ミチタカを除いた四人が青白い炎で本体を包み込む。すると、本体はなす術もなく崩れ去った。
「よっしゃあ、俺達の勝利だ」
タツノリが興奮して騒いでいる。
戦利品は合成金属だった。このまま使うものなのか、それとも、熱して金属別にしてから使うのかは分からないが、結構良いものだと思う。
「この合成金属はオークションにかけようと思う。みんなはどうだ?」
「仲良く五等分なんだろ。それで良いぜ」
ライトの声に賛成の声が上がる。
「じゃあオークションにかけるってことで決まりだな」
サラマンダーでのダンジョン攻略は上手くいったのだった。




