『ネコライオン』――そうですね、ライオンも猫科でした。
『ネコライオン』
岩合光昭/著
クレヴィス/発行 (2013.8出版)
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お散歩途中に出会う近所の猫さんに振られ続けている私ですが、先日気まぐれなのか、お腹を見せてごろん、してくれまして、思う存分もふもふのお腹を撫で回しました。しあわせ。
ということで、今回も猫本!
こちらは、動物写真家の岩合光昭さんの写真集です。
岩合さんが撮り溜めてきた写真の中からほぼ同じポーズを取るネコとライオンを並べて比較するコンセプトの写真集で、これを見るとなるほど、ライオンも猫科だったね……、と改めて唸ってしまいます。
確か、東京で2013年に同名の写真展が行われていたはずで、おそらくそれに合わせて出版されたものではなかったか、と記憶しています。
残念ながら東京の写真展には行けなかったのですが、後日近所の美術館でも巡回展が行われて、無事写真展で大きな写真で見ることもできました。
他の写真集から転載されているものもあるので、すべて初出というわけではありませんでしたが、それでも改めてライオンと猫、並べると面白い……と思ってしまいます。
ここまで同じポーズをよく見つけてきたなあ、と感心してしまいます。
ちなみに私が好きなのは、屋根から飛び降りようとして落ちる猫と、木から落ちるライオン。
意外と降りるの苦手なのね! という、思わず笑ってしまうページです。
他にも子猫と子ライオン、とかもうかわいくてずっと眺めてしまいます。
癒されるなあ、と溜め息吐いております。
NHKの『世界ネコ歩き』も大好きな番組で、「いいい猫だね~」という穏やかな岩合さんの声に眠気を誘われる癒やし番組なのですが、岩合さんからは動物を引き寄せるフェロモンでも出ているんでしょうか。なんでいるだけであんな猫まみれになれるの。羨ましい。
番組が好きすぎて、番組名で録画をしていたらとにかく再放送やミニ版など、何度も放送してくれるNHKさんのおかげでBlu-rayのレコーダーの容量を圧迫しました。泣く泣くすべてBlu-rayに焼きまして、録画する番組は厳選し、今は落ち着いております。
この本の解説に、国立科学博物館の当時の館長、林良博さんの言葉が収録されています。
その中で、ネコが家畜化されたのはその祖先であるリビアヤマネコと貯蔵穀物の番人としたかった人の利益が一致したから、という説が紹介されていますが、林さんはそれに疑問を呈しています。
『ネコの家畜化の第一歩は、リビアヤマネコの子猫に魅せられたヒトが、その魅力に取りつかれて繁殖を重ねたのではないか。』
と、書かれています。
……そう。絶対私もそう思います。絶対「可愛い!」って連れて来ちゃった人がいたんですよ、最初に。役に立つかどうか、というよりたぶん衝動的に。で、眉をひそめた他の人に「や、役に立つから! ほらほら! ネズミとか取ってるよ!?」とか言い訳する姿が目に浮かぶ……。いや、子猫可愛いよ、そりゃあ、連れてきたくなっちゃうよ?
真相は今となってはわかりませんが、とりあえず、猫可愛い。もう、それで良いのです。
このところ、遠出も人出の多いところも避けていたので美術展や写真展などにもずっと出かけておりません。そろそろまた行きたいなあ、と写真集を眺めなから思う今日この頃です。
お出かけを控えていらっしゃる方にもおすすめの写真集でした。良かったらぜひ、どうぞ。
※『ネコライオン』は写真集なのでお子様でも楽しめると思いますが、児童書でも同じコンセプトの写真絵本があります。お子様向けにはこちらもどうぞ。
『ねことライオン にてる? にてない?』
堀浩/監修 内山晟/写真撮影
ひさかたチャイルド/発行 (2011.7)
「おおきなかがく」シリーズの一冊で、折り畳みの開くページがあり、猫やライオンの実際の大きさもわかるようになっている楽しい科学絵本です。猫やライオンが走っている姿の比較や足の裏の肉球の比較、子猫と子ライオンの実際の大きさなどが写真で紹介されています。写真撮影は動物写真家として有名な内山晟さん。猫やライオンの前足とかしっぽとか可愛い。写真提供のクレジットには「岩合写真事務所」とあるので、岩合さんの写真も使われているのかな。裏表紙のライオンとかはたぶんそうですね。