チャプター51
真夏の体育館は食中毒を誘う?
ボクが花梨先輩の教室をでて、バスケ部の先輩と共に体育館について最初に目にしたのが、黄色い応援団だった。
「きゃぁ〜。ダンク決めてぇ。」
「竜くんこっち向いてぇ。」
高校に入ったばかりで、知名度も低かった竜に、終業式など、周囲に竜のことを教えるイベントがあったため、中学と同じ様に竜の追っかけができてしまったようだ。
「練習の邪魔になるので、ギャラリーから見物をお願いします。あと、体育館は掃除をしているので、体育館シューズの着用をご協力ください。」
「あんた何様よ?部外者はどいていてくれる?」
「ボクはバスケ部のマネージャーです。見物を許可するので、練習の邪魔をしないでいただけますか?」
夏休みに本格的にはいってしまうと、授業もないので見物にこれないだろうと、今日ぐらいは許してあげているんだぞ?さっさとギャラリーに移動しろ。
「なんか、感じ悪ぃ。まさかあんた竜くんのおっかけでマネージャーになったんじゃないの?」
「そうでないとは言い切れませんね。竜はボクの彼氏ですから。まぁ公私混同はしていないつもりですけどね。先輩、唖然としていないでユニフォームに着替えてきてください。ボクもこの人たちを見物席に連れて行ったら、着替えてきますから。」
「はぁ?んなもんここから見てるから良いわよ。あんたもさっさと着替えてきなさいよ。着替えてる間に竜くんのハートはうちらがいとめておいてあげるからさ。」
「はいはい。練習の邪魔になるようでしたら、強制的に退去していただきますので、その点だけはご注意を、それではお言葉に甘えてボクも着替えに行かせてもらいます。」
「ふん。なによ。ちょっとかわいいからって調子に乗ってんじゃないわよ。」
そのあと、ボクが着替えに向かうと、女の子たちはボクの悪口を言いだした。ボクのことを知っている子たちもいたようで、クラスでの出来事についてなども話していた。
「全く、こういう時に耳が良いって損だな。聞かなくてもいいことまで聞こえてきちゃうんだよね。」
着替え終わって体育館に着くと、結局女の子たちの半分以上はその場に居座り、ギャラリーに向かった子もいたようだが、出入口を完全封鎖し、ゴールの側にも数名はみ出ていた。
「川本さん。どうしますか?」
「そうだな。とりあえず、河野と二人でどかしてきてくれるか?マネージャーの仕事はそれが終わってからでいいよ。」
「ボールとかほとんどみんなが出してくれたので、ボクの仕事ありませんよ。片づけの時は手伝いますね。」
「良いんだよ。昨日あんな大きな事故があったのに、良く来てくれたね。本当にみんな感謝してるんだから、これくらいはさせてくれないとね。」
「いえいえ、怪我も用事も無いのに休むわけにはいきませんよ。昨日休ませていただいたお礼に、これ、クッキーを焼いて来たので、あとで皆さんで食べてください。」
川本さんは、二年生のエースで、夏の大会後には部長になるだろうといわれている人物だ。実際既に二年生以下の部員は彼を中心に動いている。
チームのリーダー的資質をもっているので、彼からの指示を基準に動けば問題ない。マネージャーは三年生の人とボクの二人しかいないので、ボクの仕事も彼から依頼されることが多い。
川本さんにみんなの分のクッキーも渡したので、ボクは先ほど一緒に来た先輩と女の子たちの排除にかかる。
「さて、ボク一人の意見ではなく、他の人たちも迷惑を受けていることをしっかり認知したので、強制的に排除しましょうか。」
「秋ちゃんって普段は天使みたいに可愛いのに、今は小悪魔みたいに見えるよ。」
「なんでそこで小悪魔なんですか?もっと残忍な雰囲気の方が威圧感があっていいとおもうんですが?」
「いやぁ、その可愛さで小悪魔以上は無理でしょ。」
「う、そのうち美人になって見せます。」
「いや、悪い意味でいったわけじゃないんだよ?」
「え???」
容姿が幼いといわれた気がしたのだが、とにかく、そんなことを気にしている場合ではない。今は一刻も早くバスケ部の練習をするために、このゴール前で群がっている女の子たちをギャラリーに移動させなければならない。
「みなさん。先輩たちから邪魔になっているとの報告を受けましたので、ここにいる人は見学を許可できません。申し訳ないのですが、お帰りいただくか、今すぐギャラリーに移動してください。」
「ちょっと、あんたさっきから偉そうに言ってるけど、どこが邪魔になってるのよ。あんたが勝手に言ってるだけじゃないの?」
ボクの話を聞いていたのかな?聞いていなかったんだろうな。今だって反対側のゴール前で準備運動を始めた竜たちに目線がいって、ボクの顔なんて見ようともしない。
体育館の中に入っている子は、全部で5人、他の子はギリギリ体育館の外で様子をうかがっている。そのことを確認すると、先輩にお願いをする。
「先輩、合図をしたら扉閉めてもらえますか?」
「え?扉?」
「この一枚くらい閉めても暑くて死んじゃうわけでもありませんし、締め出されても見学したいなら、流石にギャラリーに言ってくれると思いますので。」
ボクはそう言うと、一番近くにいた子の背後に回ると、さっと体を抱くと、扉の外に移動しておろした。一瞬の浮遊感のあと下ろされたのは体育館の外でその女の子も唖然としている。
そのチャンスを逃さずに、残り二名ほど扉の外に連れ出すと、流石に向こうもボクが何をしたのか分かったらしく、急いで体育館の中に戻ろうとしだす。
まぁ最後に残った二名を外に連れ出して、先輩が扉を閉めた方が早かったのだが。
「ちょっと、あんたいきなり何すんのよ!!」
「皆さんが忠告を聞いてくださらなかったので、強制的に一旦出ていただきました。みなさんが陣取っていたゴール下も練習に使うので、練習が見たい人はギャラリーに移動してください。」
あくまで、マネージャーとして当然のことをしたという態度を崩さない。ここで喧嘩腰になったり、なだめようと余計なことを言うよりも、その方が相手に反論しにくくさせる。
「あんたね。こんだけの人数を敵に回して平気なわけ?」
「敵対したつもりはありません。ただ、選手の方から、練習の邪魔になると報告を受けたので、移動してもらうようにお願いに来ただけです。」
先ほどから、ボクに話しかけてくるのはこの目の前にいる女の子だけだ。他の子はボクのことを睨みつけるだけで何も言ってこない。
「それでは、ボクはマネージャーの仕事があるので、これで失礼します。今度練習の邪魔をなさったら、見学も許可できなくなってしまうので、御注意ください。」
ボクは言いたいことだけいって体育館に戻っていく。閉められた扉ではなく、正面にぐるりと回って入らなければならない。
「面倒だなぁ。でも、ボクのファンクラブもああして誰かがストップ掛けてくれてるんだよね。ボクも浩太を見習わなくっちゃね。」
浩太のように友好的にすることはできなかったが、今度からはきちんと話し合って解決をしよう。
「おかえり、すごい手際だったね。そんなに上田のことを他の女の子が見てるのが嫌だったかい?」
「ちょま。ボクは嫉妬であんなことをしたわけではありません。」
「ふ〜ん。秋ちゃんなら、もっと穏便に済ませることができたとおもうんだけどなぁ。」
「そ、そんなことありませんよ。り、竜のためにそんなことボクがするなら、公私混同じゃないですか。」
「まぁ、確かにそうなんだけど、普段の秋ちゃんを見てると、もうちょっと公私混同してもいいと思うんだけどね。」
「それはできません。バスケ部の一員なんですから、みんな平等に扱うのは当然です。それに、実際ボクは登下校など公私混同しているところもありますから。」
「まぁいいや。秋ちゃんが上田といちゃついているところなんて見たいとも思わないしね。」
ボクだってみんなの前で竜と仲良くしているところなんて恥ずかし過ぎて絶対に見せられない。司たちにもそっけなさ過ぎるといわれ続けているが、これは変えるつもりはない。
練習が本格的に始まると、レギュラー陣は真剣な顔つきになる。今日はギャラリーがいるのだが、夏大会も近いので集中しているのかもしれ・・・
女の子の黄色い声に手を振っている先輩たちもいた。というか、彼女持ちの先輩以外ほとんどの人がニヤケている。まぁ、やる気が出ているのはいいのだが、女の子たちに良い所を見せようといった雰囲気がある。
「河野先輩、あんまり女の子の方ばかり見て練習に集中していない。」
「あら?そんなところまでマネージャーノートに書き込んでるの?」
「あ、はい。試合中に女の子がいたら集中できないと困るかもしれないじゃないですか。」
「流石にそれはないと思うわ。試合になればみんなそれに集中するものよ。」
マネージャーの先輩に笑われてしまったが、ボクだってこれを中心に考えるわけではないので、一緒に笑ってしまう。もう三年生の彼女は、この夏大会で先輩たちと一緒に引退してしまうので、今後一人でマネージャーをするボクに色々なことを教えてくれた。
「お疲れ様です。片づけの前に、クッキーを焼いて来たので食べてください。運動して足りなくなった糖分と水分を補給したら片づけを手伝ってください。」
練習が終わると、ボクはキャプテンの許可も得たので、クッキーを全員に配り、牛乳を用意すると、片づけに向かう。
「本当に色々なところに気が付くし、良い子よね。蟹津さんが私の後を継いでくれるなら心配はいらないわね。」
「ひょっとしたら既にお前よりも部のことを知ってるかもしれないな。」
「確かにそうかもしれないわね。今日のマネージャーノート見てよ。こんな細かい所までチェックしてるのよ。」
「先輩、キャプテンも、ボクのノート見てないで片づけ手伝ってくださいよ。」
先輩は部長と付き合っている。というか、大体エースの子かキャプテンの子とマネージャーが付き合うというバスケ部のジンクスがあるらしく、それでボクが竜と付き合っていても周りの先輩たちも普通に納得しているらしい。
「蟹津さんも自分で作ってきたものなんだから、食べないの?すっごく美味しいわよ。」
「ありがとうございます。じゃあ、この器具だけ片づけたらボクも休憩します。」
ボールを片づけて、テーピングセットなども、もう使わないのであとはこの練習用の器具を片づけたら、モップをかけて今みんなが飲んでいる牛乳やクッキーの袋を回収するだけだ。ボクはこれだけ片づけたらあとはみんなにやってもらうつもりだった。
「本当に良く働くわよね。みんな暑さでバテバテなのに。」
先輩が労ってくれたが、暑さはそんなに気にならない。それよりも先ほどからギャラリーで見ていた子たちが練習終了と同時に下に降りてきたり、選手の子たちと接触を持とうとしてくる方がボクにとっては疲れる。
先ほどボクに対してケンカ腰に話してきた子も竜に駆け寄っている。確かあの子は竜と同じクラスの子だったはずだ。バスケのルールも知らないのに応援していたらしく、会話は支離滅裂だった。
「お疲れ様、クッキーと牛乳よ。とっても美味しいわよ。」
「ありがとうございます。ってボクが作ったのに何故か先輩にもらったような感じになっているのは何でですか?」
「うふふ、蟹津さんは本当に面白い子ね。」
「さっきは良く働く子で今度は面白い子ですか?ボクの評価はどっちが正しいんですか?」
「どっちも誉め言葉のつもりよ。」
マネージャー同士のコミュニケーションをとりながらボクは牛乳を飲んでクッキーを食べる。自分で作ったのもなのでクッキーに関しては問題なかったのだが、牛乳は片づけをしている間ずっと体育館の暑い場所でおかれていたためちょっとヤバい味がした。
「この牛乳・・・」
『はじめまして、蟹津秋さん。私は鬼人の未緒と申します。』
『はじめまして、でも、ボクには前世の記憶があるから、未緒さんのことは知っているからかしこまらないでもらえませんか?ボクのことも鬼人の皆さんは注目しているから結構しられてるんですよね?』
『はい。あなたのデータは私のところにも渡され、高校周辺であなたが臨死体験をする場合私が出ることになっております。』
『そうなんだ。再転前とはずいぶん違うんだね。再転前はここも洋司さんの管轄だったからね。』
『洋司様は当時極東管理官でいらっしゃいましたので、しかし、今は保存の鬼人としてのお仕事もあるので、こうして私がサポートをするように指示が出ております。』
『そうなんだ。でもそれって本当なの?むしろ、ボクと会うのを洋司さんが避けただけなんじゃ?』
『洋司様が秋さんを避ける理由がありません。』
『そうかな?だったら、なんで霞さんじゃなくて未緒さんなの?本来洋司さんのサポート役は霞さんのはずでしょ?』
『そ、それは・・・』
『あ、ごめんね。ちょっと現実世界で嫌なことがあったもんだから、未緒さんに当たっちゃったかも・・・。未緒さんは上から命令されているだけで、ボクにどこまで話していいのか分からないもんね。今からはのんびり昔の話でもしよ?』
『申し訳ありません。私に与えられている権限の限りご協力するようにと言われているのですが。』
『もう、相変わらず未緒さんは堅いんだから。』
そのあと、ボクは再転前未緒さんがどんなことをボクにしてくれたのかを話した。現世での記憶はまだ完全に回復していないが、こうして冥界に来ると記憶の糸が綺麗に残っていることから、こうして冥界と接触することは前世の記憶を呼び戻すことにもなるらしい。
さらに言うなら、洋司さんが以前教えてくれたように臨死体験を重ねて魂の結合がはっきりしてくれば完璧人間になっていくようだ。
『私が昔そんなことを?私は再転の儀式で完全に以前の状態に戻ってしまったのでわかりませんが、以前の秋さんとの関係もとっても楽しそうですね。』
『楽しいなんて言わないでよ。ボクが未緒さんに会うためには死ぬような思いをしなきゃいけないんだから。』
『そうでしたね。私としたことが申し訳ありません。』
『気にしなくてもいいよ。霞さんなんてもっと酷いんだから。あ、それよりも時間大丈夫かな?ボクって結構早く回復するようになったはずだけど?』
『はい。しかし、秋さんを担当するために記憶の操作の特別訓練を受けてきておりますので、時間ギリギリまで大丈夫ですので。』
『そっか、前の再転の時もそう言えば未緒さんの技術はすごかったもんね。でも、流石に一秒前は無茶だったよ。確かあの時は微妙に残っちゃって次の臨死体験の時にめちゃめちゃ謝られたんだから。』
『え?じゃ、じゃあそろそろ始めましょうか。記憶が残るのはあまり良い事とは言えませんからね。』
『今回もそんなギリギリにするつもりだったの?時間にきっちりしてるのは良いんだけど、不確定要素は考えてね。』
未緒さんはあわてて記憶を操作すると、結局20秒もたたずに現世へと帰る時間だったようだ。本当に1秒前にする気だったかもしれない。
「ちょま。人工呼吸は必要無いですから。先輩やめてください!!」
「うわ!!」
ボクが起きると、竜の顔が目の前に迫ってきていた。急いで顔をそらして、真っ赤になりながらも文句を言う。
「ちょっと、乙女の唇をそんな簡単に奪おうとしないでよ。」
「すまん、先輩が。」
「蟹津さんもう起きちゃったの?眠れる森の美女は王子様のキスで目覚めるのが普通なのよ。もう少し寝てていいから、さぁ、上田君。ブチュッと。」
そんないい笑顔で恐ろしいことを言わないでください。こんな大衆の面前でそんなことできません。
「ところで、今回はどうしたんや?何も事故とかあったわけやないんやろ?突然倒れたって先輩も言うとったけど?」
「牛乳に当たったかな?」
「ちょま。それめっちゃきっついな。」
「ところで、そろそろどいてくれないかな?そこにいられると、ボク起き上がれ無いんだけど。」
「先輩が頭を話してくれやんと俺も動けへんのや。ってかキャプテンも手離してくださいよ。」
「上田って柔道経験者だろ?俺が離したら逃げ出すじゃないか?」
「逃げるとかじゃなくって、じゃあ、秋のこと保健室に連れて行くんで離してもらえませんか?」
「なるほど、流石にみんなの前ではキスもしにくいわよね。仕方がないからそれで許してあげるわ。」
先輩はそう言って竜の拘束を離し、部長さんも手を離したようだ。これでボクも動けると思ったら、手を解放された竜にそのまま横抱きに抱えられてしまった。
「ちょま。キスよりある意味恥ずかしいから。おろして、ボクは自分で歩ける。」
「無理。きちんと確保しとかんと、保健室行った振りして部活の片づけが気になるからもどろうとか言うのが落ちやからな。これで保健室まで逃げれへんやろ?」
「う・・・」
竜は鈍感なキャラなはずなのに、なんでこんなところお見通しかな?って、小学校から一緒にいるんだもんこれくらい分かって当然か。ボクって解り易いらしいしね。
そのまま竜に連れられて保健室に行くと、夏休み前にもかかわらず担当の先生がいてもう少しで帰るところだった。
「ごめんなさい。ボクのせいで帰りが遅れてしまい。」
「そんなの気にしなくていいのよ。夏休み前で浮かれて怪我をしたりする子がいるから残ってたんだけど、まさかバスケ部のマネージャーが食中毒で運び込まれるとわね。」
「お恥ずかしい限りです。」
「そんなかしこまらなくていいわ。あなたまだ一年生だけど、何度も保健室にはくることになるんだから、気さくに話しかけてくれてもいいわよ。」
「えっと、何でボクは何度も訪れることになるのでしょうか?」
「あら?これでもう三度目よ?」
「一回は応急セットをいただいただけで、保健室には来ていません。」
「まぁ確かにその通りね。それにしても、こんなに頻繁にそれも大きな事故に巻き込まれる子も珍しいわ。昨日の校門の事故でもあなたが関係していたって聞いたけど?」
「耳が早いですね。そうですね。もう夕方だったので、保健室ではなく病院に行きましたが、時間次第では保健室にあの時も来ることになったかもしれませんね。」
「何かストーカーとか、気になることがあるんじゃない?先生はそういった相談にも乗るから、何かあったら相談に来てね。あんまりできることは多くないかもしれないけど、秘密は絶対に守るし、相談するだけでも違うことがあるわ。」
「ありがとうございます。じゃあ、ストーカーは実際いるので、被害が出だしたら先生に報告に来ますね。今のところ何にも害がないので大丈夫ですけどね。」
「さらっと、言ったわね。まぁいいわ。私の名前は石川雪よ。呼び方は、雪ちゃんでもゆっこちゃんでも好きに呼んで良いわよ。」
「じゃあ、雪先生でお願いします。流石に35の女性にゆっこちゃんは恥ずかしいです。」
「な、何で年齢を?は、あなたさっきの聴いてないわよね?」
「えっと、35歳なんですか?とても見えませんね。」
「う・・・いいこと?このことはみんなには内緒よ?内緒にしてくれたら先生もあなたたちの秘密を絶対にバラさないわ。」
「保健室の先生なんですから、生徒の情報を飲み会で話したりはやめてくださいね。まぁ、ボクらは先生の味方なので秘密にしておきますよ。」
「そ、そう。あなたとは後でゆっくり話す必要がありそうね。」
雪先生の顔が引きつったが、とりあえずお腹の薬をもらうと、竜には秘密を守るようにだけいって先に帰ってもらった。
そのあと、二人の女性どおしの秘密の会話が続き、帰れるようになったのは、荷物などを竜が持ってきてくれた一時間後のことだった。
車を避けられる秋が牛乳にノックアウトされました。
今回のテーマは〜洋司さんの秘密〜です。もちろん臨死体験について書いたのですが、臨死体験は今後どんどん、核心に触れて行くことになります。思春期?の少女が鬼人とどのように接していくのかを描けていけたらと思っています。
洋司さんの秘密と書きながら未緒さんに登場してもらったのは、決して未緒さんの出番がないことに対して危惧したからではありません。洋司さんを出さないための手法で会って未緒さんに久しぶりに会いたくなったさみしがり屋の作者がいるわけで決してないのです。
みなさんここまで読んでくださいまして、本当にありがとうございました。