チャプター42
優花の暴走
「ええ〜??お兄ちゃんがボクに嘘をつくなんてぇ。」
秋が武満に対して、奇声をあげたのは、今日友達を呼ぶから、車を出してくれるように頼んでいたのだが、真美子とのデートがあることを忘れており、朝のこんな時間にも関わらず、キャンセルをしたからだ。
「わかった。ちょっと待ってね。」
そう言うと、秋はケータイを開き、メールを打ちだす。この春買ったばかりで、使い始めたばかりとは思えない速度で親指を動かすと、メールが終わったのか、ケータイを閉じる。
「ボクとの約束を破ったことを後悔させてあげるね♪」
「悪かったって、真美子との約束が入っているのを忘れてたんだから仕方ないだろ?」
「仕方がないと思うのは武兄ちゃんだけだよ。さぁ、朝ご飯食べましょ。早く食べないと抜きになるよ?」
そう言って、秋は朝食を食卓に並べると、自分も席に着いた。今日は休日なので、家族みんなで揃ってご飯を食べる。
これは利也のこだわりだ。平日の朝は出かける時間がみんな違うので、それぞれ順番にご飯を食べるが、休日や夕飯などは、できる限りテーブルを囲んでたべるようにしている。
「いただきます。」
武満も、事情をつかめていないが、秋が作ったご飯を食べだす。お味噌汁、鮭、漬物といった純和食の料理に家族が箸を伸ばす。
ピ〜ン♪ポ〜ン♪
朝早くから、来客のようだ。普段なら率先して向かう秋が不機嫌なため、武満は食べかけのごはんを置いて、玄関に向かう。
『全く、武兄ちゃんは、新聞の料金くらいお金もって出て行かないと、ご飯食べられなくなっちゃうわよ。えへ。』
武満が玄関を開けると、新聞の料金の徴収で、お財布を取りに戻って、払い終わると、武満はもう一度、ご飯を食べようと、席に着いた。
ピ〜ン♪ポ〜ン♪
「今日は、やけに多いな。」
武満は疑問に感じながらも、もう一度玄関に向かうと・・・
「おはよう武ちゃん♪」
「真美子!?迎えに行くから、家で待っていればよかったのに。」
「あら?迎えに行くのは、秋ちゃんの友人じゃないの?」
「まさか、さっきのメール。」
真美子がケータイを開いて秋からのメールを武満に見せる。
〜今すぐ来てください。武兄ちゃんが真美子さんの約束を破ろうとしています。真美子さんとのデートがあるのに、ボクの友人を迎えにいくと約束しました。一日中付き合ってやるなんて言っていました。〜
「ちょま。なんじゃこりゃ!?」
「待ってほしいのは私よ。武ちゃん?どういうことかしら?」
このあと、武満は、真美子にこってりと絞られ、秋は素知らぬフリでご飯を食べ終わると、片づけを始めた。武満の食べかけの朝食も、ラップをして冷蔵庫にしまってしまった。
「真美子、秋ごめんなさい。許してください。」
朝食まで取り上げられた武満はついに説得をあきらめ、泣き落としにかかった。秋もそれで納得したのか、冷蔵庫から朝食を取り出すと、味噌汁を温めだした。
「真美子さん。朝早くから呼び出してごめんなさい。朝はもう食べました?ボクの作ったのでよかったら食べて行きますか?」
「あらホントに?じゃあ、いただこうかしら。」
武満と真美子は食卓に着くと、秋の作った朝食を食べだし、結局真美子も一緒に遊ぶということで話はまとまった。
「中学以来じゃないかしら?秋ちゃんの友達と一緒に遊ぶなんて?」
「そうですね。今日は司はいませんけど、竜とか知ってる子も来ますよ。」
「そうなんだ。楽しみね。」
「あ、真美子さんに作った浴衣取りに行きませんか?美術部の子が来るので、ボクの作品を見たいって言ってるんです。あの浴衣も是非見せてあげたいんで、真美子さんが良ければ見せてあげたいんです。」
「良いわよ。元々秋ちゃんが作ってくれたものだもの。」
「取りに行くのって・・・」
「もちろん武兄ちゃんが取りに行くんだよ。」
「当然ね。妹と彼女でダブルブッキングしてたんだもの。それくらいしてくれるわよね?」
武満は将来、真美子に逆らえないだろう。というか、蟹津家の親戚筋はみな女性の方が強いのかもしれない。食事のあと、一度真美子さんの浴衣を取りに行き、良い時間になったので、高校に優花、明実、敦を迎えに行く。
三人は同じ中学出身で、高校までは定期があるので電車で来て、そこから秋の家まで武満の車で移動するのだ。竜と和美は、自転車で秋の家に直接来ることになっている。
〜おはよう。ごめんだけど、今日お兄ちゃんとお兄ちゃんの彼女の真美子さんも一緒に遊ぶことになったんだ。いいよね?〜
〜え?年上の人はちょっと・・・〜
〜大丈夫だよ。高校みたいに先輩後輩言うような人たちじゃないから。お兄ちゃんは特に問題ないし、真美子さんは料理上手だから、一緒に特訓できるよ。〜
〜秋がそういうなら仕方無いね。私たちは、電車が高校前の駅に着くわよ。〜
〜了解。時間通りに行けると思うから。〜
迎えに行く車の中で明実とメールのやりとりをする。向こうも遅刻しないで来たみたいなので、問題なさそうだ。
「おはよう。これが武兄ちゃんで、その彼女の真美子さんだよ。」
「「「おはようございます。」」」
「そんな硬くならなくてもいいよ。竜や秋にしょっちゅう足として使われてる兄だけど、よろしくね。」
「武ちゃんは、秋ちゃんのお願いをきちんと断らなきゃだめじゃないの。」
車に乗り込んだ三人に、今日武満や真美子が一緒に遊ぶことになった経緯を説明していると、緊張していたのもほぐれたのか、自然な会話をすることができるようになった。
「今日はあんたの作品みせてくれるんやろ?うちもいくつか写メで撮ってきたよ。」
「ホント?見せて見せて♪」
優花のケータイを見ると、データフォルダの中に様々な絵画があった。優花らしい大胆なものから、繊細なタッチのものまで、いろいろなものに挑戦してたのだろう。しかし、絵画ばかりで、秋が作ったような装飾品や浴衣などといった物はなかった。
「優花って絵が多いんだね。」
「美術部ってそんなもんじゃないの?秋は絵以外を作ってたの?」
「ボクの中学文化部って吹奏楽しかなかったから、自分たちで立ち上げたんだ。そんな経緯もあって、芸術作品なら全部ノンジャンルで作ってたから。」
「へぇ。そういう考え方もあるのね。うちも挑戦してみようかな。」
「家に着いたら色々見せてあげるよ。ところで、この秘密ってフォルダ何?」
データフォルダの中に小分けにされて、丁寧に鍵までかかっているものがあり、秋の興味を惹いた。
「ああ、それはうちと敦の写メとかがはいてるんだよ。暗証番号がわかるなら開いてもいいわよ。」
「ホントに?じゃあ・・・・」
そう言って何か番号を押した秋は真赤になると、ケータイを閉じた。
「ごめん。やっぱりいい。」
「え?」
優花がケータイを確認すると、鍵が外されており、敦との絡みの写メが開かれていた。秋は優花と敦の誕生日くらいの情報なら知っており、ためしに敦の誕生日を入力したら開いてしまったのだ。
「な、なんで開けちゃうのよ!!」
「そんな。ボクは開いてもいいって言ったから・・・。」
「ああ、秋ちゃんには刺激が強かったのね。」
二人して真赤になってしまい、その様子を明実が指摘する。敦は座席の状態的に何が起こったのかあまり理解していない様子だ。
「あんたって竜くんと付き合ってるんでしょ?こういうこと無いの?」
「そんなのあるわけないじゃないか。」
「秋ちゃんと竜くんは清らかな関係だもんね。」
「ま、真美子さん。」
結局そのあと真美子と明実、復活した優花に冷やかされながら蟹津家へと向かった。車の中は武満と敦がいるにも関わらず女の子たちの独壇場となり、恋愛話で盛り上がることになる。
「へぇ。これが秋ちゃんの家かぁ。」
「田舎だから土地は多いからね。」
秋の家は街に住んでいる優花たちの家よりも大きな佇まいとなっていた。秋の家の周りはどこもこんな雰囲気なのでそれほど意識していなかったが、優花たちからしたらちょっとした豪邸のように見えたようだ。
「そんな口開けてないで中に入ろう。」
「上田と長田さん待たなくていいのか?」
敦は二人のことをまだ良く分かっていないようだ。
「ああ、大丈夫だよ。たぶん二人ならボクがいなくても中に勝手に入ってくるからさ。」
「そっか、中学から一緒っていってたもんな。」
「和美は中学からだけど、竜は幼馴染ってやつだから、今さら遠慮なんてしないよ。」
「そうなんだ。あんたと竜くんはそんな関係だったのね。」
「昨日も遠足の時に話したじゃないか。竜と司って子がボクの幼馴染だよ。ずっと一緒にいる心友だったんだ。」
「あ、そう言えばあんまりにも元気だったから忘れてた。あんた大丈夫なの?」
「ああ、大丈夫だよ。あれくらいの怪我すぐ治るって言ったじゃん。」
「いやいや。あれぐらいで済むレベルの怪我じゃなかったから。」
「明実は心配症だなぁ。ボクと仲良くするならもうちょっと覚悟しておいた方がいいよ。そこらへんも部屋でゆっくり話すね。とにかく中に入ろうよ。」
秋に促され、入って行く。武満と真美子はもう既に中に入っており、玄関の前で立ち話をしていた面々も中に入って行く。ところが、秋は突然止まると、先に優花たちを中に入るように促した。
「おかえり〜秋!!」
「ちょっと、私よ。明実よ。」
「ちぇ。やっぱり秋にこの手は通じないか。」
「真奈美ちゃんで慣れたからね。壁一枚くらいならさっちできるようになったよ。」
「それは慣れで、できるものじゃないんじゃない?あんたの話を聞いてるとほんと飽きないわね。」
「竜はまだ?」
「竜くんはまだ来てないわよ。竜くんが来るまでに料理作っちゃいましょうよ。」
先日優花に約束したとおり、今日は料理教室も行う。また、夕ごはんも一緒に作って一日で二回の練習をすることで、優花に慣れてもらう予定だった。
「じゃあ、部屋に荷物とか置いてこようか。優花はエプロン持ってきた?」
「うん。持ってきたよ。」
ぞろぞろと五人でボクの部屋に歩いて行き、部屋に着いた。優花たちは初めて入る秋の部屋に興味深々といった様子だが、荷物を置くと一旦部屋を出た。
「秋の部屋ってなんだかイメージと違って普通だったね。」
「優花の中でどんなイメージを持ってたのか気になるな。」
「オカルトのマニアだったり、あとは筋トレグッズで一杯とか、美術品で飾られているのもありだったかな。」
そんな大量の需要を一つの部屋に求められても困る。実際自分で作ったアクセサリーなどもあるのだが、部屋の一角を使っているのみで、基本的には動物の本や教科書などが入っている本棚と、勉強机、ベッドなどがあるだけで、特に変わったものが置いてあるわけではない。
「オカルトの話は、リアルだから、図書館とか専門のところで調べないと資料がないのよね。あと、柔道止めてから筋トレなんてしたことないわよ。ボクの人体構造は自分でもよく分からないから。美術品とか言われると困るけど、自分で作った作品はまたあとでゆっくり見せるね。」
「おっけ。腹が減っては戦はできぬって言うし、とにかく料理よね。」
「戦ってなによ。優花と違って私たちはただ遊びにきただけなんだから。」
優花の料理に対する意気込みに反して、明実はのんびりとした様子だ。性格も趣味も全く違う二人なのだが、何故仲が良いのだろう。
「優花が料理を覚えてくれたら、私のうちにご飯をたかりに来ることもなくなるわね。」
「そ、それは内緒って言ったじゃん。」
「そうだっけ?ごめんごめん。」
どうやら、料理のできない優花は明実に餌付けされていたらしい。それ以外にも二人が仲良くなった経緯はあるだろうが、後でゆっくり聞くとしよう。
「優花、そのエプロン・・・・」
「えへへ。家にあったのこれしかなかったのよね。小学校の時に作った以来だよ。」
「それにしても、そんなキャラ物エプロンを恥ずかしげもなく着るとは、流石優花だな。蟹津さん。こんな彼女ですが、どうにか料理できるようにしたって。」
「大丈夫だよ。優花は美術部で活動してるなら手先もある程度器用だろうし。あとはやる気次第じゃないかな?」
「手先が器用ねぇ。ある意味器用かもよ。まだ家庭の調理実習を経験していないから秋ちゃんは余裕でいるけど、優花の料理下手を見たら驚くわよ。」
優花の実力を知っている二人からものすごく不穏な響きが届き、嫌な予感がするが、秋はとりあえず優花と二人で台所に立つことにした。
「優花がどれくらいできるのか見るね。今日のお昼はオムライスにするから、とりあえず作ってみよう。」
結果は散々だった。一人前を作りきったところで、秋がストップをかけた。
「優花、料理に興味持ったことないでしょ?いつも手順とか、面倒で聞き流してたんじゃない?さっきから明実が指示出してるのにそれを守って無かったし。」
「え?ああ、うちってどうも苦手なものになるとやる気がでんくって。」
「じゃあさ、今からボクが作るから、それを見ててよ。ついでに、海良中学の美術部は、みんなお菓子作りくらいならできるよ。料理だって芸術の分野だってとある部長が言ったことがきっかけで、文化祭の時に毎年ケーキを焼くからね。」
「とある部長ねぇ。」
そう言って、秋は台所を使えるように片づけると、解説を入れながら作りだす。
「玉ねぎのみじん切りは、優花がやったみたいにいきなり切りだすんじゃなくて、こうやって先に細かくしやすいように縦横に切ってから始めるんだよ。デッサンの時も先にどんな風に描いて行くか決めるでしょ?おおよその目印をつけながら野菜だって切るんだよ。」
そうして、好きな美術のことに絡めて説明して作っていたら、優花はいつもなら飽きて途中で投げ出す大嫌いな料理教室を一通り覚えてしまっていた。
「さ、次は一緒に作ろうか。その前に、武兄ちゃん。さっき優花が作ったのはペコにあげてきて、流石にこれを味見した途端天国って可能性があったから味見もしなくてごめんね。」
「いや、秋の作ったオムライスの横に置かれると、料理に見えないしいいよ。うちもこんな風に作れるかな?」
「大丈夫だと思うよ。優花の本気を見せてあげましょ。」
「いやぁ。さっきも本気だったはずなんだけどな。」
そんなことを言いながらも、秋についてもらって、先ほど教えられたことを、もう一度説明されながら、作っていくと、秋のものよりは劣るものの、かなり美味しそうなオムライスが出来上がった。
「ホントにこれうちがつくったん?秋が実は横で作っててすり替えたんじゃない?」
「なんでそんなことするんだよ。できないこともないけど、優花の腕をみてこれくらいは作れると思ってたからね。」
「あの優花が作ったオムライスがおいしそうだ・・・・」
「坂本くん。彼女が作った料理にその評価はないよ。とにかく味見も兼ねてこれは食べちゃう?」
「ええの?俺もおなかへっとったんやって。」
「竜。いつの間に来てたの?」
「あんたこそ、彼氏に対してその反応はないよ。」
「冗談だって。次はコツも覚えたし、みんなの分一気に作っちゃうから、この二つは味見として、食べてみましょうか。」
「「いただきます♪」」
結果からいえば、どちらのオムライスも美味しかった。材料も同じだし、そこまで違いはなかったのだが、優花のオムライスは敦と明実が驚きながらも大半を敦と竜のお腹の中にいれ、秋の作ったものは、和美が一人占めしようとしたところを周りからスプーンが舞い降りて結局みんなで食べることになった。
「優花、本当においしいよ。優花のことこれからは料理下手なんて言えないね。」
「まさかあの優花がこんな美味しい料理を作ってくれるなんて。」
「二人ともオーバーよ。まぁ、うちが本気を出したらこんなもんよ。」
「調子に乗ってんな。でも、本当に美味しかったぞ。」
敦の言葉に優花はご満悦だ。今まで下手だといわれ続けてきたのが、優花にとって料理を作ることを嫌う原因になっていたのだろう。嫌いじゃなくなった料理は今後伸びて行くに違いない。
「竜くん。知ってた?前世の秋の恋人らしいのよね。あの二人、明実ちゃんは入学して早々助けてるし、優花ちゃんもこうして料理のことで仲良くなってるでしょ?たぶん本当だったと思うのよね。」
「ああ、秋は本当に女の子にもててたんやろうな。」
「それにしても、多すぎよね。」
「せやけど、秋がハーレム作ってたんやないのは分かるで、今の秋を見たらわかるやろ?」
「それは、確かにそうなんだけど、やっぱりそれだけ危険なことが多かったってわけでしょ?どう考えても昨日みたいなことがたくさんあったのよ。」
「う〜ん。でもな、秋から聞いたんやけど、前世の記憶とかもだいぶ甦ってきたらしくって、そうそう問題が起こるとは思えやんぞ?」
「秋一人なら、どんな危険も怖くないわよ。昨日だって北条さんをかばって無かったらきっとよけられたはずよ。」
「そこらへんは、叱ったらないかんな。ほんまに自分のことをもうちょっと大切にしてくれな困るっつの。」
「昨日も心配で寝れなかったんでしょ?遅刻した言い訳はあとで考えておくのね。」
「そんなんいらんわ。秋にどんな言い訳したってばれるんやから正直に心配させるなって言うだけやし。」
「竜くんらしいわ。そうね。その方が秋にとっても良い薬になるかもしれないわ。」
「お〜い。竜、和美。できたよぉ。お昼ごはんにしよう。」
食卓に着くと、先ほどまでなかった。コンソメスープだったり、サラダだったり、色々なメニューが増えていた。
「すごいでしょ。優花に指示出しながら片手間で秋ちゃんが作ってたの。私も料理できると思ってたけど、秋ちゃん見てたらまだまだって思ったわ。」
「毎日作ってたらこんなもんだって。さぁ、温かいうちに食べちゃおう。」
「「いただきます♪」」
武満と真美子も入れた八人は優花と秋が作った料理を食べながら、談笑を始める。武満や真美子に昨日あったことを説明し、みんなで秋のことを心配したり、叱ったりしたが、愛情あふれる言葉と美味しいごはんのおかげで、嫌な気分になった者はいなかった。
「さて、お腹も一杯になって、秋の説教も終わったことだし、部屋に行こうか。」
「なんで、武兄ちゃんが仕切ってるんだよ。」
「まぁまぁ。でも、さっきちらっと見ただけだし、あんたの部屋早くみたいわ。」
「じゃあ、移動しよっか。八人も入るなんて、中学校以来だね。」
「あの時みたいに怪談でも始めるか?」
「真美子さん。助けてぇ。」
そんな会話をしながらも、ボクの部屋に移動となった。
一日前に臨死体験をしているとは思えないほどの和やかな雰囲気ですね。本当は美術品も絡めて優花の暴走にしたかったのですが、長くなりそうだったのでここで一旦カットします。
今回のテーマは〜優花と秋の関係〜です。高校編での優花の存在はとっても大きくなる予定なので、ここで秋と仲良くなってもらう必要がありました。さらに、敦が加わったことが後々大きな影響を与えます。
それでは、42話読んでくださってありがとうございます。