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再転の姫君  作者: 須磨彰
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チャプター39

ついに始動 高校生編の最初です。

もったいぶって一日開けようか悩んだのですが、今まで散々お待たせしたのに渋るのも申し訳ないとおいことで、投稿しちゃいました。

ツンデレクイーン誕生





ボクが高校に入学してから約二か月がたった。中学生の時と違い、大きな学校にたくさんの生徒が学校に来ているため、ボクと竜は同じクラスになることができなかった。



和美は同じクラスになってくれたので、そこまで大きな不幸は起こっていないが、それでも不幸の数は倍増し、入学してまだ二月しかたっていないのに、臨死体験をしてしまった。




その時は屋上から物が落ちてきて、高校で初めて知り合った友人をかばって死にかけ、竜が駆けつけてくれてすぐに意識を取り戻した。しかし、ボクは中学までと違い竜が近くにいない状況が続く中、友人との距離を開けざるを得なくなってしまっていた。



「だからさ。秋ちゃんは心配し過ぎなのよ。クラスの友達と仲良くなれば、自然と不幸も減るんだから、そんな突っぱねないで、仲良くしなさいよ。」



「でも、仲良くなる前に事故でクラスのみんなが怪我したら大変じゃないか。」



「その時は、この前みたいに助けたらいいでしょ?その初めて話した子っていうのは今は仲良くしてるの?」



「えっと・・・」



「お礼を言われて向こうから仲良くなろうとしてきたのを酷いことでも言って突っぱねたのね?」



「ごめんなさい。」



「ダメってわかってるんだったら謝らないできちんと仲良くなりなさいよ。」



「でも、ボクに近付かなければ、危険もないわけだし。」



「秋ちゃんは危険いっぱいじゃないの。そんな消極的なこと言ってないでクラス全員の前で笑顔で仲良くしてね。なんて言えばいいじゃないの。」



「ええ?そんな恥ずかしいことできないよ。」



「全く。そんなんだから鈴や司にツンデレクイーンだなんて言われるのよ。」



「ボクはツンデレじゃないもん。ちょっと恥ずかしがり屋なだけだもん。」



「そういうのも一種のツンデレよ。とにかく、クラス内だけでも仲良くするのよ。そうしなかったら高校に通うのも難しくなるんだから。」



「はぁい。」



ここのところ何度も麻美や鈴たちに叱られっぱなしだ。中学までは司や竜が側にいたので何も怖くなかったのだが、竜はクラスが違うし司においては学校すら違うので、初めて自分一人で友達を作らなくてはならなかった。



「まぁ、最初はバスケ部の人たちの側にいて上手く交友関係増やすしかないわね。」



「うん。クラスにもバスケ部の人がいるから、その人たちと仲良くしてみるよ。」



ボクは中学の時に約束した、バスケ部のマネージャーになった。竜と一緒にいられるし、行き帰りを一緒にできる良い口実となってくれているので、実際マネージャーになってよかった。



「あんまり、仲良くし過ぎないのよ。愛しのナイト様が嫉妬しちゃうわ。」



「はぅ・・・」



電話越しに話していてさえ、麻美にいじめられてしまう。とはいっても、麻美なりに元気づけようとしたのだろう。中学時代のような会話にボクが安心しているのも分かっているんだろう。



「じゃあ、明日も朝練で早いから、またね。」



「おやすみ。」



「おやすみ。」



麻美との電話を切ると、竜からメールが来ていた。



【明日のお弁当は、中華。】



もうちょっと顔文字とか絵文字とか入れられないのかな?


まぁ、竜が凝ったメールをしだしたらそれも笑ってしまうかもしれない。竜は朝練もあるのでお弁当を二つ食べる。そのため、ボクが一つ竜のためにお弁当を作っていくのだ。



「中華か、じゃあ、ご飯はチャーハンにして、おかずには、春巻きと餃子とかにしようかな。野菜たっぷり餃子を久しぶりに作ってあげよっかな。」




朝早く起きて家族全員分の朝食とお弁当を作るようになったのだが、みんな美味しいって食べてくれるので、あまり苦ではない。武兄ちゃんは大学四年生になっているので、お弁当はボクとお父さんと竜の三つだけだけどね。



「お母さん。明日は中華にするから、冷蔵庫の中身確認するね。」



「どうぞ。最近夜しか私作って無いから、とっても助かってるわ。」



「部活で遅くなって、夜は作れないからごめんね。」



「なに言ってるのよ。まだ学生なんだからお母さんにもっと甘えなさい。」



「えへへ。了解しました。」



「高校はどう?友達は増えた?」



「うん。みんな良い人たちだよ。この前事故で助けた子なんてお礼を言ってプレゼントまでくれたんだ。」



そう言って、ケータイのストラップを見せる。実際その子からもらった物だが、一度ゴミ箱に捨てたものを放課後みんなが見ていない時にこっそり拾った。学校ではケータイを出さないようにして突っぱねたことにしている。



「そうなんだ。でも、あんまりそんな理由で友達を増やさないで欲しいわ。竜くんがいてくるとは言え、お母さん心配だもの。」



「了解しました。まぁ、ボク一人なら空から何か降ってくるくらい平気で避けちゃうから安心してよ。」



「女の子がそう言うのも、どうかと思うけど、安全ならそれでいいわ。」



お母さんには微妙に嘘をついたことになるかもしれないが、こうでも言って安心させてあげないと、高校なんか行かなくていいから、となってしまいそうで怖かった。



実際お父さんは女の子なんだから、学校なんて行かなくても良いと言っている。自分は結構良い大学を出ているのだが、古風な考えで女は家庭を守るなんて思っているのかもしれない。
















「おはようさん。」



「おはよう。お弁当餃子とかだけどいい?」



「あのキャベツいっぱい入っとるやつ?」



「うん。竜っていつも肉食だから、野菜弁当にしたんだけど良いかな?」



「ええよ。あれは俺も好きやし、ってか秋の作った弁当はいつもうまいしな。」



竜ってそれがすっごいボクにとって嬉しいってわかって言ってるのかな?わかってないんだろうな。



竜は天然でボクの嬉しい言葉を知っている感じがする。そんな風に言われたら、どれだけ眠たくっても、一生懸命お弁当を作っちゃうじゃないか。



「どうしたんや?」



「ううん。何でもない。それより自転車だって、朝練の一種なんだし、もっと頑張って漕ぎなさいよ。」



「無茶いうなや。スピード出すんはかまへんけど、あんまり無茶したら中学ん時とちゃって荷台に乗ってへんのやから危険やろが。」



「あらら。そう言えばそうだったね。じゃあ、ゆっくり漕いでね。」



「調子のええやっちゃな。」



「いいの。」




今は朝と帰りの時が一番楽しいかもしれない。竜に構ってもらえるし、竜と一緒なら危険なことが起こる確率が減るので安心していられる。











「おはよう。秋ちゃん!!」



「いつも、がんばるね。」



「おはようございます。先輩たちも朝練がんばってください。」



体育館に到着した。入学当初はあまり朝練に参加する人はいなかったのだが、なぜか最近ほぼ全員の人が参加するようになった。そんな人たちの練習を観察しながら、マネージャーノートを書きこんだり、夕方の準備をしたりしておく。



「秋ちゃん。週末練習休みらしんんだけど、みんなでどこかに行かない?」



「ええ?ボク週末実は予定が入ってて。ごめんなさい。」



「上田がそんな距離から、シュート外すなんて珍しいな。」



「すみません。ちょっとまだ寝ぼけとるみたいです。」



馬鹿竜。相変わらずバレバレだ。先輩も竜とボクがデートに行くことを知っていてボクに話しかけたのかもしれない。


バスケ部には二人の関係は、帰りや行きの様子が目撃されており、この二か月で竜の正直な性格もあってバレてしまった。それでも、高校生だからか、周りは認めてくれて、案外良好な関係が続いている。



まぁ、入ってすぐは先輩から地獄のようなシゴキを竜が受けていたが、二か月もたつと、雰囲気が和らいできた。



「竜には、もったいないよな。秋ちゃんこんなに可愛くていい子なのになぁ。」



「先輩。ボクはそんなにいい子じゃありませんよ。クラスでも・・・」



「ああ、そうだったな。坂本〜。ちょっと練習しなくていいからこっち来い。」



「先輩。練習ちゃんとしてくださいよ。」



「俺は良いんだよ。どうせレギュラーじゃねえんだしな。」



「じゃあ、何で朝練来てるんですか?」



「当然、秋ちゃんを見るためでしょ。仲良くしといて、上田と別れたら俺と付き合ってくれよ。」



「竜と別れたらですね。じゃあ、竜にそう言っておきますね。」



「秋ちゃんから、上田を振って、俺の彼女になってくれてもいいんだぜ。」



こんな会話をしていると、竜のシュート練習ははかどらないらしい。さっきからはずしてばかりだ。



「ボクは今は、竜を振る気はありませんよ。浮気でもされたら考えておきます。」



「だってさぁ。上田。浮気しろ。」



「簡便してくださいよ。」




そんな会話を先輩としていると、呼ばれて放置されていた坂本君が会話に入ってきた。



「あの、先輩。俺なんで呼ばれたんすか?」



「ああ、お前秋ちゃんと同じクラスだろ?なんでこんなに可愛くて性格いいのに友達すくないんだ?」



「えっと、クラスでは性格違いますよ。この前も助けてくれたお礼にってストラップを渡した子がいるんですけど、ゴミ箱に捨てて、突っぱねたっす。」



「これです。そのストラップ。」



「ええ?蟹津さんなんでそれ持ってるんですか?」



「う〜ん。秘密です。詳しくは、本当に仲が良くなれたら話します。」



「えっと、坂本。状況が良く分からんから、俺に説明しろ。」



「俺もよくわかりません。ただ、何となく感じたのは、ツンデレ?」



「ボクはツンデレじゃない。ちょっと照れ屋なだけだもん。」



「「ツンデレだ。」」



「なんで、みんなボクをツンデレって言うんですか。昨日友達にもツンデレクイーンって言われました。」



「坂本、クラスで秋ちゃんを呼ぶ時は、ツンデレクイーンって呼べ。そうすればすぐにクラスのみんな仲良くなれる気がする。」



「「ええ!?」」



坂本君とシンクロしてしまった。



「坂本君。そんな恥ずかしい呼び方しないよね?」



瞳をウルウルさせてお願いしてみる。この上目使いは、今のところ、負けなしである。



「先輩、俺には無理です。」



「すまなかった。秋ちゃんがそんなに嫌なら別の手を考えよう。」



とりあえず、あんまりにも不名誉な呼び名をされることは避けられたが、先輩も坂本君もボクのことを思って言ってくれているのに、自分のわがままで意見を却下したことに罪悪感を覚える。



それでも、麻美が言ったように、教室の前で仲良くして欲しいのなんて言えるわけもなく。とにかく恥ずかしいこの状況をどうにか脱出しなくては、クラスの平和は訪れないかもしれない。



「ところで、このことは上田は知ってるのか?」



「内緒です。というか、心配かけたくなくて。」



「そんなこと言っても、学園一の天才で、美少女が冷血女だってもっぱらの噂だぞ?そのうちバレるんじゃないか?」



「それでも、今は内緒にしたいんです。それに、和美がいるんで、クラスでまるっきり一人ぼっちってわけでもありませんから。」



「和美ちゃんねぇ。まぁ秋ちゃんがそう言うなら俺も内緒にしておくけど、坂本もこのことは上田には内緒にしろよ。」



「了解っす。」



そう、竜には内緒にしている。噂などに鈍感な竜はボクがクラスでハブにされていることは知らない。和美がいるから大丈夫だと言ってごまかしているのだ。



「まぁ、バスケ部の時の秋ちゃんをクラスでもやれば、きっとみんなもすぐに秋ちゃんと仲良くなってくれるさ。」



そう言って先輩は慰めてくれ、そろそろ朝練の時間も終わりなので、坂本君と一緒に片づけを始めた。







「秋、先輩たちと何話してたんだ?」



「口説かれてた。竜と別れたら付き合ってくれって。」



「別れねぇつの。」



「竜が浮気しなかったらね。」




こうして、今日も竜にはぐらかしてクラスに向かう。ちょっと憂鬱だ。








今回のテーマは〜ツンデレクイーン〜です。なんのこっちゃって話なんですが、元々二つ名に関しては執筆を始めたころから決まっていたのです。


不幸少女→最強美少女→芸術の女神→ツンデレクイーンといった流れはもうできていました。


ただし、途中ツンデレが描けなくなって困っていたのですが、そういえば秋って底なしのお人よしだから、といった閃きにより、今回の一話ができたわけです。

気持良いくらいにやりたいことが繋がっていくのが楽しい一時でした。




それでは、ここまで読んでいただきましてありがとうございました。


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