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再転の姫君  作者: 須磨彰
24/79

チャプター23

旅館の夜はこうして。






「うわぁ〜おいしそう。」


「すっごぉ〜い。」


「はいはい、ご飯の前に少しだけ先輩の話を聞いてね。じゃあ、まずは浩太と鈴から一言ずつどうぞ。」


「じゃあ、僕から。正直女神様が大丈夫と言われていても、全員が予選突破できたのは、みんなの努力の結果だとおもう。

コンテストでの経験をいかして今後の創作にも一層の努力をしてくれ。予選突破と各賞の受賞おめでとう。」



「「ヒソヒソ、ザワザワ」」



「どうしたんだい?なんでそこで内緒話を?」


「いえ、浩太先輩っていつも私と一緒に女神様の話とかしているので・・・」


「まさかこんな真面目な話をなさると・・・」


「誰ひとり想像してなかったっす。」


「あのねぇ。みんなの中で僕はどんなキャラなんだい。」



「二次元オタの秋先輩マニアです。」



由香がそういうと、花火と真奈美もうなずいていた。


「由香ちゃんまで、まぁ間違ってはいないが、きちんとやる時はやっているんだよ。」


「そうですよね。女神様が印象強すぎてあまり意識してなかったですが、浩太先輩って質問したりするととても丁寧に説明してくれますね。

二次元オタと女神様マニアがなければ結構いい先輩かもしれません。」


「真奈美ちゃんもそんな風に言わないの。二次元に関しては趣味だけど、メグのことは仕方ないわよ。

昔色々あって心から尊敬してるんだから。それに、今は私たち心友だからね。」


「私も聞いたことあります。あの話って本当だったんですね。」


「そうだよ。僕は女神様に一度命を救われている。そして今は本当の意味で心からの友愛で結ばれているんだ。」


昼間のこともあってか、秋に対する目が柔らかいものに少し変わった気がする。

浩太もこの合宿で成長しているのだ。


「じゃあ、私からも一言ね。浩太も言ってたけど、このコンテストはこれからのみんなにとって本当に良い思い出となると同時に創作の手助けになってくれると思うわ。

メグみたいにこんな風に色々なところから評価されるのは無理でも、自分たちの作品をこれから認めてもらえる機会があると思うの。

目標をもって何かをするという良い例だと思うわ。これから三人も学園祭に向けて自分の作品を作り、みんなに評価してもらいましょ。」


「「はい。」」


浩太の時とは違い。

すぐに後輩たちは返事をし頷いた。


「最後にボクだね。浩太と鈴が、ボクが言いたいことはほとんど言ってくれたから重要事項の発表だけするわね。

ボクたち二年生は諸事情によって学園祭からは仮引退とするわ。

一応部長もボクがやって新入生への勧誘もするけど、部活の運営は基本的にみんなに任せるつもりなの。

これは今日のコンテストを見て鈴と浩太に了解を取って決めたの。

ほぼ一年早く任せることになるけど、みんなならできると思ったわ。

本当に良く成長してくれたわ、お疲れ様。」


「女神先輩・・・」


秋の話に花火が不安そうな声を上げる。

他の二人もそれぞれ顔を見合せている。


「まだ学園祭まで時間はあるわ。

さぁ、今日はご飯にしましょ。みんなもお腹ががすいたでしょ。」


「鈴の言う通りね。いただきます。」


「「いただきまぁす。」」


それぞれが心に残る想いはあるが、今はご飯を楽しんでいる。

コンテストの達成感。これからの不安。

様々なものがあるだろうが、おいしい料理と皆の雰囲気がそれをすべて良い方向に気持を持って行ってくれる。


「武兄ちゃん。お酒はダメよ。

未成年がいるんだし、酔うといつも竜や司にまで飲ませようとするんだから。」


「ええ?俺はもう未成年じゃないんだからいいじゃないか?」


「明日の晩は少しくらいなら出してあげるから今日は我慢してね。」


「仕方ないな。こんなに料理がおいしいんだからお酒もきっとおいしいのに。」


「武満さんはお酒強いんっすか?」


「そうだね。秋よりは強いよ。秋はお猪口一杯で真っ赤になって眠っちゃうからね。」


「女神様にも意外と弱点があるんですね。」


「それって小学生の時のことじゃないの。今はそんなことないわよ。」


「どうだけね。家は俺ともう死んじゃったけど、じいちゃん以外はお酒に弱いみたいだから秋も強くはないだろうね。」


「そうなんですか。ふふふ、女神様を落とす時はお酒を準備しておきますね。」


「真奈美ちゃん。まだメグのこと諦めてないのね。浩太はやっと諦めてくれたのに。」


「え?浩太先輩がですか?あれだけ女神様に傾倒していたのに。」


「命の恩人だし今もやっぱり尊敬しているよ。でもさ、心友だからね。心友が幸せになってくれるなら身を引くことも大事なんだよ。」


「今日は浩太先輩どうしたんですか?いつもなら秋先輩にもっと違う感じの接し方なのに、何かあったんですか?」


秋は昼間の話がでてボロが出る前におもむろにリストバンドを三つ取り出した。


「渡すタイミングが思いつかなかったから、今、渡すね。心友の証。

鈴は青で、浩太は灰色、麻美は黒でいいよね?

それぞれみんなのイメージなんだ。

海のように広い心をもつ鈴。影からみんなを支えてくれる浩太。何物にも染まらないでもすべての色を混ぜるようにみんなのことを考えてくれている麻美。

浴衣の色に合わせたんだけどぴったりだと思うの。」


「ありがと、大事にするよ。」


「メグにそんな風に言われちゃ断れないわね。」


「秋ちゃん。本当にうれしいわ。」


それぞれにリストバンドを渡すと竜、司、秋の三人も自分の手にリストバンドをはめ、微笑みあった。


「先輩たちの親友の証ですか。素敵ですね。」


「私たちも女神様たちのような親友の証作っちゃおうか?」


「うちも賛成。六人みたいに仲良くなりたいな。

うちらだってまだ出会ったばっかやけど、これから親友になれたらええと思うし。」


「ボクがみんなに額をプレゼントしたじゃん?

あれは美術部の仲間になったんだって証だよ。」


「それに、たぶんみんな勘違いしとんな。

俺らのは親友とはちゃうんて、心の字を書いた心友やねんて。」


「そうだねぇ。

どんなことがあってもぉ、たとえ何かを争うライバルになろうとも心の底ではぁ、いつも繋がっているそんな心からの友になるぅ。

その誓いなんだよぉ。」


「司たちのその気持ちに賛成した私たちは、絶対に心の底では裏切らない。

そう誓ったのよ。

秋ちゃんは体質の影響で様々な問題があるわ。

でも、そんな時に私たちだけは絶対に裏切らない。

裏切りたくない。そんな気持ちが込められてるの。」


「そんなに大切なものなんですか。」


食事もだいぶ進んでおり、もう終わろうかという頃だったが、後輩たち三人は目に涙を溜めて話を聞いていた。


人伝にしか聞いたことのなかった秋の不幸から守るために心友の誓いを立てた五人、

今までみなに迷惑をかけたくないと距離を置いてきた秋、

秋の中で信頼が生まれ、心友として認めたこと、それらの感情が伝わったのだろう。

そこには、お遊びの友情ではなく、絶対の信頼の気持ちと相手を思いやる気持ちが混ざっていた。


「ありがとう。秋は本当にいい友達を持ったんだね。」


武満はそれぞれの顔を見て優しく微笑んだ。


「さぁ、もうお腹も十分ふくれただろう。

お風呂に行っておいで、コンテストに出て疲れてるだろうし今日は早く寝るといいよ。」


武満の声にそれぞれお風呂に行く準備を始めた。

秋たちはどこか満足した様子で、真奈美たちはそれぞれ思うところがあったのか三人で少し話すといって先に行ってもらった。


「武満さん、うちらも先輩たちみたいになれますか?」


「どうだろうね。秋は本当に特殊だからあんな風には慣れないかもしれないよ。

実際に竜くんや司くんは秋が死にかけてるのを助けているし、逆に浩太くんは秋に助けられている。

そんな命の危険がある状態でも迷わずに心友になりたいと思える鈴ちゃんや麻美ちゃん。

俺から見ても六人の友情はうらやましいくらいだよ。」


「そうですよね。私たちはそんな経験ありません。

花火とはずっと小さい時から一緒にいますが、そんな経験したことがありませんし。」


「ねぇ、女神様たちみたいになる必要ないんじゃないかな?

私たちは私たちなりの心友になって仲間として認めあえばいいとおもうの。」


「いいこと言うね。

真奈美ちゃんの言う通りだよ。

俺も大学生になって君たちより経験はつんでいるけど、それぞれの関係がある。

秋たちのような関係ではなくても本当に信頼する友人だっている。

そうなれたら十分だよ。」


「そっか。女神先輩みたいになれなくても、自分たちなりの友達をつくっていけばいいんっすね。」


「やっぱりさ。

親友の証つくろ?

花火ちゃんや由香ちゃんとは中学からだけど、これから親友になりたいもの。

女神様たちのようでなくてもいいから、私たちの親友の証を作ってこれから心の方の心友になれるようにがんばりましょ。」


「はい。私も頑張ります。」


「そうと決まったらうちらもお風呂いくか。」


「そうね。女神様の入浴姿を目に焼き付けておかなくっちゃ。」


「真奈美ちゃんってば。

でも行きましょうか。親友の証はこれから三人で話し合って作りましょ。」





「うん、本当にいい仲間に恵まれたね。」


武満のつぶやきは三人にはもう聞こえなかった。

三人は急いで準備をし、旅館の大浴場へと向かった。



脱衣所に着くと、服を着て髪を乾かしている秋の姿があった。


「ええ?女神様もう出ちゃったんですか?」


「ああ、ボクは髪の毛シャンプーだけだし、あまり長く使ってるとのぼせちゃうから早く出てきたんだ。

麻美と鈴はまだ中にいるから大丈夫だよ。三人なりの答えを話したら相談に乗ってくれるよ。」


「私たちの考えは秋先輩にはお見通しなんですね。」


「あの話の後だからね。ボクはみんなに依存して心友になってもらってる感じだから、話を聞くなら二人の方がいいよ。

きっと三人も良い友達になれるとボクは思うよ。」


そう言い残し秋は脱衣所から出て行った。

真奈美たちが服を脱いで浴室に入ると鈴が待ってくれていた。


「体を洗ったら露店風呂にいるから、長話をするならそっちの方がいいでしょ?

露店風呂は海水の成分を引いてるらしいから美容にも効果あるらしいしね。」


「女神先輩だけやなくて、鈴先輩にも考えをよまれてたんすね。

じゃあ体洗ったら三人でむかうんでまっててください。」


「ええ、可愛い後輩の頼みだもの、待ってるわね。」


「本当にあの人たちにはかなわないわね。」


「でも、真奈美ちゃんもすごいと思うよ。私や花火だけならきっと今こんな風には考えてないから。

やっぱり、真奈美ちゃんともこれから仲良くなりたい。」


「ありがと、先輩たちがゆでダコになっちゃう前に露店風呂に行きましょ。」






「みんな良い顔になってたな。

晩御飯の時は涙流していたから失敗したかと思ったけど、ホント良く成長してくれてるわ。」


秋は三人たちの様子を見て安堵したのだろう。

のんびりとロビーに向かって歩いていた。


「お、相変わらず秋は早いな。

女の子はもうちょい体を磨いたりして長風呂するもんとちゃうんか?」


「竜も短いじゃないの。司や浩太はまだ入ってるの?」


「司は長いでな、浩太は露店風呂の方でなんか鈴と話してたけどすぐ出てくるやろ。」


「ああ、なるほどね。

露店風呂は壁があるだけで繋がってるから後輩たちの話でもしてたんでしょ。」


「今回は合宿によんでくれてありがとな。俺らも楽しませてもろとるわ。」


「良いとこでしょ。

前に旅行に来たことがあって、ここならみんなも気にいると思ったのよ。

ふぁぁ。」


竜と話していると秋が眠そうな欠伸を漏らした。


「もう、そんな時間か、相変わらず早寝なんやな。

小学校の修学旅行じゃ、みんなが起きとんのに一人だけ爆睡してたんやってな。」


そいうって竜はロビーに設置されているソファーに腰をおろした。

秋も隣に座ると眠そうだが答える。


「ボクにも弱点はあるのよ。特に竜たちの前ではそれが出ちゃうんだよね。

他の子の前では隠せるんだけど、どうも気がゆるんじゃうっていうか。」


「ええんとちゃう?いつも気がはっとるよりも、俺ら六人の前ではのんびりしとれよ。

損な体質で普段から休めへんのやから俺らとおる時くらい休んどき。」


「むにゃ、ありがと。」


眠さの限界に来ていたのか、竜と会ったことによって安心してしまったのかわからないが、秋は竜にもたれかかるようにして眠ってしまった。



「ほんまに寝顔はあのころと変わってへんのやな。」



しばらく、秋の寝顔を眺めていた竜だが、深夜で人がいないとはいえ、風邪をひいてはいけないので、秋を両手で抱えて部屋へと運ぶ。


「軽いな。こんな軽いのにあんな力がでるんやから、今日確かめたとは言え不思議やわ。」




御姫様だっこのまま、大部屋ではなくもう一つの方の部屋に秋を運び、布団をひいてそこに寝かせた後大部屋の方に竜も移動する。




「おかえりぃ。遅かったけどぉ、途中で秋とあったのぉ?」


「おう、話の途中で寝ちまったからもう一つの部屋に寝かせてきた。」


「そうか。武満さんは僕らと入れ替えにお風呂に向かったよ。」


「武ちゃんも長風呂やし、しばらく三人やな。トランプでもしとるか?」


「いいよぉ。でも心理戦は竜が弱いから運でできるゲームにしよっか。」


「お前らがつよすぎんねんて、一回変えのポーカーにしよか。それなら多少運できまるやろ。」


浩太が、荷物の中からトランプを取り出そうとしている時に女の子たちが帰って来た。


「ただいまぁ。メグは?」


「あいつは、夜は、はよねるんやわ。今はもう一つの部屋で寝とる。」


「昔からそうよね。小学校の学外研修の時から一番に寝ちゃう子だったもの。」


「そうなんですか。秋先輩のあの綺麗な肌は十分な睡眠からできているのですね。」


「私、女神様の様子見てきます。」


「見に行くのはいいけどぉ、カメラは持っていかない方がいいよぉ。

前にぃ、浩太がカメラを構えた瞬間おきだしてぇ、寝ぼけたまま攻撃されて朝まで気絶してたことがあるからねぇ。」


司の言葉に、秋の寝顔を激写しようと考えていた真奈美はそっと懐にしまっていたカメラを置くと、それでも秋の寝顔を一目見ようと部屋を出て行った。


「真奈美ちゃんも頑張るわね。トランプするつもりだったの?人数多いからUNOにしない?」


鈴の意見にみな頷いたので、浩太はUNOを取り出しカードを配った。

しばらく、七人で今日のことについて話しながら遊んでいると、武満が帰って来た。


「みんな元気だね。でもそろそろ中学生は寝る時間だよ。

秋は向こうの部屋で寝ちゃったのかな?部屋の分配とかはどうなってるんだい?」


「本当は人数の関係で男子が向こうで、女子がこっちで寝るはずだったんですが、真奈美ちゃんも帰ってこないし、花火ちゃんと由香ちゃんどっちがいい?

もうわかってると思うけど、男の子たちはみんな安全だから私たちはどっちでもいいわよ。」


「そうですね。秋先輩と同じ部屋でなければという前提はつきますけど安全ですよね。」


「ちょま、なんで俺の方ばっかり見んねん。そんなん言うたら司と麻美のが大変やろ。」


「私たちは清らかな関係よ。まぁ、寝ている秋を部屋に寝かせたのは竜だから、竜も大丈夫よ。

みんなもそんな目で見ないの。」


「真奈美ちゃんがどっちで寝るかで決めたいです。」


「じゃあこっちで寝た方がいいわね。真奈美ちゃんをメグと一緒の部屋で寝かせたら朝まで寝れないだろうから。」


「そうね。秋ちゃんの寝顔は慣れている私でさえ破壊力があるもの、真奈美ちゃんじゃ絶対に朝まで寝れないわね。

あっちの部屋は狭いから逃げ場がないしね。」


「はい、じゃあ先輩たちは向こうで寝てください。真奈美ちゃんの分の布団も出しておきますね。」


「麻美ちゃん、行きましょうか。」


「うん。じゃあみんなおやすみなさい。」


「「おやすみ。」」


「竜先輩、そんなに秋先輩の寝顔って破壊力あるんですか?」


「せやな、俺と司は小学校の時一緒にホテルの部屋で泊まったことがあんねやけど、あん時は朝まで語り明かしてまったな。」


「そうだったねぇ。女の子らしくない秋を始めて意識したのはあの時だったねぇ。」


こちらの部屋も話題は尽きずに、寝るのは遅くなりそうだが、武満もいるので適当なところでみなを寝かせるだろう。


「真奈美ちゃんいる?」


「ひゃい。いまふぅ。」


「鼻血まで出して眺めないでよ。

こっちは私と麻美ちゃんが寝るから、真奈美ちゃんは大部屋で寝なさい。

その様子じゃ確実に朝まで寝れないわね。」


もう止まっていたのか鼻に詰めていたティッシュを取ると真奈美ちゃんは答えた。


「そうします。さすがに今日はコンテストで疲れてしまったので寝たいです。

でも夢にまで出てきそうな寝顔ですね。」


「はいはい、よく我慢したわ。

もし抱きついたり変なことをしようとしたらきっと今頃強制的に眠らされてただろうからね。」


「酷いですよ。

鈴先輩は私が節度が無い後輩だと思ってるみたいですが、私のは傾倒であって女神様への崇拝があるので、寝込みを襲ったりはしませんよ。

確かに普段は抱きついたりしてますけど、純粋愛なので無理やりとか意識がない時になんてしませんよ。」


「普段もよけられたりしてるんだから無理やりに近いとは思うけど、まぁ考えているのはわかったわ。

明日は海に行くんだし早く寝るのよ。

寝不足でメグの周りにいたら確実に危険がまってるんだからしっかりと睡眠は取っておきなさい。」


「はぁい。」


真奈美もしばらくは目に焼きついた映像で眠れないだろうが、きちんと睡眠をとるだろう。

部屋に寝ている秋と二人だけになると、鈴と麻美は布団を出して寝る準備を整える。


「本当に可愛い寝顔ね。メグのこの顔をみたら竜くんが惚れるのも当然ね。」


「鈴ちゃんってさ。秋ちゃんのこと妹みたいに思っているのね。普段はしっかり者の秋ちゃんも時々抜けたところがあるから、鈴ちゃんの側にいると安心できるのね。」


「まぁね。部活の時でもなんでも自分でやろうとするところがあるから。どうしても世話を焼きたくなっちゃうのよ。」


「ふふふ、でも一番世話を焼きたいのは浩太くんなんでしょ?」


「あらら、麻美ちゃんにもバレちゃったか。まぁ隠すことでもないからいいんだけどね。」


「お互い、心友なんだし呼び捨てにしない?私も鈴って呼ぶから麻美ってよんでくれないかな?」


「そうね。いつまでも他人行儀だったし、私たちもメグの心友の仲間に入ったんだし賛成よ。

よろしくね。麻美。」


「うん、よろしくね。鈴。」


お互いに呼び合うと自然と笑いが漏れ、秋を起こさないようにと小声ではあるが親しい雰囲気が二人の中に流れた。

しばらく二人で笑っていると麻美が先に声を掛けた。


「ねぇ。なんで浩太くんなの?

私たち小学校の時から一緒だから、逆に浩太くんって考えられなくって。」


「ああ、小学校の時は本当に友達も作ろうとしない人間だったみたいね。

浩太から話は聞いてるわ。

【女神様に救われたのは命だけじゃない。心も救われたんだ】

って浩太は言ってたわ。」


「へぇ、それで中学校から変わったんだ。

確かに勉強はできたから頭は良いんだけど、どうしてもキャラクターが苦手って子多かったんだけどね。」


「今でもすごいキャラクターよ。学校でも帰りの道でいつも馬鹿な話ばっかりだからね。」


「あれ?鈴って浩太くんと帰り道違うんじゃないの?」


「たぶん、惚れたのはそれが影響なのよ。美術部って文化部だけど帰りが遅いのよね。」


「ああ、前は早かったみたいだけど、秋が事故して一人で帰れなくなったから遅くなったらしいわね。」


「そうなのよ。メグは竜くんたちが終わるまで一人で待ってるって言ってたんだけど、

どうせならみんなで部活をしてようって浩太と説得して残ることになったんだけど、

帰りが遅くなりだした時って冬だったから暗くなっちゃったのよね。」


「冬だと運動部に合わせてたら真っ暗よね。私も司と一緒に帰るようになるまでは女の子の友達と一緒じゃなきゃ怖かったわ。」


「そうなのよ。でも、メグが一緒じゃ暗い時は逆にもっと危ないじゃない?

だから、浩太が送ってくれるようになってね。」


「へぇ。あの浩太くんがそんなことするなんて考えつかないわ。」


「普段はあんなんだからね。でも、

【女の子を一人で帰らせるわけにはいかない。確かに俺はケンカはよわっちいけど、襲われた時に囮になるくらいならできる。】

なんて言っちゃってね。」


「かっこ良いのか悪いのか微妙な発言ね。」


「まぁね。でも、弱い浩太なりに守ってくれるって言われてその時はすっごくかっこ良く見えちゃったのよ。

それから帰りに一緒に話しているうちに惹かれているのがわかっちゃったのよ。」


「素敵ね。司はそういうのは絶対に口にだしてくれないからなぁ。

いつもの間延びした声で【大丈夫だよぉ】って言って終わりよ。」


「まぁ司くんも癖がある性格だからね。でも気配りができて素敵な彼氏よね。」


「ありがと、鈴も恋が実るといいわね。」


「うん、そろそろ寝ましょ。私たちが夜更かししてたら後輩に示しがつかないわ。」


「ふふ、そうね。おやすみなさい。」


「おやすみなさい。」








AKIは浩太みたいな子結構好きです。

竜や司は強くて頼りになる設定ですが、浩太や麻美はケンカとかは全くできないように設定してあります。


鈴は柔道してたので浩太よりも実は強いですが、浩太は鈴をかばってくれるでしょう。


今回のテーマは“心友とは”でお送りしてきました。最初は真奈美ちゃんを使ってコメディにするつもりが、リストバンドを渡したいと考えた瞬間その構想は次回に持ち越すことにしました。


AKIは自分で書いているのに、涙を我慢するというわけが分からない状況になりながらも一生懸命みんさんに伝わるように書いたつもりです。



稚拙な表現で申し訳ないのですが、本当に読んでいただきありがとうございました。



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