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再転の姫君  作者: 須磨彰
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チャプター17

番外編〜涙のお弁当事件〜





昨日、秋は遠足に行って来た。

俺は昔秋があまりにもお化けを怖がるので遊園地にあるお化け屋敷の話をしたことがある。

適当なことを並べたてたのだが、秋は信じていたようで昨日の遊園地ではかなり恥ずかしい思いをしたらしい。

大変ご立腹の様子だったのだが寝る前に部屋に来た秋は、お土産を渡してくれた。

怒って買ってもらえなかったんだと思っていた俺は妹の優しさと寛大さに心から感謝した。


「武満。なにニヤニヤしてんだよ。」


今声をかけてきたのは大学の友達で同じ学部で結構仲がいい。


「今日も学食いくだろ?」


「いや、今日はお弁当を持ってきたから良いよ。」


「マジか?ってことは秋ちゃんの手づくりだろ?」


そうだ、大学生になってから講義やサークルの関係で不定期なためお昼は基本学食やコンビニで済ませている俺がお弁当を持ってくる時はいつも秋が作ってくれているのをこいつはしっている。


「ああ、本当に兄想いのいい妹だよ。」


「いいよなぁ。秋ちゃんなら付き合ってみたいぜ。」


「秋はまだ中学生だぞ?付き合うなんてまだ早いって。」


「武満ってシスコンだよな。まぁあの秋ちゃんなら俺だってシスコンになっちまうがな。」


「お前には絶対に紹介しないから安心しとけ。」


「いいじゃねぇか。あんな可愛い子野放しにしておいたら、いつ狼の毒牙にかかるかわかんねぇぜ。その点俺なら安心だ。」


「その心配はないよ。あれで昔は柔道をしてて俺よりも強いからな。」


「最強美少女だっけ?一時期うわさになったもんな。あれが秋ちゃんだったなんて。」


あの時は事故で怪我をし、選手生命を断たれたことになったが、俺はちょっともったいないような気がしていた。

しかし、中学に入り美術部をつくって様々な作品を作ってしまう秋にあの時の決断は正しかったと今は思っている。


「とにかく飯にしようぜ。」


「そうだな。でも俺の飯がねぇからやっぱ学食行こうぜ。いつもの学食なら弁当だしても問題ないだろ?」


「仕方がないな。つきあってやるよ。」


そう言って二人で学食へ歩いていく。

この大学には三つ学食があるが、クラブ塔の近くの学食は普段は人が少なくてお弁当を持って入っても席につけるのでそこにいくことにした。







「なぁ。お前秋ちゃんになにかしたのか?」


「・・・・」


俺はお弁当を開けて唖然としてしまった。


「どう見ても怒ってるよな?」


「ああ、実は・・・」


俺は事の顛末を話すことにした。


「なるほどね。夜に許したフリをしてこれか、秋ちゃんはツンデレなんだな。」


「嬉しそうに言うんじゃねえよ。渡してくる時やけににこやかだった時に気づくべきだった。」


朝お弁当を渡してくれた時にとても良い笑顔をしていたのだが、昨日の晩お土産を渡して許してくれたことに上機嫌だった俺は何も疑わずに受け取ってしまった。


「まぁ弁当いっぱいにってのは無茶だが、意外とうまそうじゃね?」


「半分その定食と交換しないか?」


「いいぜ。秋ちゃんの手料理が食べられるならそのくらいの困難は乗り越えてみせる。」


お馬鹿なことをいっている友人だが、流石にこれを一人で食べるのはきついので半分定食を分けてもらいお弁当いっぱいに詰められた涙巻きに挑むのだった。




「きくぅ。でも味は本当にうまいな。これ生をわざわざすってあるじゃん。」


「ああ、妹の優しさに涙がでてくるぜ。」


それほど混んでいないとはいってもそこそこ人はいるわけで、

お弁当を食べながら涙を流している俺たちは少し浮いていた。






さて、2話連続の番外編ですがどうしても書きたかったのです。

武満が活躍してくれないとやっぱり家族愛が伝わらない気がします。どうでしょうかとっても妹想いのいいお兄さんでしょ?お弁当いっぱいの涙巻きにも、捨てるという選択肢は絶対にしないこの優しさ。


ついでにAKIは涙巻き大好きです。わさびっておいしくないですか?まぁ涙巻きなんて食べないでも年中涙腺緩んでますけどね。

何度読んでも泣いてしまう小説ってありますよね。

この前1リットルの涙をyou tubeで見つけて久しぶりにみて泣きました。昔TV放送された時にも泣いたのに、これで見るの3回目とかだったきがするのですが、気がついたら涙で画面が見えなくなっておりました。


それでは次回からは本編に戻りたいと思います。番外編を読んでいただきありがとうございました


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