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傷だらけのGOD 樹海の怪 地獄のサバイバル!  作者: 吉田真一
第12章 アマゾネス
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第1話 組み手

「テヤァー!」


「ハァー!」


ピシッ! ピシッ!


「ウワァッ!」


バサッ。


「痛たたた......」


「はい、そこまで!」


エマが男子禁制の尼寺『聖経院』にやって来てから早10日が経過したその頃......緑に囲まれた日本庭園の中心たる雷鳴池の畔では、尼達の日課とも言えるクラブ活動?が行われていた。


雲一つ無い晴天の中、頭を丸めた法衣姿の尼達総勢30余名が嗜んでいるもの......それは世間で言われるところの『格闘技』に他ならなかった。と言うよりか、見た目からすると『武道』と言った方が適切なのかも知れない。


パチパチパチ!


パチパチパチ!


「格好いい!」


「直美さん最高!」


「知美さんも頑張ったよ!」


二人を取り巻く尼達ギャラリーは、皆興奮しきった顔つきで両者を讃えている。尼達の輪に寄って、自然と形成された格闘場の中心には、どや顔で仁王立ちする奈美と、悔しさで唇を噛み締める知美。そして直美に軍配を上げる龍貴の3人が居た。直美と知美は10日前『聖経院』の正門前で倒れ込むエマを発見した例の二人に他ならない。


そんな総勢が二人の健闘に惜しみ無い拍手を送る中、一人『雷鳴池』の水面に浮かぶ自身の顔とひたすら睨めっこを続ける外れ者が一人。何やら浮かれぬ顔で、ぶつくさと独り言を呟いている。


「ああ......髪の毛が無い」


直射日光で光輝く頭皮を撫でながら、憂鬱な表情を浮かべているのは他でも無い。エマだった。正直諦めが悪い。もうこの髪型?になってから10日も経っているのだから『いい加減慣れたらどうだ』と言ってやりたい。


ハァ......やる気の無い溜め息だ。今は武道なんかに盛り上がれる気分じゃ無い。そんな心境なのだろう。しかし行司は、そんなエマの感傷などに興味は無い。坦々と次に進む。


「じゃあ次は誰いこうか?」


行司を勤める総支配人の龍貴は、そう叫びながら周囲を見渡した。そして真っ先に目が止まったのは、一人茅の外を貫く尼に他ならなかった。


「エマ! お前そんな所で何黄昏てんだ? こっち来い!」


「あっ......はっ、はい......わ、私ですか?」


自分の世界に浸っていたところに突然の呼び掛け。焦りを隠せない。大きな二重瞼をぱちくりさせている。


「一人目はお前だ。誰かエマと組み手やりたい奴いるか?」


えっ、マジで?!


私が組み手?


ルール全然分かんないんだけど......


困ったな......


すると、


「はい。私にやらせて(殺らせて)下さい!」


突如輪の最後部から一人の尼の手が上がった。


えっ、誰? 全員の視線が一斉にその者に向けられる。


「おお、たまきか、よし、前へ来い!」


でっ、出たよ!......


ただの組み手だろ。何でそんなに殺気撒き散らしてんだ?



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