表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
傷だらけのGOD 樹海の怪 地獄のサバイバル!  作者: 吉田真一
第11章 追跡
88/408

第9話 破裂

「釣りはいらねえよ」


健介なる青年は、はち切れんばかりに膨れ上がった財布から1万円札を2枚ポンッとカウンターの上に投げ出すと、美緒の後を追って夜の街へと飛び出して行った。


「有り難うございます。またのお越しを」


バーテンダーは小さく頭を下げると、青年が投げ捨てた紙幣を拾いながらため息混じりに呟いた。


あの女......相当の遊び人だな。せっかく作ったカクテルを餌にして、男を釣り上げやがって。それにしても不思議だ......青年が財布の中身を見せた時、あの女はまだ店には居なかったはずだ。何で金持ちだって分かったんだ? まぁ、いいか...... こっちには関係ない事だ。おぅ、もう11時半だ。これ以上変な客が来ても困る。今日はもう閉店にしよう......


美緒と健介なる青年が店を後にすると、バーの表看板は静かにその灯りを消した。


美緒がこれから行おうとする『お仕置き』と、自分が想像するところの『お仕置き』とでは、大きな隔たりがある事をこの時点で青年は知る由もなかった。


 

 ※  ※  ※



駅前こそは繁華街と言えたその街並みも、車で10分も走ればその様相は大きく変化していく。左右どちらを見ても寂れた街並みだ。県道とは言え、深夜ともなると走る車は少く、おのずとそのスピードは増していった。先走る気持ちが、アクセルを踏む彼の足を強く押し出させていたのかも知れない。まぁ気持ちは解らないでもないが......


途中で「やっぱ帰る」なんて言い出したってもう遅いぜ......俺のスイッチは完全に入っちまった。泣き叫ぼうが、何しようがもう手遅れだ!


この時点で自分が泣き叫ぶ事になろうとは夢にも思っていない。哀れな青年だ。


「そこ左に曲がって」


沈黙を破るかのように、美緒が指を左に向けた。左に曲がる路地の手前には、大きな看板が威風を放っていた。看板の下からは複数のスポットライトが上向きに当てられており、『ホテル マーメイド』と書かれた文字が妙に目立つ。


今日東京から来たって割りには、しっかり調べてんじゃねえか......この女よっぽど手慣れてんな。おお、もうダメだ。我慢出来なくなってきた......


健介の股間は破裂寸前。本当に破裂する事になろうとは、この時点で誰が想像出来ただろうか。美緒は悪魔のような薄笑いを浮かべながら、更に指示を続ける。


「そこよ。入って」


胸を踊らせながら、健介は『ホテル マーメイド』の駐車場へと車を進めていったのである。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ