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傷だらけのGOD 樹海の怪 地獄のサバイバル!  作者: 吉田真一
第10章 死に人なる者
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第1話 アジト

『シャンソンの女王 青島麗子 急死!』


クリスマスイブのディナーショー後、突然体調不良を訴え、都内某所の病院に搬送されるも、懸命の治療も虚しく帰らぬ人となった。死因はくも膜下出血。その日もディナーショー前に頭痛を訴えていたが、薬を飲んで予定通りショーを行った。余りに早すぎる死を悼む声が数々の著名人から寄せられている。本人の生前からの希望により、大々的な葬儀は行わず、家族葬が行われる模様。家族葬の日時、場所等は一切公開されないものと思われる。


どの新聞を見ても、一面トップにはそんな記事が大々的に掲げられていた。


12月25日 10時......死人のレッテルが貼られた青島麗子は、4つに折り畳んだ新聞をテーブルの上にポンと投げ捨てた。窓から差し込む朝日が麗子の疲れきった顔を照らし出している。


人前でショーを行う事に関しては百戦錬磨とも言える麗子ではあったが、誰も見ていない所でひっそりと行われる『射殺ショー』などにおいては正に初体験。拍手も無ければ、脚光を浴びる事も無い。浴びたものと言えば、大量の血のり位だ。一晩経った今でも止めどもない倦怠感が襲ってくる。


「それで......これから私はどうしたらいいのよ」


麗子は眉にしわを寄せ、少し苛ついたら表情を浮かべながら、吐き捨てるように言った。


「まぁ、師走にショーばっかりで疲れも溜まってるだろう。少しここでゆっくり休んでくれ」


圭一は麗子の苛ついたら様子などお構い無し。実につっけんどんに言い返した。


「あのう......ちょっと宜しいでしょうか......実は麗子さん紅白歌合戦にゲストで呼ばれていたのですが......」


麗子の横で行儀よくソファに腰掛けるいかにも神経質そうな男が、スケジュール表を確認しながらボソボソと呟いた。


「マネージャーさんよ。気持ちは分かっけどそんな事言ってる場合じゃねえだろ。麗子さんは組織に命狙われてんだぞ。命が惜しけりゃここで大人しくしてるこった」


EMA探偵事務所の中で朝から浮かない表情を浮かべている各々は皆途方に暮れた様子。決して広いとは言えない事務所内に大人4人が長時間詰め掛けているとかなり息苦しいものがある。


EMA探偵事務所......言わずと知れた彼ら彼女らのアジト。東新宿の薄汚い裏通りに面した雑居ビルの地下1階『BAR SHARK』の裏扉を開けるとそれはそこにあった。 


「だからいつまでここで隠れてればいいのって聞いてるのよ!」


麗子は比較的導火線は短い性格と思われる。まぁこれだけまわりからちらほらされれば、それもいた仕方ない事なのかも知れない。


「あんたの命を狙ってる奴等を撲滅するまでだな。まぁ、いつの話になるかは分からんがな」


圭一の物言いは実に坦々。相手が苛ついた話し方をするといつもこんな感じだ。


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