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幽怪百物語  作者: 背戸山葵
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第六十五話 赤いドレスの女

 木島さんが働くカラオケ店は、出る、ということで地元でも有名で、木島さん自身も何度も不思議な体験をしているそうだ。

 中でも特定の部屋とその付近で奇妙なことが起こる。

 店は午前十一時から午前五時まで営業しており、店を閉める際には機械の電源を切り、朝始業前に電源を入れるのであるが、その特定の部屋でだけ、なぜか電源がついたまま、ということがよくあるそうだ。

 電源を切るのは遅番の社員で、つけるのは早番の社員だ。

 バイトが手を抜いた、確認漏れ、ということはまずない。

 消した後どうやって、いつ点いたのかは誰にもわからない。その部屋はそういうものだ、とわかっているからミスとして記録もされないし、原因を探ろうとする人もいないそうだ。

 その部屋はなぜか長居する客がおらず、店側も他の部屋が埋まっている時でないと客を入れないのであるが、たまたま混雑時に通しても一時間ほどで、

「なんだか気味が悪い」

 と出て行ってしまうか、他の部屋へ移れないか聞いてくるそうだ。

 そんな部屋だったから、木島さんも他のバイトも用事がない限り、極力そこに近づかないようにしているという。

 しかし、ある日の深夜の一時頃。木島さんはその部屋へ通じる廊下へと曲がっていく誰かを見てしまった。赤いドレスを着た、長身の髪の長い女だった。

 その時間、通路の先には例の部屋があるだけだ。時間は深夜で客もまばらだから、その部屋はフリーのはずだ。

 不審者の可能性もないとは言い切れないが、その先に誰もいないということを確認したくはなかったので、見なかったことにした。

 そのカラオケ店で事故や自殺などがあったという話はないのだが、その直上の階に入っていたスナックで若いホステスがナイフで首を切って自殺しているそうだ。彼女はいつも好んで、白いドレスを身に着けていたという。赤く見えたのは首から流れでた血が、服を染めたからかもしれない。

 


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