表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幽怪百物語  作者: 背戸山葵
48/100

第四十八話 おめかしする幽霊

 須崎さんが大学生だった頃の話だ。

 その時期は古いアパートに一人暮らしをしていたのだが、そこが、どうやら出る物件だったらしい。

 夜、ふと目を覚ますと体が動かない、金縛りになることがしょっちゅうあったそうだ。

 そのまま、ぼんやりと天井を見上げていると、寝ている自分の身体の上に色白の髪の長い女が浮いている。

 それは現れたというよりも、女は最初からそこにいたのだが、何かピントというか波長のようなものが合った瞬間、須崎さんの方で気が付いた、という感じなのだそうだ。

 最初の方こそ驚いたものの、女が何かをしてくるというわけではなく、遭遇が両手で数えられるくらいの回数になれば、流石に慣れてくるらしい。

 金縛りにあっても、ああ、またか、くらいにしか思わなくなってきた。

 そんな頃だ。

 ふと、夜中に目が覚める。

 やはりしばらくすると、身体の上に女がいる。

 と、いつもと女の様子が違うことに気が付いた。

 睫毛がくっきりしていて、口紅が濃い。そんな風に見えた。

 須崎さんは何気なしに、

「今日、化粧濃いですね」

 そう口にしてしまった。

 その途端、女は怒りの形相で、首を絞めてきた。

 助けてくれ。叫ぼうとしたが声が出ない。

 苦しさのあまり気を失った。それでも、次の日は無事に起きられた。

 鏡で確認してみると、細い指の後がついていた。

 しかし、その日を境に、女は現れなくなったそうだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ