表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幽怪百物語  作者: 背戸山葵
20/100

第二十話 鳥じゃないですね

 私がネットで知り合った米田くんと以前の話にも出てきた東上さんと通話をしながら作業をしていた時のことだ。

 三人とも昼夜逆転の生活をしがちで、夜中から朝方まで一緒に作業をすることが多い。

 東上さんもそうだが、米田くんの住んでいるところはかなり自然豊かな田舎で、春から秋にの朝方近くになると、米田くんの声に交じって、キジバト、カラス、スズメ、メジロ、シジュウカラ、ウグイスと様々な鳥の鳴き声が通話に入ってくるのだった。

 それは、夏の夜中四時前だったと思う。

 外はまだ暗かったが、鳥はぼちぼち起き出してくる時間ではあった。

 米田くんのマイクの向こうから、聞きなれない音が聞こえてきた。

 ピュー、ピュー、ピュー。

 口笛を思わせる、細く高い音だ。それも、マイクのすぐ近くから聞こえてくるのだ。

 流石に部屋の中にいることはないだろうから、パソコンの近くにある窓のすぐそばに、鳥が止まって鳴いている。そんな風に感じた。

「また鳥の声してるな」

 くすくすと笑いながら、東上さんが指摘した。環境音のようで、邪魔にはならないのだが、いつも鳥の声の主張が激しいので、私と東上さんはよくイジっていたのだった。

 だが、米田くんは、

「あー……これは鳥の声じゃないっすね」

 と言う。

「え、じゃあ何の声なん?」

「えーっと、まあ気にしないでください」

 とはぐらかすように言って、

「ちょっと、用事あるんで」

 と、通話から落ちてしまった。

 それから三日ほど、米田くんは通話に来なかった。

 後から聞くと、祖母の葬式をしていたとのことだった。

 明け方に聞いた鳥じゃない何かの声と関係があるか訊ねると、

「まあ、そうなんですけど、あんまり聞かない方がいいですよ」

 米田くんは頑なに答えてくれない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ