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幽怪百物語  作者: 背戸山葵
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第十六話 やめろ

 佐竹くんという大学生から聞いた話だ。

 佐竹くんの弟と妹の通っている小学校では、夏休みの間に地域の保護者や保育園などの関係者が協力して、夏祭りを開いている。

 そのお祭りの最中、夜店の輪を抜けて運動場の隅にある体育倉庫の前で佐竹くんたちはスマートフォンで写真を撮ったという。

 すると、奇妙なものが写った。

 弟と妹の後ろの倉庫の扉が少し開いていて、その隙間から白いものが出ている。

 白い、ということだけは確かだが、白い布がはみ出しているようにも見えるし、白い手がにゅっと伸びているようにも見えた。

 確かめるために、画面を操作して白いそれを拡大しようとした。

 その瞬間、

「やめろ」

 耳もとで、地の底から響くような低い男の声がした。

 佐竹くんは慌ててスマホから手を離し、怖くなって写真をその場で消してしまった。

 妹と弟に写真を消したことを非難されたため、ここはあんまりよくないと適当に理由をつけて場所を変えて撮影することにした。

 少ししてから倉庫を確認してみたが、倉庫の扉は固く閉ざされていたという。


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