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日々の生活に・・・

今日もお読み下さりありがとうございます。


 翌日、父に確認したら私の婚約者候補の話は本当だった。

 アレン様の話では、他にも婚約者候補がいるみたいだから私はなるべく目立たないようにした方がいいわね。

 

 「お嬢様、紅茶が入りました」

 「ありがとう」


 今、私は昼のティータイムを楽しむ為エマに紅茶を入れてもらった。

 相変わらずエマの入れてくれる紅茶は美味しいわね。

 

 「お嬢様、お聞きしましたよ。第一王子のアレン様の婚約者候補になられたとか」

 「よく知っていたわね、そんな事」

 「はい、使用人達の間で噂になってまして知りました。まぁ噂の出どころは奥様みたいでしたが」

 「そう・・・なの」


 エマの話を聞く限り、父は私に話す前に母に話していたってことね。

 出来れば私にも早めに教えて欲しかったわね。

 

 「あら。エマ紅茶のおかわり貰えるかしら」

 「はい。・・・あっすいませんお嬢様、紅茶が無くなったようです。今、新しい紅茶を持ってきますので少しお待ちいただけますか?」

 「ええ、わかったわ」

 「では、少しお待ちください」

 

 エマはティーセットの乗ったワゴンを押し部屋から出て行った。

 すると、しばらくして部屋の扉が開いた。

 『あれ?エマにしては珍しいわね。ノックもせずに入って来るなんて』。

 しかし、扉から現れた人物はエマではなかった。

 現れた人物は、まさかのアレン様だった。


 「やぁ、ソフィア遊びに来たよ」


 さも当たり前のように、部屋に入ってきた。

 

 「ええ!?、どうしてアレン様がここに?」

 「うん?今言ったじゃないか、遊びにきたって」

 

 何を言っているのこの人は?いくらまだ子供だからって突然来るのはマナー的によくないでしょ。

 

 「あの、アレン様。昨日言ったと思いますが来る時は、前もって連絡くださいとお願いしたはずですが」

 「えっ!?昨日、来ると伝えたじゃないか」

 「いえ、そのような事聞いていませんが?」

 「いや、言ったじゃないか昨日また来るって」

 「まさか昨日言っていた、またって今日の事だったんですか?」

 「そうだよ」

 「そうだよって・・・はぁ~せめて日にちで教えてくれませんか、アレン様?」

 「日にちでか・・・まぁソフィアがそう言うならそうするよ」

 

 コンコン「お嬢様、失礼いたします」。

 今度は扉がノックされ、エマが入ってきた。

 部屋に入ってきたエマは、アレン様の姿を見て驚いていた。

 私はエマの元まで行き、アレン様の分のティーカップを持ってくるように言った。

 

 「アレン様も飲むでしょ紅茶?」

 「うん、いただくよ。あっそうだ昨日言っていた紅茶に合うお菓子を持ってきたよソフィア」

 「お菓子ですか?」

 「はい、これ」

 

 アレン様が持っていた手荷物が、お菓子だったのか。

 白い包みをとり、箱の中のお菓子を取り出した。

 箱の中身はロールケーキだった。ロールケーキは六等分に切ってあり、エマに切ってもらう必要はないようだ。

 しかし、お皿とフォークが必要ね。今、エマは居ないから・・・私が取りに行くか。

 

 「アレン様。私、少し部屋を空けますね」

 「えっ!どうしてだい?」

 「アレン様がお持ちいただいたロールケーキをいただく為にお皿とフォークを取りに行こうかと思いまして」

 「そんなの使用人に、取りに行かせればいいじゃないか?ソフィアがわざわざ行く必要はないと思うけど」

 「そうですか?私は自分で、できる事はなるべくならやりたいんですが・・・周りがそれをあまり許してくれなくて。まぁそのせいで使用人達に頼ってしまうことになるんですが」

 「そうなんだ・・・貴族の令嬢にしては珍しいね」

 「フフッ、そうかもしれませんね。まぁすぐに戻るので、アレン様は待っていてください」

 「うん、わかったよ」

 「では、失礼しますね」


 そう言って、私は部屋から出た。

 

 私は厨房に向かう途中でエアと会った。

 エマに私が部屋を出た事情を説明すると、エマが一人で取りに行くと言い始めたので私も行くとお願いし二人で取りに行くことになった。

 私は、エマと厨房に向かう途中でエマに愚痴を聞いてもらっていた。

 愚痴の内容は、勿論アレン様の事だ。エマに愚痴を聞いてもらった事で私の気持ちが少し落ち着いた。

 


 ガチャ「お待たせいたしました、アレン様」。

 部屋に入った私達を見たアレン様は少し、不貞腐れているようだった。

 少し一人で、待たせすぎたかもしれないわね。

 

 「アレン様。ごめんなさい、少し待たせ過ぎましたね」

 「いや、いいよ。でも今日はいっぱい話そうぜ」

 「えぇ、わかりました。今日はどういったお話しをしますか?」

 「そうだな、ソフィアの好きなモノの話でもしようよ」

 「好きなモノですか?」

 「そう、例えば好きな花は?」

 「好きな花ですか?香りがいいバラとかは比較的に好きでうかね」

 「そうかバラが好きなのか・・・」

 

 私の話を聞いたアレン様が、何やらうんうんと頷きながらブツブツ言っている。

 声が小さく何を言っているのかは聞こえなかった。何を言っていたのかを尋ねたら、「なんでもないよ。気にしないで」と言われてしまった。

 

 


 「それじゃ、今日はもう帰るよソフィア」

 「えぇ、お気を付けてお帰り下さい。あっ!それとロールケーキありがとうございました」

 「いや、気にしないで。あっそうだ!明日も来るよソフィア」

 「えっ?明日も来られるのですか?」

 「ダメか?」

 「いや、ダメと言うわけではないですが・・・私にも予定がありますので、今日と同じ時間帯なら大丈夫ですよ」

 「なら今日と同じ時間に来るよ」

 「はい、お待ちしております」


 また、明日アレン様が来る事になった。

 私の日々がアレン様に浸食されていく・・・。


 『はぁ~』。

 私は思わずため息がでてしまった。

 


 

ブクマよろしくお願いいたします。

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