思わぬ、来客の登場
いつも読んでいただきありがとうございます。
王宮でアレン様と会ってから3日が経った。
私が思っていたよりも早くアレン様に会ってしまった。
正直ゲームでソフィアは攻略キャラの男どもと、どのタイミングで会ったか知らないから会う前の準備が難しい。
まぁアレン様は他のキャラよりも早く会う事は予測していた。なざなら、ソフィアはゲームの設定でアレン様の婚約者候補という立場で登場していたから、学園に入る前から会っていると思ってはいたが。
まさか、6歳の時に会うとは思ってもいなかった。でも、アレン様は何とかなりそうね。
他のキャラ4人が全くの不明である。いつ会っていたのかゲームでは描かれていなかったからな。
下手すると、学園に入るまで会わないかもね。
ヒロイン3人も学園に入るまで、誰とも会って無かったからね。
私もその可能性は十分にある。
もし、そうだった場合はなるべくヒロインと男どもに関わらなかったら私の破滅エンドを回避できるからね。
アレン様は一度会って友達になったから、ある程度の交流はしたほうがいいわね。
コンコン「お嬢様、失礼いたします」。
ノックが鳴りエマの声が聞こえた後、部屋にエマが入って来た。
「どうしたの、エマ?」
「はい、それがお嬢様にお会いしたいと言う方がお見えになられてまして・・・」
いつもとは違い、歯切れが悪いわね。どうしてのかしら、エマは?。
「一体、どなたが来られたの?」
「第一王子のアラン・ガブリエーレ様がお見えになっておりまして、今客間で待ってもらっています」
「えっ!?どうしてアレン様が?」
「はい、私も来られた理由を尋ねたのですが・・・お嬢様に会いに来たとだけ」
「そう・・・私、今日会う約束とかしていなかったのに。どうかしたのかしら・・・」
「私もそれが気になりまして、すぐにお通しするかどうかを迷いまして・・・お嬢様にお聞きしようと思いましてココに」
「そういう事ね。いつまでもお待たせするのも失礼だから、この部屋に来てもらって」
「かしこまりました」
でも、どうしたのかしらアレン様は?。
急に来るなんて。
コンコン「お嬢様、失礼いたします」。
「はい。どうぞ」
エマが扉を開け、アレン様が部屋に入ってくる。エマは紅茶の準備をする為にキッチンに向かった。
「本日は、どうしたのですか?アレン様」
私の質問を聞いたアレン様が、何故か不思議そうな顔をしていた。
「ソフィアは何を言っているんだい?僕とソフィアは友達なんだから、会いに来ても不思議じゃないだろ?」
あっけらかんとしているアレン様に、私は困惑してしまった。
「アレン様。いくら友達だからと言って突然来るのは、如何なものでしょう。出来れば前もって連絡をくれませんと、私にも予定があるのですから」
「まぁ確かに今回は僕が悪いみたいだね。謝るよ」
「いえ、次から連絡さえ下されば大丈夫ですので。謝ってもらうほどではないですよ」
「わかったよ。次からは連絡するよ」
「で、本日は本当に私に会いに来ただけなのですか?」
「そうだよ、まっでも話したかった事はあるけどね」
「話ですか?一体どのような話でしょうか?」
「僕の婚約者候補についてだよ」
アレン様の婚約者候補についての話を何故私に?。
「何故そのような話を私に?」
「あれっ?エイベルさんから何も聞いてない?」
今、不思議な空気が部屋を包んでいる。
『どうして父の名前が出てくるの?』私は不思議で仕方なかった。
「アレン様。一体どういう事でしょうか?」
「いや、ソフィアが僕の婚約者候補になったことを聞いてない?」
たしかに、ゲームではソフィアはアレン様の婚約者候補だったけど、こんなに早く婚約者候補になるなんて思ってもいなかった。
まぁでも、これは予測できた事態。今の私なら、上手く対応できる。
ゲームのソフィアはアレン様の婚約者候補になったが、後から出てきたヒロインにアレン様を取られ、その事を恨んでヒロインに虐めをしていた。
その事が原因でソフィアは破滅エンドを迎えるのだが、その事を知っている私なら回避できる。
上手く立ち回れる私なら。
「そのような事は聞いていないですね。どうして私なのですか?」
「僕の父である陛下がお決めになった事だよ。まぁ僕も賛成したけどね」
「アレン様も賛成されたのですか?」
「そうだよ」
さも当たり前のように答えるアレン様。
「どうして賛成を?」
「うん!?だってソフィア可愛いから、それに他にも婚約者候補いるし今更反対する理由もないからね」
「かわっ・・・からかわないでくださいアレン様」
「からかってないよ。ソフィアは可愛いよ」
「ま、お世辞として聞いておきますね」
私が婚約者候補になった話が終わった後、私とアレン様はしばらく談笑した。
アレン様との話が思った以上に楽しく時間の経つのが早かった。あっという間にアレン様が帰る時間になった。
「それじゃ、また来るよソフィア。今度は紅茶に合うお菓子でも持ってくるよ」
「はい、楽しみにしてますね」
今日の夕食の時に父に聞かないと、婚約者候補の話。
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