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王宮にて・・・

連日投稿何とか維持。


 屋敷から王宮までの移動は、馬車移動なのだが。

 私の想像よりも馬車の乗り心地は良くなかった。『これ長時間乗っていたら腰が痛くなるな』。

 どのくらい時間が掛かるのか知りたかった私は父に聞いてみると、屋敷は王都にあるから王宮まではそんなに掛からないとの事だ。

 ドルトムン家の屋敷って王都にあったんだな、知らなかったよ。

 王子様に会うのは正直イヤだけど、こうして外出できたのは良かったと思う。

 馬車から見る外の景色は、現実味がないくらい素敵な街並みや重厚感がある建物が並ぶ。

 こういうものを見ると、この世界来て良かったと思ってしまう。

 

 「ソフィアもうすぐ王宮に着くよ」


 私が外の景色に見とれていると、父からの言葉に現実に戻らされた。

 私がやるべき事は簡単だ。

 できるだけ王子様に嫌われないように気をつかう事。

 そうすれば、私の破滅エンドの可能性は少なくなる。

 『頑張れ私!!』。

 

 馬車の揺れが収まった。

 その事が意味するのは、王宮へ到着だ。

 

 「着いたようだな。さっソフィア降りる準備をしなさい」

 「はい。パパ」

 「ソフィア、外ではお父様だろ」

 「そうだったね、お父様」


 馬車から降りた景色は目を奪われるものだった。

 何と言っていいのか言葉が出なかった。頑張って言うなれば、まさしくファンタジーの世界だ。

 

 「ソフィアこちらだよ」

 「はっはい。お父様」


 父を追うように私は王宮に入った。

 王宮の中もすごくキョロキョロしていまっている。

 一応、少しはゲームで王宮の中を知っていたつもりだったが、実際に見てしまうと全くの別物に感じてしまう。

 ゲームでは細かい所まで見られなかったことも原因の一つかもな。

 今の私の気持ちは、まさしく聖地巡礼だ。

 

 「どうだいソフィア。王宮に来た感想は?」

 「はい、とってもすごいです」

 「それは良かった。連れてきて正解だった」


 父の後を追って進んでいると、見覚えがある場所に来た。

 確かここの先には玉座の間があったはず。目的地はそこなのだろうか?。

 

 「お父様、どちらに向かっているのですか?」

 「今向かっているのは、謁見の間と言ってそこで陛下と王子様に会う予定なんだよ」

 「陛下にもお会いできるのですね」

 「そうだよ、ソフィアなら大丈夫だと思うけど失礼のないようにな」

 「わかりましたわ、お父様」


 玉座の間から少し離れた場所に、謁見の間はあった。

 謁見の間といえど、立派な両開きの扉が仰々しく存在していた。

 扉の隣には使用人が立っており、私達を見て扉を開き中に通してくれた。

 ゲームでも謁見の間は見たことが無かったから新鮮な気持ちで中に入った。

 立派な調度品の数々が、この国の贅を凝らした品々であることは一目見ただけで分かってしまう。

 それだけに、圧倒的なのだ。

 私の家もすごいと思っていたが、ここと比べると完全に負けてしまう。

 

 「ドルトムン様、陛下はもう少し経ちましたらお越しになりますので、そちらでお掛けしてお待ちください」

 

 使用人からの案内を受けソファーで待つことに。

 『うわ、このソファーすごい。フカフカだ』ソファーに使われている生地の手触りが今まで感じた事がないものだ。

 この世界に来てから、毎日が驚きに連続だ。

 ソファーを堪能していると、扉が開き使用人が入ってきた。

 

 「お待たせ致しました陛下がお越しになります」


 使用人がそう告げると、隣に座る父が立ち上がった。

 私も父に続き立ち上がる。

 私達が立ち上がったのを確認した使用人が、部屋に陛下を招き入れる。

 部屋に入って来た陛下は、ゲームで知っている姿より若く見えた。

 『あっ!!当然か主人公が陛下に初めて会うのは16歳の時だから。今の陛下はそれよりも10歳若いのか』。

 陛下に続き王子様も部屋に入って来た。

 この時、私は気づいた。本来なら陛下が入る前のタイミング頭を下げていなければならなかったが、私は二人に見とれていて頭を下げるタイミングが少し遅れてしまっていた。

 私は慌てて頭を下げる。

 私の様子を見ていた陛下がすぐさま「よい、よい。頭を上げなさい。これは式典などではなくプライベートなのだから、そうかしこまる事はない」とおっしゃって下さった。

 陛下と王子様と向かい合う形になり、私は父に促され自己紹介する事になった。

 

 「私は、エイベル・ドルトムントの娘のソフィア・ドルトムントと申します。本日は陛下とお会いでき光栄です」

 「なるほど。この子がエイベルが自慢する娘か、確かに可愛い子だな。それに、お前に似て聡明そうな子だ」

 

 父が私の事をどのように、陛下に伝えていたのか気になるとこだが今はそれよりも気になる事がある。

 それは、なぜこのような場を設けたのかだ。私はそれが知りたい。

 

 「そうだ、紹介が遅れたな。これは私の息子だ。ほらアラン自己紹介せぬか!」


 陛下に背中を押される形で、陛下の隣にいる王子様が自己紹介を始める。


 「私はこの国の第一王子のアラン・ガブリエーレです」


 『えっ?挨拶そんだけ?』6歳の時の王子様ってこんな感じだったんだ。ゲームでは俺様タイプのキャラだったのに、これからの10年の歳月で俺様のキャラに成長する感じなのね。


 「ソフィア、これから私は陛下と大事な話があるからその間アレン君と一緒に遊んできなさい」


 急に爆弾を投下された。

 『初対面同士でどうしろっての?無理だよ』。


 「おっそれはいい。アラン、ソフィアさんをちゃんとエスコートするんだぞ」


 なぜか、父の無茶ぶりに陛下が乗っかってきた。

 半ば強引に王子様と二人っきりされる事になった。


 『まだ心の準備が出来てないよ~』。



 

 

ブクマよろしくお願いいたします。

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