新たな目覚め・・・
3話目です。(^。^)/
俺は夢を見ていた。
俺がやっていた乙女ゲーに出てくる、悪役の公爵令嬢ソフィア・ドルトムンの夢を見ていた。
彼女が生まれてから六歳までの夢を見た。
空腹で目が覚めた、頭の痛みが無くなったみたいだ。
意識を失う前の事が夢ではないことを理解してしまった。
目に映る光景が、明らかに自分の部屋でないことは一目見てわかってしまった。
この部屋の光景は夢で見た、ソフィアの部屋だ。
「はっ!?」
俺は重要な事を思い出し、飛び起きた。
俺の右手がある場所に伸びる。右手から伝わる感触がいつもと違っていた。
マイサンが留守のようだ。俺のマイサンを正式導入する事なく亡くなってしまったらしいな。
辛みあるー。
「あーー最悪だーーー!一回でもいいから使いたかった。マジで悔いる」
今、起きている現象を確かめるべく俺は化粧台に向かった。
鏡に映る姿が完全にソフィアだった、これは認めるしかないな。
俺はどうやらソフィアに転生してしまったようだ。
でも、何でよりによってソフィア?もっといいキャラいるだろ。
ヒロインとか攻略キャラの男どもとかいただろうよ、もう一回言うけどなんで悪役のソフィアなの普通にいったら破滅エンド一直線なんだけど。
これからの目標を決めるしかないな、俺の破滅エンドを避ける為に。
〈 目標 〉
・ヒロインに対する虐めを止める。
・攻略キャラの男どもには愛想を振りまく。
・もしもの時の為に、一人でも生きていけるように何らかの技術を身につける。
・お金を貯める。
とりあえずは、これくらいので良いだろう。
あとは、状況に応じて目標を追加していけばいいだろう。
改めて見ると、俺って結構な美少女じゃね。自分で言うのもあれだが、結構可愛いぞ。
「お嬢様、失礼いたします」 ガチャ
俺が鏡の前でポーズをとっていると、部屋のドアが開いた。
ドアをから現れたのは昨日会ったメイドさんだった。
夢で見たソフィアの記憶が正しければ、俺つきのメイドさんで名前がたしかエマ・ウォーリーだったな。
「お嬢様!!起きられて大丈夫なのですか?」
俺の顔を見るなりエマさんは、俺のもとへ駆け寄って来た。
エマさんは勢いそのままに、俺の両肩をガシッと掴んでくる。
「お嬢様、大丈夫ですか?」
先ほどよりも強い口調で迫ってくるエマさんに、俺は思わずたじろいでしまった。
「はい、大丈夫ですよ。エマさん」
俺の返事を聞いてエマさんが、驚いた顔をしていた。
「えっ!?お嬢様が私に、さん付けでお呼びするなんて・・・」
えっ?俺がさん付けで呼ぶの、そんなにおかしいの?。
あっ!そういえばソフィアの性格を考えると、親族以外の者は呼び捨てだったな。
気をつけなきゃいけないな。前世の癖で、咄嗟に敬語がでてしまうんだよなぁ。
「いえ、エマ。おっ・・・いやっ私なら大丈夫」
ヤバい、ヤバい。いつもの癖で俺って言うとこだった。
流石に今の俺は女の子だからな『うれしくはないが』。
これからは、言葉に気を付けないといけないな。
「お嬢様、少しオデコの方を失礼しますね」
エマは右手が俺のオデコに触れた。
体温を測ろうとしているのだろうか、エマは真剣な顔をしている。
こんなに心配してくれるとは、ソフィアは意外と愛されているんだな。
「う~ん、熱は無いような気がしますが。旦那様からは、お嬢様が目覚めたらお医者様を呼ぶように言われていますので。今から呼んで参りますので、少々お待ちくださいお嬢様」
昨日、倒れてしまってるから仕方ないか。
「わかったわ。なら私はベッドで腰かけて待っていた方がいいかしら?」
「そうですね・・・また突然倒れてしまうかもしれませんし。その方が良いと思います」
「えぇ、わかったわ」
エマは医者を呼びに部屋を出て行った。
『ふぅ~、私は言われた通りにベッドで待っているとしますか』にしてもこの部屋、めちゃくちゃ広いな。一体何畳くらいあるんだ?前世での俺の部屋がかわいく思えるぜ。
十分くらいだろうか、私がベッドで待っていると「入りますね、お嬢様」エマの声が扉の向こうから聞こえてきた。
「えぇ、どうぞ」
ガチャ「失礼します」。
部屋に先に入ってきたのは、エマで続いて白髪のおじさんそしてソフィアの父親の順で入って来た。
まさか、父親まで来るとは。
「先生、早くソフィアを診てください」
「わかっていますよ、旦那様そう急かさないでください」
白髪のおじさんが、やれやれといった感じで私の方にやってくる。この人が医者か。
「では、お嬢様診させていただきますよ。まずは心拍音を調べますのでジッとしていてください」
「はい、わかりました」
それからしばらく医者に診てもらった後、診断の結果は問題なしとでた。
だが、倒れたのが昨日の今日なのでしばらく様子をみることになった。
ので医者からは、定期的に検査に来るように言われた。
医者が部屋から出て行った後、父親が私に抱きついてきた。
「ソフィア~心配したんだぞ~!エマから急に倒れたって聞いてパパは心臓が飛び出るかと思ったぞ。もっとお前の可愛い顔を見せておくれ」
効果音でウリウリと聞こてきそうなほど、私に顔をこすりつけてきた。
案外悪い気はしないな、こういうのも。俺も娘が居たらやっていただろうしな。『まぁ彼女もいたこともない私が言えたことでないが』
「旦那様、その辺にしてくだい。お嬢様はまだ病み上がりなのですよ」
そろそろ止めようと思っていた矢先、私よりも先にエマが止めに入った。
私の気持ちをくんでくれたのか。なかなか優秀なメイドだなエマは。
「そうだな、今日は一日部屋で安静にしていなさいソフィア。朝食は部屋で食べるといい。私はこれから王宮に行かなくては行けないからしばらく家を空けるが、また何かあったらすぐに私に連絡するようにいいなエマ?」
「はい、旦那様お任せください」
「では、あとは頼んだ」
そう言って父親は出て行った。
「では、お嬢様。私は朝食を取って参りますのでお待ちください」
「わかったわ」
エマも出て行ってしまった。
さて、これからソフィアとして頑張っていくしかないか。
『トイレはどうしよう・・・』
スムーズな投稿を目指す!!