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後に・・・

もっと投稿頻度を上げたい。


 私の腕を掴んでいた手が少しずつ力が抜け離れていった。

 腕に残る圧迫感が未だに私を解放していない事を言っているような気がする。

 

 「まぁ不思議と人が何を考えているのか分かるんだよね俺」

 

 さらっとすごい事を言うデイルに思わず私は感心していまった。

 

 「負けを認めますデイルさん。デイルさんの言う通りですよ」

 「へー案外素直なんでね。公爵家の令嬢だからもっとプライドが高いと思った」

 「すごい事言いますね・・・」

 「そうかなぁ?俺そこの貴族間での決まりとか、しっくりこないんだよね」

 「いえ、そういう問題ではないと思いますが?」

 「まぁ別にいいじゃん」


 そう言ってデイルは使用人から飲み物を二つ貰い、飲み物の一つを私に渡してきた。

 私は渡された飲み物を受け取った。

 

 「私はいいですが、他の方からの評価が悪くなりますよ。ここは貴族社会なのですから」

 「それ、お父さんから言われたよ」


 軽く笑みを浮かべて飲み物を飲むデイルの姿は、とても子供には思えなかった。

 

 「私は自分の為にも、言葉使いくらいは直された方がいいと思いますよ」

 「それは面倒だね」

 「でも、面倒というだけで出来ないわけではないのでしょう?」

 「そうだね。確かに出来ないわけではないよ」

 「なら、簡単な話ですね」


 デイルは腕を組み少し考える素振りをしている。

 私は、何故デイルが考えているのか分からなかった。出来るならやった方がいいのは明らかなのだから。

 

 「うーん・・・何か楽しみがあれば俺もやるけど、何かない?」

 「それを私に聞きます?」

 「うん。だってソフィアが言い出した事だし」

 「確かに私から言いましたけど・・・何か楽しみがあればいいんですよね?」

 「うん、そうそう」

 

 少し面倒な事になってしまった。なんで私が、考える事に・・・。

 『私が何か楽しい事を提供すればいいのかな?』、考えれば考えるほど何も思いつかない。

 楽しい事・・・。


 「例えばどのような事がデイルさんは楽しいく思いますか?」

 「そうだね・・・最近は人の嘘を見抜いて、その嘘を指摘した時に動揺する姿を見て楽しんでいるかな」

 「腐ってますねッ・・・」


 私は思わず本音を漏らしてしまい、すぐに手を口にあて次の言葉を出ないようにした。

 だけど、間に合ってなかったようで・・・先ほどまで普通の笑顔だったデイルが今では不敵な笑みになっている。

 

 「言ってくれるねソフィア」

 「すいません、つい本音が・・・あっ!」


 さらに墓穴を掘る事になってしまった。

 『ヤバい、本音が止められない』、口を押えていた手が外れたせいだと自分で言い訳した。

 

 「まっいいよ。嘘じゃないみたいだし、そうだ!ソフィア」

 「何ですか?」

 

 突然に大きい声を出すデイルに、私は驚いてしまった。


 「俺と友達にならないか?」

 「えぇいいですけど」

 「よし、なら決まりだ。今日から俺達は友達だ」

 「はい・・・」


 友達になるのは別にいいのだけど、何をしたいのだろうデイルは?

 

 「なら、俺の言葉使いが治るまでソフィアが俺の話相手になってもらうという事で決まりだな」

 「えっ!?」

 「えっ!?じゃないよソフィア。ソフィアが俺の話の練習相手になってもらうよ」

 「それは、私ではなく他の方のほうがいいのではないのでしょうか?」


 そう、私の言葉・姿勢・仕草はただの付け焼き刃。咄嗟の時には前世の動きが出てきてしまう。

 だって前世の時の方が、今よりも人生が長かったから仕方ない気がする。

 だから、長時間接しているとボロが出る恐れがある。

 

 「まぁ本音はただ単純にソフィアともっと話したいだけなんだけどね」

 「それだと、本来の目的が・・・」

 「いいじゃん別に。明日、早速ソフィアの家に遊びに行くよ」


 私の言葉を遮るようにデイルが言葉を重ねてきた。

 そして、デイルの口からまた面倒な言葉が聞こえてきた。

 

 「明日ですか?明日は朝から勉強をしなくてはいけないので・・・都合が」

 「一日中するの?」

 「いえ、午前中で終わりますが」

 「なら午後からなら大丈夫なんだね?」


 どこかで、似たような事があった気がしてきた。

 

 「そうですね。午後からなら大丈夫ですけど・・・」

 「よし。なら明日午後からいくよ」

 

 どんどん話が進んでいく。

 そして、この会話を止める事が出来ない自分の対応力なさに愕然とする。

 

 「は~わかりました」


 「明日が楽しみだね」っと言ってデイルは私の元から離れていった。

 笑顔で離れていくデイルは、どこか足取りが軽いように見えた。

 残された私は右手に持っているグラスを強く握っていた。

 『明日から面倒事が増えるのか・・・』、私は気づいた。

 今の私が深いため息をついていることに・・・。

 

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