クロフォードさんのお茶会にて・・・
すいません。投稿遅れました。
私は、お茶会の招待状を片手にクロフォード家の屋敷に向かっていた。
クロフォード家とは王国に存在する公爵家の一つで、ドルトムン家と並ぶ二大貴族だ。
王国には、公爵の爵位を持つ家はクロフォード家とドルトムン家だけしかない。
それ故に王国には二党貴族派閥が存在し、クロフォード家とドルトムン家は長くライバル関係にある。
だから、私がクロフォード家のお茶会に参加すると家族に言った時は猛反発を受けた。
私は、何とか家族を宥めお茶会に行く事を許可してくれた。
でも、最近こうして一人で出かける事が増えたように感じる。
前までは屋敷で勉強ばかりだったから、外に出る事はなかなか難しかった。
こうやってゆっくり馬車に揺られ、外の景色を見る事が出来るのは私はすごく嬉しい。
だって、アニメや漫画でしか見たことのないものが目の前に存在している。
でも、私はまだ屋敷から屋敷、屋敷から王宮にしか移動した事がない。一度は町や商店を歩いて見たし触れてもみたい。
今の私の年齢だと難しいかもしれない。
私はまだ6歳だからね。せめて12歳くらいまでは我慢かな。
でも、両親が許してくれるかは不明だけどね。
『一人で買い物とか久しぶりに行きたいわね』、そんな事を思っていると馬車がクロフォード邸に着いた。
馬車から降りて見たクロフォード邸は、とても大きかった。『私の屋敷と同じくらいの大きさかしら?』クロフォード邸は外観が黒で統一されている、ドルトムン邸は白で統一されているからまさに対照的な造りね。
「お待ちしておりました、ドルトムン様」
私がクロフォード邸を見ていたら、玄関の前で待機していた使用人の方が話かけてきた。
話かけてきた使用人は、とても洗礼された動きでお辞儀をし私の元へ駆け寄ってくる。
「クロフォード家の使用人の方ですね、お茶会の場所への案内をお願いしても?」
「はい。私が本日は案内させていただきます」
そう言って使用人の方が案内してくれた。
クロフォード家の中は、高そうな調度品の数々が綺麗に並んでいる。
『こういう所は、貴族あるあるなのかな?』、ドルトムン家でも王宮でも調度品は飾られている。貴族はこういったところで格式と言えばいいのか風格と言えばいいのか分からないけど、こういう物で表しているのかと思ってしまう。前世では一般的な家庭で育った私には分からないところでもある。
「ドルトムン様、こちらの部屋でお茶会が開かれます」
そう言って案内され、今扉の前で待機している。
コンコン。「お嬢様、ドルトムン様がお見えになりました」、使用人の方が扉越しで言うと部屋の中からクロフォードさんの声が聞こえてくる。「そう。入って」「かしこまりました」。
そうして使用人の方が扉を開け、私は部屋に入った。
入った部屋は、普通の部屋と違って庭と部屋が一体化した造りになっていた。
「ドルトムン何をボーっとしてますの。早く、こちらですわよ」
扉の前でいまだに立っていた私に気を利かせて、クロフォードさんが私の元まで来て手を引いてくれた。
「ありがとうございます」
クロフォードさんに手を引かれ部屋の奥に進み、周りが木と花に囲まれたテーブルの所まで行き席に座った。
「すごい部屋ですね。クロフォードさん」
私は素直な気持ちを口にしていた。
「そうでしょう。ママが設計した力作の場所なのよ」
胸を張って誇らしげに言うクロフォードさんを見てお母さんの事を好きなんだと思った。
「そうなのですね。とても素敵な場所ですね」
「ありがとうドルトムン。そう言ってくれるとママも喜んでくれるわ」
「ところで、クロフォードさん他の方とかいらっしゃらないのですか?」
「今は居ないわ。後から来ると思うわ」
「えっ!?」
『私を意図的に先に呼んだって事?』、私の中で疑問が生まれた。
どうして私だけ先に呼んだんだろう?。
でも、その前にクロフォードさんに謝らないと、私はそう思ってクロフォードさんに向き直った。
「クロフォードさん!!」
「な、何?」
私が突然、大声を出してしまったせいでビックリさせてしまった。
「クロフォードさん王宮の時はごめんなさい」
「何を改めて、もういいわよ、済んだ事でしょう」
「ありがとう。クロフォードさん」
クロフォードさんのさっぱりした返答に彼女の優しさ感じてしまった。
私は思わず目頭が熱くたった。
私が涙を流すのを我慢していると、クロフォードさんが真剣な眼差しで話してきた。
「ドルトムン。今日貴女を先に呼んだのはアレン様の事について聞きたかったからよ」
「アレン様についてですか?」
「そうよ。貴女、最近アレン様と交流ある?」
「いえ、最近は全く連絡もとってないですね」
「そう・・・貴女もそうなのね」
私の答えを聞いたクロフォードさんは考え込むよに頭を下げてしまった。
『なにかあったのかなアレン様?』。
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